Oct 03, 2019 column

キアヌ・リーヴスの華麗なるアクション史、不思議な“愛され力”に迫る!

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キアヌ・アクションの復活

とはいえ、さすがにメジャースタジオからのオファーがないことに本人も危機感を抱いていた2014年、キアヌを復活へと導く作品になったのが『ジョン・ウィック』だ。シリーズ全作で監督を務めるチャド・スタエルスキは、『マトリックス』シリーズでキアヌのスタントダブルを担当していた人物。映画におけるキアヌの動き方、能力、その活かし方までを知り尽くしている監督だ。そんな監督による、本作の銃撃と近接格闘をミックスした“ガン・フー”は、殺し屋としての能力の高さと容赦のなさを両立し、さらに主人公にも結構なダメージを負わせることでリアリティを保つ。そしてカメラもある程度引いて長回しで撮影するため、演者側も長い殺陣をしっかり演じなければならず、手が抜けない。これまでキアヌが学んできたアクションスキルが、どれも高いレベルで要求された作品となった。50歳を迎えたキアヌにとって大きな挑戦だったに違いないが、キアヌを知り尽くしている監督だからこそ成し得たアクションと言えるだろう。

『ジョン・ウィック』(Blu-ray・DVD 発売中) Motion Picture Artwork ©2015 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. © David Lee

さらにスタエルスキ監督は、この映画でキアヌのパブリックイメージをうまく利用。血も涙もない裏社会の無口な伝説の殺し屋は、キアヌが演じることで意志の強さと内面にある優しさを感じさせ、観客が応援したくなる存在になる。“犬一匹のためにマフィアを壊滅させる”という冷静な男なら絶対やらない強引さも、キアヌが演じることで説得力が出ているのだ。かくしてキアヌの魅力満載の本作はスマッシュヒットを記録。2作目では“モーフィアス”ことローレンス・フィッシュバーンとの再共演も実現、狂乱のアクションもよりいっそう激しさを増し、キアヌにとって久しぶりのヒットシリーズとなったのだった。

最新作『ジョン・ウィック:パラベラム』

そしてついに公開されるシリーズ最新作『ジョン・ウィック:パラベラム』では、製作費も大幅に増加、シリーズの世界観はさらに拡大され、賞金首となったジョン・ウィックに世界中の殺し屋が襲い掛かる。鬼ごっこ開始のようなカウントダウンの後、“よーいドン”でそこら中の殺し屋がジョン・ウィックを襲撃する怒涛のアクションは、真剣な殺し合いながらも、ジョン・ウィックのあまりの忙しさに思わず笑ってしまうこと必至。さらにシリーズアイコンとなった“犬”によるアクションも展開され、馬、バイクアクションと、もはや吹っ切れたかのようなアクションの連続になっているので、その顛末はぜひ劇場でご覧いただきたい。

本作は、すでにアメリカをはじめ全世界で公開されており、興行収入は前作の倍に迫るシリーズ最大のヒットを記録中、キアヌ自身も再びの来日を果たした。今回は来日イベントの1週間以上前から極秘来日していたようで、豊島をはじめとした四国の島々で芸術をめぐるという、親日家らしいマニアックな楽しみ方で、日本を満喫したそうだ。

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