Nov 25, 2017 column

アメコミ界のスターチーム『ジャスティス・リーグ』が結成!そして、これからのDCEUワールドを解説する

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11月23日(木)、アメコミ界の元祖スーパーヒーローチームがついにスクリーンに登場した! そう、『ジャスティス・リーグ』が公開されたのだ。DCコミックスのキャラクターたちが同一世界に住まうという、一大クロスオーバーとして誕生した“DCエクステンデッド・ユニバース”(以下:DCEU)。その歴史はヒーロー、スーパーマン誕生を描いた『マン・オブ・スティール』(13)から始まった。本稿では、これまでのDCEU作品を振り返りながら、『ジャスティス・リーグ』の魅力と、さらなる広がりを見せていくDCEUワールドの今後を紐解いていく。

 

ダークな世界観だったDCEU作品、『ワンダーウーマン』を経て、新たな傑作が誕生

 

世界を守るために侵略者と戦うスーパーマン。しかし、その代償はあまりにも多く、多数の犠牲者を出した。『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』(16/以下『BvsS』)で、その力は人類の脅威となると考えたバットマン、そして悪の天才科学者レックス・ルーサーJr.の思惑がぶつかり合い、再び巨大な戦いの渦を生む。

 

『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(16)
© 2017 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. TM & © DC Comics.

 

その戦いの代償は大きく、スーパーマンはこの世を去った。世を哀しみと混乱が覆い始めた(その裏でヴィランたちによるチームが結成され、問題にあたったのが16年の『スーサイド・スクワッド』)。さらには、外宇宙から未知なる力を求めて侵略者がやってくるとの情報をかぎつけたバットマンは、自らの力だけでは太刀打ちできないと悟り、先の戦いで知り合った女戦士ワンダーウーマンと共に、超人的能力を持ったヒーローを集結させるために奔走する……。そんな彼女の誕生譚を描いたのが『ワンダーウーマン』(17)である。

 

『ワンダーウーマン』(17)
WONDER WOMAN AND ALL RELATED CHARACTERS AND ELEMENTS ARE TRADEMARKS OF AND © DC COMICS. © 2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

 

ここまでが『ジャスティス・リーグ』までに至るDCEUの流れだ。これまでのDCEUの特徴と言えば、どこか重く哲学的な要素を内包した内容であった。それは“リアルなヒーロー像”を追求する、『BvsS』で製作総指揮を務めたクリストファー・ノーランの思考によるものだ。悩み傷つき孤独を歩む、そのあまりにも人間臭いヒーローの姿は、共感を呼ぶと同時に、カタルシスとは真逆の方向へと進むことに。そのダークなトーンが“ヒーロー映画”にあるまじきと、賛否を巻き起こしたのも事実である。しかし『ワンダーウーマン』が、アクション満載の娯楽作として大成功。DCEUに新風を呼び寄せた。そして満を持して、DCヒーローたちが一堂に会す『ジャスティス・リーグ』の公開。結論から言うと、これが見事な大傑作!! なのである。それは今作のジョス・ウェドンの手腕によるものだ。『アベンジャーズ』(12)の脚本で知られる彼は、ケレン味タップリな脚本を手掛けるだけでなく、本作のメイン監督でありながら、処々の事情で途中降板となったザック・スナイダーから編集を引き継ぐと、見事な手腕を駆使し、コンパクトかつボリューミーな内容に編纂。原作ファンがニヤリとする場面もてんこ盛りと、まさに誰もが待っていたスーパーヒーロームービーの誕生となった。