日本でも120fpsで鑑賞可能!
リー監督は「毎秒100フレームを超えたところでこそ、自由になれると気付いた」と語っている。60fpsですら前述の通りのハイクオリティなので、何とか監督の意図した4K&3D&120fpsで本作を観てみたいもの。
以前の『ホビット』三部作の48fps上映は、日本でも一部の劇場で可能だった。なんとか『ジェミニマン』も60fpsでもいいからやってくれないかと思っていたところ、ありがたいことに、なんと日本でも3D&120fpsでの鑑賞が可能だそう。
10月24日現在、関東のMOVIXさいたま、大阪の梅田ブルク7、福岡のT・ジョイ博多にて、ドルビーシネマ3D&120fpsでの上映が予定されている。さらに、3D上映は専用のメガネをかけるという性質上、どうしても映像が暗くなってしまうことが欠点だったが、上記の3館はどれも1年以内にドルビーシネマを導入したばかりなので、その点も抜かりはないはずだ。120fpsの映画とはいったいどんなものなのか。アン・リー監督の意図した映像にかなり近い形で『ジェミニマン』を観ることができるチャンスなので、ぜひこの機会に足を運んでみてはいかがだろうか。そのほか、いくつかの劇場でもHFR上映(60fps)での公開が予定されている模様。詳しくは『ジェミニマン』公式サイトの劇場情報を確認してほしい。
ジェームズ・キャメロン、ピーター・ジャクソン、そしてアン・リー。彼らはアカデミー監督賞を受賞した巨匠であり、いずれも3DとHFRという映像テクノロジーに表現の可能性を求めている。
彼らは映画の可能性を信じ、その制作意図を反映させるためならば、時に映画館に対して上映機器の対応をも要求する“ハードウェア監督”たちだ。しかし忘れてはならないのが、彼らは決してドラマそっちのけで新しいハードウェアを試したい監督ではない。彼らにとっては3DもHFRも、あくまでより良いドラマ表現のための手段にすぎないのだ。
ネットのコンテンツ配信が台頭し、スマートフォンやテレビで手軽に映画を楽しめる昨今、彼らハードウェア監督たちは、心から愛する映画館という場所に注目を取り戻そうとしている。だからこそ、彼らはより良いドラマの模索と同時に、映画館でしか楽しむことができない映像体験を模索し、提供し続けている。
巨匠たちは、今後我々にどんな作品を見せてくれるのだろうか。そして映画館の未来をどう変えていくのだろうか。まずはアン・リー監督の『ジェミニマン』でそのメッセージを受け取ろう。
文/稲生稔
史上最強のスナイパー、ヘンリー(ウィル・スミス)は、政府に依頼されたミッションを遂行中、何者かに襲撃される。自分の動きをすべて把握し、神出鬼没で絶対に殺せない最強のターゲットをヘンリーは追い詰めるが、襲撃者の正体が秘密裏に作られた“若い自分自身”のクローンだという衝撃の事実を知り、政府を巻き込む巨大な陰謀に巻き込まれていく…。
監督:アン・リー
製作:ジェリー・ブラッカイマー
出演:ウィル・スミス、メアリー・エリザベス・ウィンステッド、クライブ・オーウェン、ベネディクト・ウォン
配給:東和ピクチャーズ
公開中
© 2019 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
公式サイト:geminiman.jp
Blu-ray:1905円(税抜) DVD:1419円(税抜)
発売中
20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン
©2013 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.
Blu-ray:2381円(税抜) DVD:1429円(税抜)
発売中
ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
© 2012 Warner Bros. Ent. TM Saul Zaentz Co.
4K ULTRA HD & ブルーレイセット:6800円(税抜)
Blu-ray:4743円(税抜) DVD:3800円(税抜)
発売中
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
© 2016 Columbia Pictures Industries, Inc., LSC Film Corporation and S8 Billy Lynn, LLC. All Rights Reserved.