新スーツは超高性能ガジェット！多数のクモの糸、翼やGPS機能、AIまで搭載
©Marvel Studios 2017. ©2017 CTMG. All Rights Reserved.
過去2シリーズのスパイダーマンは、NYの高層ビル街で、クモの糸をスイングさせるアクションが大きな見せ場になっていた。今回の『ホームカミング』では、マンハッタンも出てくるが、郊外の住宅地や、ワシントンD.C.のモミュメントなどでのアクションが見どころになる。もちろん豪快なスイングも披露するが、それ以上に特徴的なのは、スパイダーマンスーツに搭載された新機能を使った多種多様なテクニックである。トニー・スタークが開発したスーツには、なんと500以上もの機能が搭載されているのだ。クモの糸を放つだけでも多くのバリエーションがあるうえに、両脇にムササビのような翼が出て簡単な飛行ができたり、GPS機器があったりと、スーツは超高機能ガジェットと呼んでいい。さらに驚くべきことに、スーツには人工知能（AI／カレン）が搭載され、女性の音声でピーターの要望に応えてくれる（カレンの声を担当しているのは、オスカー女優のジェニファー・コネリー！）。
なんだか応援したくなる、“軽快”でコミカルな愛すべきスパイディが誕生！
前述のスーツのAIは、ピーターが想いを寄せる相手にキスの瞬間を提案するなど、恋の手ほどきも担当する。こうした高性能スーツと、トム・ホランドの魅力が合体することで、『ホームカミング』の独創的な魅力が生まれた。それは、良い意味での“軽快さ”である。ジョン・ワッツ監督がキャストたちに『ブレックファスト・クラブ』（85）や『フェリスはある朝突然に』（86）など、80年代映画を参考にするように指示しただけあって、今作はヒーローアクション映画というだけでなく、青春ストーリーとしての香りが濃厚。先輩女子に憧れるピーターの複雑な想いや、オタクの親友とのやりとりなど、過去のシリーズに比べて圧倒的にコミカルな描写も多く、観ているこちらも同じ目線で応援したくなるムードなのだ。
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失敗も多いが、挫折を感じることなく前に、前に突き進むピーター。やんちゃな性格も憎めない。ここまでポジティブで愛すべきヒーロー像を完成させるのは、トビー・マグワイアやアンドリュー・ガーフィールドでは不可能だった。ヒロインとの恋愛ドラマも、『アメイジング・スパイダーマン2』では信じられない悲劇へと導かれたが、『ホームカミング』は15歳ということもあって、多少シビアな展開にもなるが、深刻さは希薄。この軽快なノリは、最近のマーベルヒーロー映画として予想外の大成功を収めた『デッドプール』を彷彿とさせる（実際に『デッドプール』をパロったセリフも出てくる）。
息詰まるアクションシーンも健在、そして心揺さぶられるピーターの“決断”――
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もちろん見せ場のアクションは“軽い”だけではない。『スパイダーマン2』での走る列車とのバトル、『アメイジング・スパイダーマン2』のブルックリン橋での衝撃アクション。その興奮が甦るのは、『ホームカミング』の巨大フェリーが割れるシーンだ。自慢の糸を使って真っ二つになりかけた船体を引き戻すスパイダーマンの姿は、観ているこちらの息も止まりそうな迫力と壮絶さで、それまでのチャラかったムードも一掃してしまう。この硬軟自在のメリハリ感も、マグアイア版、ガーフィールド版とは明らかに異なる『ホームカミング』の魅力だろう。
そしてトニー・スタークの目線でピーター・パーカーの成長を見守ってきた我々観客は、クライマックスでの“ある決断”に心を揺さぶられるのは確定的。この鮮やかで爽やかな幕切れを、いったい誰が予想することができたか？ 観終わった後の幸せな気分こそが、過去のスパイダーマン映画と明らかに別次元なのである。
文／斉藤博昭
映画『スパイダーマン：ホームカミング』
ベルリンでのアベンジャーズ同士の戦いに参加し、キャプテン・アメリカからシールドを奪って大興奮していたスパイダーマン＝ピーター・パーカー（トム・ホランド）。昼間は15歳の普通の高校生としてスクールライフをエンジョイし、放課後は憧れのアイアンマン＝トニー・スターク（ロバード・ダウニーJr.）から貰った特製スーツに身を包み、ニューヨークの街を救うべく、ご近所パトロールの日々を送っている。そんなピーターの目標は、アベンジャーズの仲間入りを果たし、一人前の“ヒーロー”として認められること。ある日、スタークに恨みを抱く宿敵バルチャー＝エイドリアン・トゥームス（マイケル・キートン）が、巨大な翼を装着してニューヨークを危機に陥れる。アベンジャーズに任せておけばいいというスタークの忠告も聞かずに、ピーターはたった一人、戦いに挑むが……。
映画『スパイダーマン：ホームカミング』
監督：ジョン・ワッツ
出演：トム・ホランド、ロバート・ダウニーJr.、マイケル・キートン、マリサ・トメイ、ジョン・ファヴロー、ゼンデイヤ、トニー・レヴォロリ、ローラ・ハリアー、ジェイコブ・バタロン
配給：ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
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2017年8月11日（祝・金）公開
公式サイト：http://www.spiderman-movie.jp/
『スパイダーマンTM トリロジー ブルーレイ コンプリートＢＯＸ』
ブルーレイ：5800円（税抜）発売中
発売・販売元：ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
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『アメイジング・スパイダーマンTM シリーズ ブルーレイ コンプリートBOX』
ブルーレイ：3800円（税抜）発売中
発売・販売元：ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
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「アメイジング スパイダーマン」ディズニー(著) / ディズニーストーリーブック
「アメイジング スパイダーマン2」ディズニー(著) / ディズニーストーリーブック
「シビル･ウォー キャプテン･アメリカ」ディズニー(著) / ディズニーストーリーブック
