新人監督の台頭、著しく
今年のオープニング作品は、フランス人女性監督であるアメリー・ボナンの初長編作品『Partir un jour(原題)』 。レストランを開業するという夢に向かって生きる女性が、父親の心臓発作で地元に戻らなければならなくなってしまい、過去へと引き戻されることになるコメディタッチのドラマ。短編からできた長編映画であり、尚且つ女性の新人監督作品がカンヌのオープニング上映に大抜擢されていることは、今年の作品セレクションに対する主張(もしくは混乱?)が垣間見れるかと思う。
この他、ハリウッド女優クリステン・スチュワートの初監督作品『The Chronology of Water(原題)』も「ある視点」部門でお披露目された。同じく女優のスカーレット・ヨハンソンが同部門で自身の初監督作品『Eleanor The Great(原題)』を上映、海外の映画レビューなどで絶賛を浴びている。この他、俳優ハリス・ディキンソンが、自身の初監督作品『Urchin(原題)』で「ある視点」部門に参戦、フランスの女優ロマーヌ・ボーランジェの『Dites lui que je l’aime(原題)』は初監督作品として「スペシャル・スクリーニング」で上映された。今年は新人監督の活躍が目覚ましく、新人監督に与えられるカメラ・ドール賞は近年稀に見る激戦だと言われている。