May 15, 2025 column

「何かを言わずにいられない」と女性たちが語り合った ! デミ・ムーアが覚悟を決めて臨んだ衝撃作 映画『サブスタンス』

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これはデミ・ムーアが主演した映画『サブスタンス』に、言葉にできないほどの衝撃を受けた旧知の仲の四人の女性によるレポートだ。2024年9月、ロサンゼルスで観た『サブスタンス』は、若く美しい分身を手に入れることができる“再生医療”を受けた元トップ女優の物語。旅を終えて帰国した二人と、ロサンゼルス在住の二人は、誰かと話したい、何か言わずにはいられないモヤモヤを解決するため、急きょオンラインで『サブスタンス』についての“国際会議”を開いた。あのときの興奮たるや!あの緊急会議を振り返り、再度『サブスタンス』を語っていく。

( トークメンバー / 五十音順 )
石橋朋子 / 元映画ライターで配給会社買い付け担当。現在はLA在住の撮影コーディネーター
金田裕美子 / 元映画雑誌編集部の編集者&ライター
関口裕子 / 元映画雑誌で編集長をしていたアラカン映画評論家
町田雪 / Z世代男子とα世代女子の母であるLA在住ライター、翻訳者

観ていない人に具体的なことを言いたくないわけ

金田 そもそも私が“緊急国際会議”の言い出しっぺなんですね。昨年LAに行ったときに、デミ・ムーアが凄いという評判を聞いて興味津々だった『サブスタンス』を観てぶっとんだんです。あまりにも衝撃的で混乱して、これをどう受け止めればいいんだろう、他の人はどう感じるんだろうと思った。観た翌日にLA組の石橋さんと町田さんにお会いしたんですけど、お二人ともまだ観ていなくて、私が「とにかく凄い!」「なんじゃこりゃ!って感じ」「頭おかしい!」と異常なテンションで説明するんだけどネタバレになるから具体的なことは話せなくて、「ああもう早く観て!それからみんなで話そう!」ということになった(笑)。

町田 先に同作を観た映画通&表現のプロのお二人(関口さん&金田さん)に感想を聞いたら、ジャンルも内容もメッセージもすべてにおいて口ごもられている。これはただ事ではないと思いました。そして、これを一緒に観るにはこの人しかいないという深掘りトーク仲間、石橋さんとともに鑑賞。まだ観ていない人に感想を聞かれると、口ごもるしかないのがよく分かりました。

石橋 そもそも観るきっかけが、町田さんが言うように、このお二人でさえ何も語れないってどういうこと?という疑問だったので、「観ましたよ〜!さあ、何が引っかかっていたのか、吐ききってください〜」と聞きたくてたまらなかった。私は鑑賞直後に出てきた一言が「マスターピース (傑作)!」だったので、とにかく興奮して、共有したかったというのもありました。一旦四人で『サブスタンス』のスレッドを立てた後は、座談会だけでなく、ずっとチャットのようにこのスレだけで半年以上盛り上がりましたよね (笑) 。語り甲斐がありますし、頭から離れない作品です。