沢尻エリカ
「芸能生活20周年にしてやっとようやく大河に出演することができました。ほんとに嬉しく思っています。12歳で芸能界に入って、ほんとうに、右も左もわからなく、ただがむしゃらに、やってきました。この世界でたくさんのことを経験させていただき、失敗して挫折もしながら、ここまでやってくることができました。この20年間、芸能界で、培ってきたものをこの作品に、すべて捧げたいと思います。沢尻エリカの集大成を、ここで(笑)。集大成だと思っています。誠心誠意役に向き合っていけたらいいなと思っています」
染谷将太
「自分の口から織田信長という名が出るのは不思議なことです。信長、誰が演じるんだろうと他人事のように楽しみにしていたので、まさか自分がやるとは思っていませんでした。制作陣の方々からも、新しい信長、革新的な信長を一緒に作り、一緒に育てていきたいと言われこんなに贅沢なことはないと思っています。繊細でとても……これ以上言うとあれですね、どんなふうになるかお楽しみにしていてください」
堺正章
「明智光秀を取り巻く人間ドラマを一年間にわたってみなさんにお楽しみいただければ大変幸せだと思っておりますが、望月東庵という名前は、たぶん、皆さん、記憶にないと思いますが、なくて当たり前なんです。これは池端先生の、描き下ろしで、実在の人物ではない役どころなんですね。何人か、このなかにも実在の人物じゃない人間たちが、明智光秀にかかわっていくというドラマが、ございます。これはあのう非常にあのう、岡村くんも言ってたけど、架空なんで、ほんとに来週から出なくなっても、おかしくないということで、まず先に何をしないといけないかと言いますと、池端先生への付け届け(会場爆笑)。これを十分にやることで、その生命力は伸びていくと。ということになるんじゃないかと思うので、一年間通して、あ、まだ、東庵が出てるなということは付け届けが効いているということになるのではないかと思います。これはまあ冗談でございますが、架空の人物は、自分で作らないといけない部分があると思いますが、そのなかで、東庵のような役がもしかしたら現存していたんじゃないかというような思いに見てくださる皆さんをさせるという努力をしていかなければならないと思っております。昔のえらい人たちーーたとえば、王様だったりは調理人というのを、美味しいものを作っているうちは抱えこんでいるけれど、ちょっとまずくなると、首を斬るということがあったようですから、そうならないようにひとつ、自分でも努力をいたしまして、いいように自分で仕上げていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします」
本木雅弘
「純粋な大河ドラマ出演は、1998年の『徳川慶喜』以来で、22年ぶりの出演となります。若干、浦島太郎な気分もありますが、久しぶりの大舞台ということで、身の引き締まる思いがします。斎藤道三は、ご存知のように、『下剋上』の代名詞、『美濃のマムシ』という異名ももち、冷酷非道な策略家という、印象があるかと思いますが、言葉を変えれば、ひじょうに超現実主義者。親子の情も、戦国時代を生き抜くために利用し、つねに先見性をもって、合理的に生きていった、あの時代に生きた新しい人物だと説明されております。戦国武将をやるには、わたしの中には雄々しさが皆無ですので、心配な部分もあるんですが、蛇年生まれで、ものごとに対するしつこさは道三同様に持ち合わせておりますので、共演者の皆様、出演者の皆様を、ねっちりと刺激したいと思います」
長谷川博己
「未だラーメンづくりを終えたばかりで、大河ドラマの重厚な世界についていけてない自分がいます。ですが、ものすごい豪華キャストの皆様の真ん中に立たせていただけるということで、ほんとうにこれはすごいことなんだなと。いまから、武者震いをしております。とにかく、このキャストでこの作品であれば、期待をさせるのもあれですけど、確実に面白くなると思います。勝算はあります。明智光秀も、最後、死なないんじゃないかなっていうくらい、自信あります。ぜひ楽しみにしてください。精一杯、真ん中をつとめさせていただきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします」
制作統括の落合プロデューサーは、混沌とした世界でもがく英傑たちの若き姿を描く“新しい大河”と打ち出し、これまであまり描かれていない部分を描くと言う。
たとえば、これまでは、ひとりでいろいろなことをやってきたかっこいい人物という印象の強かった織田信長には、父親の地盤を引き継ぎ、父に支えてもらっていた二代目的な部分や、父母に対しての感情なども描く。
同じく、猛者として見られてきた斎藤道三も、父親と親子二代でやってきた功績を、道三ひとりのやったこととして伝えられてきたことがわかったので、そちらの史実で描く。この書き方は、今回が初めてになるという。織田信長、斎藤道三も“二代目”というキーワードで描かれることは興味深い。となると、明智光秀も、叔父・光安との関係も手厚く描かれるかもしれない。過去、あまり描かれてこなかったこの人物を西村まさ彦がどう演じるかも気になる。
長谷川博己は、本木が巳年といったのを受けて、ひとまわり下の巳年なので「互いに執念深くがっつりとやりたい」と語っていた。
会見で、配布された資料によると、脚本家がメインライターの池端俊策のほか、大河ドラマ「軍師官兵衛」の前川洋一と、池端が手がけた「夏目漱石の妻」の3話を書いた岩本真那も名を連ねていた。どういうふうにこの三名が脚本を書くのか広報に訊ねたところ、まだ確定してないとのこと。ベテラン、中堅、若手の三世代の視点が入って、重層的になることを期待したい。
演出は、大原拓、一色隆司、佐々木善春、深川貴志
収録は6月からの予定。
文・木俣冬
文筆家。主な著書に「ケイゾク、SPEC、カイドク」(ヴィレッジブックス)、「SPEC全記録集」(KADOKAWA)、「挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ」(キネマ旬報社) 、共著「おら、あまちゃんが大好きだ! 1、2」(扶桑社)、「蜷川幸雄の稽古場から」、構成した書籍に「庵野秀明のフタリシバイ」、ノベライズ「マルモのおきて」「リッチマン、プアウーマン」「デート〜恋とはどんなものかしら〜」「恋仲」「IQ246~華麗なる事件簿」など。
エキレビ!で毎日朝ドラレビュー連載。 ほか、ヤフーニュース個人https://news.yahoo.co.jp/byline/kimatafuyu/ でも執筆。
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