Oct 24, 2025 column

市民がつくる水戸映画祭 ーー40年の熱き想いを映画の過去と未来に寄せて

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今年の水戸映画祭のテーマは「映画の記憶、未来への鼓動」だ。これが上映作品全体で表現されている。

明日25日に上映されるのは、第78回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、ワールドプレミア上映された『ルノワール』。上映後、監督の早川千絵とともに、カンヌで「注目すべき10人の才能」に選出された12歳の主演俳優鈴木唯がゲスト登壇する。

そして世界の今を知る2作品として、97回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した敵同士だったふたりの友情を映像でとらえた『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』、ダッカ襲撃人質テロ事件を題材に全編ワンカット撮影で描く緊迫のドラマ『土曜の午後に』を上映する。

26日には、 水戸芸術館にある35mmフィルム映写機を活用し、能登半島地震の喪失と再生を描いた、是枝裕和監督長編デビュー作『幻の光』を上映するとともに、新鋭・空音央監督による衝撃の長編劇映画デビュー作『HAPPYEND』を監督本人のトークを交えての上映プログラムを実施。その他、水戸映画祭が着目している『冬の庭』『100年』『DUBHOUSE』といった短編映像作品における実験性、先進性を紹介する。

『HAPPYEND』© 2024 Music Research Club LLC

水戸芸術館エントランスホールにて同時開催されている「映画監督深作欣二全62作品ポスター展」(無料)に足を運ぶだけでも、またとない機会。水戸で映画の記憶と未来を感じてみてはいかがだろうか。

「水戸映画祭」は、10月18日(土)・19日(日)・25日(土)・26日(日)開催。
※上映時間やゲストは、予告なく変更される場合があります。あらかじめご了承ください。

文 / otocoto編集部

イベント情報
「水戸映画祭」

1986年10月18日に第1回目が開催。当時の市民団体・水戸映評会が主体となり、水戸映画祭実行委員会が組織され、その後も実施スタイルや形態は変えながらも、市民の手により企画、運営されてきた映画祭。

【開催概要】
開催日:2025年10月18日(土)・19日(日)・25日(土)・26日(日)
会場:水戸芸術館ACM劇場

主催:NPO法人シネマパンチ/公益財団法人 水戸市芸術振興財団/水戸映画祭実行委員会

公式サイト https://mitotanpen.jp