Jun 23, 2019 column

X-MENはアメコミ映画の草分け!19年の歴史&“最重要作”の原作コミックを解説

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アメリカンヒーローコミックを原作にした映画フランチャイズと言われてまず頭に浮かぶのは、今や誰にも止められない勢いのマーベル・シネマティック・ユニバースの作品群だろう。2008年から11年の間に、実に22本の映画を生み出したマーベル・スタジオの実績には目を見張るものがある。だがその始まりに先立つこと8年。2000年から今年まで実に19年間にわたって、同じ世界観・同じ時系列で(時系列については若干トリッキーなところがあるものの)脈々と物語を紡いできた映画シリーズがある。そう、マーベル・コミックス原作、20世紀フォックス配給の『X-MEN』サーガがそれだ。本稿ではこのシリーズを振り返ると共に、最新作の見どころと原作コミックについて解説したい。

映画版『X-MEN』シリーズの歩み

突然変異で生まれ、それぞれに異なる超能力を身につけたミュータントたち。強力なテレパシー能力を持つ指導者プロフェッサーX(パトリック・スチュワート / ジェームズ・マカヴォイ)のもとに集ったミュータントたちは“X-MEN”を名乗る。彼らは人類から恐れられ、時には迫害を受けながらも、その人類との平和共存のために戦い続けているのだ。対話を捨て、人類の駆逐を誓うミュータントテロリストのマグニートー(イアン・マッケラン / マイケル・ファスベンダー)との思想的・物理的対立。あるいはミュータントを新しい脅威とみなし、まとめて亡き者にしようとする人類たち。『X-MEN』はその映画も、基になった原作コミックシリーズも、こうした戦いを一貫して描いてきた。

『X-MEN』(ブルーレイ・DVD 発売中) ©2013 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

ここで時間を20年から30年ほど遡ってみよう。いわゆるアメコミ原作映画といえば『スーパーマン』(78年~87年)と『バットマン』(89年~97年)シリーズという、押すに押されぬ二大巨塔があるにはあった。しかしこれらDCコミックス原作映画が(作品を重ねるうちに内容の面でも興行面でも急降下したにせよ)成功を収めるその裏で、今や向かうところ敵なしのマーベル・コミックスは自社作品の実写化に恵まれず、常にライバルの後塵を拝していたのだ。いや、後塵を拝していたというのは正確ではないかもしれない。そもそも『スーパーマン』や『バットマン』シリーズに比肩しうる、自社原作の映画化作品が長らく存在しなかった。いくつかの試みはあったにせよ、そのいずれも劇場で上映されることはなく、レンタルビデオ屋の棚にひっそりと居場所を見つけることになった。

それがマーベル・コミックスの実写映画ジャンルにおけるポジションだった。大きく状況が変わるのは90年代も末期になってからだ。98年の『ブレイド』、00年の『X-MEN』、そして02年の『スパイダーマン』というマーベル原作映画3連発の大ヒットをもって、マーベルが映画で苦杯をなめてきた時代は完全に終わりを告げる。

『X-MEN』(ブルーレイ・DVD 発売中) ©2013 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

マーベル映画ルネッサンスの立役者というべきこれら作品群だが、『ブレイド』シリーズは04年に、サム・ライミ版『スパイダーマン』シリーズは07年に、それぞれ第3部の公開をもって終了。行き詰まったら一から出直しというのはアメコミ映画のお家芸で、後者はその後『アメイジング・スパイダーマン』2部作として心機一転(12年・14年)、さらにマーベル・スタジオで『スパイダーマン:ホームカミング』(17年)で再度リブートされることとなった。こうして同時期にデビューした映画シリーズが終焉を迎えたり、ないしは仕切り直されたりする中で、実写版『X-MEN』フランチャイズだけは今日までずっと続いてきたのである。21世紀アメコミ映画の歴史の初めから、ひたすら現役で気を吐いてきた『X-MEN』。それがいま、とうとう終焉の時を迎えようとしている。

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