Feb 12, 2026 column

意外と知られていない、ヨーロッパ最大規模のロッテルダム国際映画祭 懐の深さでは、群を抜いて世界一

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今年も日本映画の魅力が爆発

過去、是枝裕和監督、三池崇史監督、黒沢清監督ら、世界的に有名な日本の監督たちを含めて、数多くの新人&ベテランの映画人達が、このロッテルダムをこよなく愛し、映画祭に参加してきた。そして、今年もやはり日本映画が数多く上映され、その魅力が爆発していた。細田守監督作『果てしなきスカーレット』、STUDIO4℃最新作の長編アニメーション映画『ChaO』(青木康浩監督)、昨年スマッシュヒットを記録した二宮和也主演映画『8番出口』(川村元気監督)、「ペリリュー島の戦い」を描いたアニメーション映画『ペリリュー 楽園のゲルニカ』(久慈悟郎監督)、山田洋次監督作の『TOKYOタクシー』、松井良彦監督が18年ぶりにメガホンを取り原発をテーマに描いた『こんな事があった』、介護する母親から沸き出す怪奇現象を描いたホラー『遺愛』(酒井善三監督)、『Lone Samurai』(ジョシュ・C・ウォーラー監督)に主演の尚玄らもロッテルダム入り、その他短編&中編部門にも『幽霊の日記』(針谷大吾氏監督、小林洋介監督)、『ハッピー⭐︎eyescream』(岡田詩歌監督)、『幽明の虫』(川添彩監督)、『魂』(シライシ・アシマ監督、ジェス・X・スノー監督)など、例年にないバラエティ豊かなラインアップとなっており、その多くの上映がほぼ満席に近い来場者数を記録するなど、注目度が高かった。

そして、今年の目玉企画としては、ロッテルダムが独自のリサーチと上映素材のかき集めを約3年間行い、満を持して実現した「Focus: V-cinema」という日本のVシネマ特集であった。本企画のキュレーターであるロッテルダムのベテラン映画人トム・メスが司会を務め”Vシネマ界の神”として紹介された大川俊道監督と“Jホラー界のパイオニア”として鶴田法男監督のお二人の登壇で特別トークも開催された。

鶴田法男監督、大川俊道監督

大川監督が世良公則主演で手がけた金字塔的なVシネマ作品『クライムハンター』シリーズ(1989~) がリリースされた当時を振り返った。“なぜVシネマが日本で量産されていたのか”、“殺人的なスケジュールで製作現場をこなしていた当時、いかに手法を凝らして独自の映像を作り出していったのか”、“今では”Vシネマの帝王”と言われる竹内力のデビュー当時の現場での様子”、“予算がタイトなあまり小道具一つに対しても現場で喧嘩が起きるほどの状況”など、まさに今の日本映画のルーツになっている貴重な体験談に、来場者は目を輝かせていた。

トークショーでは鶴田監督が、「Vシネマという歴史がなければ、三池崇史、中田秀夫、清水崇、黒沢清の才能も開花していなかっただろう」と断言、まさに日本映画を支えてきたVシネマの存在価値を明確に発信していた。

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