May 02, 2023 column

さながら韓国版『ジョン・ウィック』 TOP10入り常連作品『キル・ボクスン』

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今年のゴールデンウィークは最大9連休と長めのお休み。otocotoでは4月29日から5月6日まで、選りすぐりの人気作・話題作を毎日紹介します。明日のことを考えず、夜更かしが許されるこの機会に話題となっている配信オリジナルの映画、ドラマシリーズを一気見してはいかが?

初登場世界ナンバーワンの配信オリジナル作品

連日Netflixの“今日の映画TOP10”入りする注目作『キル・ボクスン』。2023年3月31日に配信開始されると初登場世界1位を記録した本作は、ユーモアを効かせたクライムアクションだ。

暗殺請負業者MKエンターテインメントに所属するキル・ボクスン。彼女は成功率100%を誇る伝説の殺し屋であり、シングルマザーでもある。思春期の娘との関係を修復したいボクスンは引退を決意するが、最後と決めた任務の際、ある秘密を知り会社の規則を破ってしまう。その結果、ボクスンはMKエンターテインメントと殺し屋業界全体からも命を狙われることになる。

主役のキル・ボクスンを演じるのは、第60回カンヌ国際映画祭で韓国人初の主演女優賞を受賞したチョン・ドヨン。本作のみならず、年の差ロマンスを描いたNetflixオリジナルドラマ「イルタスキャンダル~恋は特訓コースで~」では、非英語部門ドラマシリーズの世界ランキング9週連続ランクインと主演作が好調だ。

暗殺請負企業MKエンターテインメントの代表で、キル・ボクスンに殺しの技術を教え込んだチャ・ミンギュに、ソル・ギョング。

そして監督は、金大中元大統領をモデルとしたソル・ギョング主演作『キングメーカー 大統領を作った男』(2022)でメガホンをとったピョン・ソンヒョン監督だ。

そのほか、殺しの後輩であるハン・ヒソンに『新感染半島 ファイナル・ステージ』(2020)、『モガディシュ 脱出までの14日間』(2021)「ウヨ・ヨンウ弁護士は天才肌」(2022)、と良作に出演を重ねる注目俳優ク・ギョファン。

ボクスンの娘ジェヨンには、実際に起きた児童虐待事件をもとにした『虐待の証明』(2020)でデビューし、天才子役として注目を浴びたキム・シアと、名優から旬の俳優まで豪華な役者陣が揃っている。

豪華な出演者といえば、『ユア・マイ・サンシャイン』(2005)でチョン・ドヨンと共演した韓国トップスターのファン・ジョンミンが日本のヤクザとして特別出演している。まさかあの純愛物語のカップルが殺し合うことになるとは‥‥。

伝説の殺し屋が主人公のクライム・アクションというこで『ジョン・ウィック』シリーズに似ているという声もあるようだが、「子育てより人を殺すのはシンプル」とボクスンが言うように、
無敵の殺し屋も仕事を終えて家に帰ると娘にやり込められてしまうのだから、本作は子育てに悩むシングルマザーが殺し屋だったという見方が正しい。

また『キル・ビル』を模したタイトルから分かるように富んだジョークが散りばめられている。コミカルなシーンも多いが、後半、冷酷なソル・ギョングがギュッと締めてくれるので、緊張感ある韓国ノワール好きも安心してほしい。

今年50歳を迎えたチョン・ドヨンは、本作でアクション初挑戦となったそうだが、その動きはキレッキレ。華やかなスーツで動く様は妖艶でスタイリッシュなのだ。軽快な音楽にのせて繰り広げられる殺しの舞踏は必見。頭の中で先読みした殺しのアクションが画面に映し出されるのだが、この演出が絵画のように美しい。

主体的に生きる女性の強さと美しさを描いた新しい時代の韓国ノワール。長期休暇中の137分だけ、本作に是非時間を割いてほしい。

作品情報
Netflix映画『キル・ボクスン』

思春期の娘ジェヨンを育てるシングルマザーでありながら、暗殺請負組織に所属する“超”凄腕の殺し屋でもある、キル(Kill)・ボクスン。家事や育児に大忙しな日々を送りながら、愛する娘との生活のため、殺しに手を染める毎日。娘への後ろめたい気持ちを抱え込んでいた彼女はある日、引退を決意。だが、最後のつもりで挑んだ任務で殺しへの迷いが生じ、ミッションを遂行しなかった彼女は、組織や殺し屋たちから命を狙われる羽目に‥‥。

監督:ピョン・ソンヒョン

出演:チョン・ドヨン、ソル・ギョング、ク・ギョファン、キム・シア ほか

Netflixにて独占配信中

視聴ページ netflix.com/jp/title/81478985