海の王、超ハイテク改造人間、喋くり超速ヒーロー…個性豊かすぎるジャスティス・リーグの面々
今作を彩る“ジャスティス・リーグ”の面々をそれぞれ紹介していきたい。今までは己しか信じず、一人でジョーカーらゴッサムの悪党をねじ伏せてきた(今作ではあの“ペンギン”についても言及!)バットマンことブルース・ウェイン(ベン・アフレック)は『BvsS』の一件以降、一人ではないことを悟り、前向きな人間として描かれている。今作の相手は別次元からやってきた“神”で、自らの肉体では太刀打ちできないことを理解すると、予告編での「特技は“金持ち”」という言葉通り、有り余るほどの資金面でバックアップ!しかし、ここぞという時には類稀なる精神力でチームを支える。まさにリーダーに相応しい存在感を示す。
ワンダーウーマンことダイアナ・プリンス(ガル・ガドット)は、何をとっても完璧(彼女の美しさにフラッシュがドギマギする場面も)、凸凹なチームを優しく見守る母のような存在だ。だが、未だに心に暗い影を一筋残している。それは前作『ワンダーウーマン』で語られた、最愛の恋人スティーブ・トレバー(クリス・パイン)の死だ。彼の死から100年近くの時を、大切な人間を戦いにより失ったことが、ダイアナに深い傷を負わせている。果たして今回、彼女はその痛みを乗り越えることが出来るのだろうか?
そして新たにチームに加入するのは、前作でワンダーウーマンがレックス・ルーサーJr.から奪ったファイルに記された3人のメタヒューマン。一人目はアーサー・カリー/アクアマン(ジェイソン・モモア)。海底王国アトランティスの女王と、地上人の父との間に生まれたアーサーは、誘いを受けるが一蹴、知るかとばかりに追い返す(この頑固な一面は90年代に刊行された「アクアマン」第5シリーズをベースにしていると思われる)。しかし、その魔の手は彼の故郷アトランティスにも伸び、ついに立ち上がることに。“超高速での海中移動”“テレパシーで海洋生物を操る”“超人的な肉体”。まさに海の王に相応しい能力を持つ彼は、仲間として心を開くのか?演じるはドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のカール・ドロゴ役などのジェイソン・モモア。全身タトゥーにボサボサの髭面と、ワイルドすぎるビジュアルと豪快な性格は、今までの堅実なアクアマン像を一新させた。
二人目はヴィクター・ストーン/サイボーグ(レイ・フィッシャー)。高い戦闘能力を持ち、鋼の体は空も飛べ、世界中のネットワークにアクセスできる、ジャスティス一の超万能能力を持つ。今作のデザインやキャラクター設定は、DCコミックスが2011年に刷新した「The New 52!」をベースにしている。サイボーグはその「The New 52!」からジャスティス・リーグへ参戦しており、今作でも大抜擢。全身ハイテクな、まさに新世代ジャスティス・リーグを象徴する存在である。演じるはレイ・フィッシャー。オフ・ブロードウェイなどで主要キャストを演じてきた期待の新鋭だ。
そして三人目はバリー・アレン/ザ・フラッシュ(エズラ・ミラー)。事故により、超人的スピードを身につけた大学生バリーは、バットマンの誘いをアッサリと承諾し、晴れてジャスティス・リーグの一員となった。しかしその実態は実戦経験ゼロのただの青年。憧れのヒーローを目の前にして、目をキラキラさせては、とにかく質問攻め。仲間がぶつかり合う張り詰めた空気の中一人、空気を読まず喋り続けるというコメディリリーフ的立ち回りを担う。戦闘時になると、極悪な敵を目の前にして怖気づいてしまうが、危機を目の前にした時、彼の超スピードがうなりを上げる……。この作品は、一人のオタク青年が一人前のヒーローへと成長する物語でもあるのだ。演じるはエズラ・ミラー。美少年ルックスながら、醸し出すどこか頼りなさげな雰囲気はバリーにピッタリ。今作での設定は、ドラマ版『THE FLASH/フラッシュ』(14~)の流れを取り入れている。
超人的能力を持っていても、どこか未熟で欠点も多い彼らが、手と手を取り合い、互いを尊重し合い、巨悪に立ち向かう。まさに今作の惹句“オンリーワンが集まれば、世界も救える”という言葉通り、苦しい現代におけるテーマたり得る。そのスーパーチームの相手となるのが、ステッペンウルフ。彼は、宇宙の彼方“アポコリプス”からやってきた“ニューゴッズ”と呼ばれる異星の神の一人。破壊を楽しむ彼は、さらなる力を求め、その昔に奪われたアポコリプスが生み出したスーパーコンピューター“マザーボックス”を追い、地球へやって来る。その力はただでさえ強大、ジャスティスの面々が束になっても一撃で粉砕してしまう。果たして5人はどう立ち向かうのか?今作最大の見どころだ。しかもステッペンウルフは、とある存在の部下の一人でしかない。そのボスの名は“ダークサイド”。DC世界最強にして最悪の帝王。今後、ダークサイドを巡るストーリーがDCEUで展開されるであろうことを予感させる。