「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」シーズン1の悪に立ち向かう女性戦士たち
【ガラドリエル役】
映画『ロード・オブ・ザ・リング』の神秘的な美にあふれていたガラドリエルを演じていた女優ケイト・ブランシェットを覚えている人にとっては、この新シリーズで若きガラドリエル役を演じる英国女優モーフィッド・クラークにも興味を持つかもしれない。
アメリカでも、あまり聞き慣れないモーフィッドの名前の由来は、イギリスの中の異国とも言われる、ウェールズ育ちにある。その最もたるものが、彼女がバイリンガルであるウェールズ語という固有の言語。原作「指輪物語」でも分かるように、J・R・R・トールキン自身の言語学、北欧神話、おとぎ話などの興味は有名。
女優モーフィッド・クラークはまさに、その作家の作り上げた世界に似たウェールズで羊に戯れながら育ち、演劇学校で役者修行した、この役のために生まれたような経歴をもっている。2015年、ミア・ワシコウスカ主演の映画『ボヴァリー夫人』で映画デビュー。イギリスの国民的作家、チャールズ・ディケンズの著書「デイヴィッド・コパフィールド」をベースにした映画『どん底作家の人生に幸あれ!』でも好演。
2019年秋、ガラドリエルの役に抜擢されたニュースを聞いたモーフィッドは、トロント映画祭の舞台挨拶のほぼすぐ後に、興奮して気を失ったという逸話を米トークショーで話している。誰もが崇めるエルフの女王となっていく若き戦士役とは全く違う素顔がトークショーで垣間見られ、好感がもてる。