Dec 05, 2018 column

『ファンタビ』最新作、大ヒットの理由は?『ハリポタ』とのつながりや次回作への期待ポイントも解説

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魔法動物たちの活躍、『ハリポタ』とのつながりに歓喜!

 

とはいえ、やはり今作の基本はファンタジー。魔法動物たちの活躍には、誰もが思わず歓喜せずにはいられない。前作でニュートの良き相棒だった小枝のようなボウトラックルは今回、さらにキュートな動きでニュートを助けるし、キラキラアイテムが好きなカモノハシのようなニフラーは、“ベビーニフラー”という子どもたちも追加され、こちらもかわいさ満点。新登場の魔法動物では、ニュートを背に乗せて水中を豪快に泳ぐケルピーや、中国に生息したとされる巨大なネコ科のズーウーのパワフルで美しいビジュアルに目を奪われる。極めつけはサーカスのシーンに登場するカッパ! 日本人が観ても納得の姿なので短い登場でもインパクトは絶大。オニも出てくるが、こちらは一度観ただけでは発見できないかも。サーカスのシーンだけでなく、ニュートのロンドンの自宅の地下室に広がる魔法動物の飼育場は隅々まで必見だ。

 

 

そして前作以上に見どころになったのは、『ハリー・ポッター』の世界とのつながり。ダンブルドアが重要な役割を果たすので、ホグワーツ魔法魔術学校が登場。教室や大広間など懐かしい風景が次々とスクリーンに広がる。セットが再生されただけでなく、『ハリポタ』と同じロケ地も使われたりしているのだ。ニュートの学生時代のシーンでは、ダンブルドア以外の教師の若き姿まで見られるので、ハリポタからのファンは胸が熱くなるはず。そのほかにもグリンデルバルドが手にするニワトコの杖や、魔法の呪文の数々などハリポタとの共通項目を探す楽しみにあふれ、このあたりは前作との大きな違い。『ハリー・ポッター』シリーズ第1作のタイトルにもなった“賢者の石”を作ったニコラス・フラメルの登場など、コアなファン向けのネタもある。実在の人物を基に創作されたこのフラメルは、年齢は600歳超えという錬金術師。賢者の石も今作にちらっと映っているとか、いないとか…。しかしこうしたハリポタとのつながりが物語にブレーキをかけるわけではないので、ファン以外でも素直に入り込める作りがうれしい。

 

鍵を握るのはクリーデンス! 次回作への期待ポイントは?

 

 

グリンデルバルドがNYからパリへ向かったのは、ある人物に接触するためで、その人物こそが今後のシリーズのキーパーソンになることが、今回の物語が進むにつれ実感できる。それはクリーデンスだ。前作でも強力な魔法の能力を秘めていることが示唆された彼の言動を気にしておけば、次回作へのヒントも見えてくる。原作者のJ.K.ローリングは、とりあえず次の3作目まではニュートが主人公のままだと断言。ということは、その後、主人公が代わる可能性もあるということ。さらにローリングは、この後、シリーズ(全5部作予定)の完結までダンブルドアとグリンデルバルドの争いが軸になると言っており、前述の彼らの関係をほのめかすシーンから、今後の行方に想像力がふくらむ。また、魔法動物という点でニュートとの関係も深そうな、『ハリー・ポッター』シリーズの人気キャラ、ハグリッドも3作目以降の登場が確実視されている。今作で明らかになるクリーデンスのある秘密とともに、2年後に公開予定の第3作への期待はふくらむばかりだ。

 

文/斉藤博昭

 

作品紹介

 

『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』

シャイでおっちょこちょいな魔法動物学者ニュートはある日、魔法界と人間界を脅かす“黒い魔法使い”グリンデルバルドが逃げ出したことを知る。ホグワーツの恩師ダンブルドア先生から彼を追うことを託されたニュートは、仲間や魔法動物たちとともにパリへと向かう。パリではグリンデルバルドが言葉巧みに賛同者を増やし、勢力を広げていた。そしてその手はついに仲間たちにまで――。

監督:デイビッド・イェーツ
脚本:J.K.ローリング
出演:エディ・レッドメイン、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、エズラ・ミラー、キャサリン・ウォーターストン、ダン・フォグラー、アリソン・スドル、ほか
配給:ワーナー・ブラザース映画

公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/fantasticbeasts/

公開中

©2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights ©J.K.R.

 

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『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』

ブルーレイ:2381円(税抜) DVD:1429円(税抜)
発売中
ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント