Mar 16, 2019 column

『キャプテン・マーベル』とは一体何者?90年代カルチャー、女性キャラ誕生の背景まで解説!

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おっさん心をくすぐる90年代カルチャー

アイアンマンやハルクたちがまだ存在していない、キャプテン・アメリカも北極の海底で氷漬けになっていた1990年代が舞台となる本作は、至る所で懐かしい匂いを感じられる。

予告編などでも印象的なキャプテン・マーベルが墜落する店は、当時アメリカ各地に存在した、有名レンタルビデオショップの“ブロックバスタービデオ”。今ではすっかりなくなってしまったが、劇中では店内も細かく再現。当時のポスターなどがチラ見えする中、おいしい映り方をする『トゥルーライズ』の立て看板には思わずニヤリとしてしまうだろう。さらに、キャプテン・マーベルが私服姿で着用するTシャツのデザインは、90年代を代表するインダストリアル・ロックロックバンド「ナイン・インチ・ネイルズ」の有名なロゴだったりする。

90年代の魂を感じられる要素は小道具ばかりではなく、90年代のアクション映画へのオマージュも存分に詰め込れている。監督やプロデューサーは揃って『ターミネーター2』(91年)に影響されたシーンがあるとコメントしているので、是非とも目を凝らして該当シーンを探してみて欲しい。

ちなみに、マーベルは映画本編だけでなく、95年当時を意識した公式サイトも立ち上げている。レトロすぎて時代の流れを感じずにはいられない作りなので、興味がある人は一度覗いてみてはいかがだろう。

新世代MCUはここから始まる

ようやく日本でも公開となる本作だが、すでに世界興収は5億ドルを突破。女性が主人公の映画としては、2017年公開のディズニーの実写版『美女と野獣』の記録を超えて第1位にも輝き、名実ともに今後のシリーズを背負って立つ存在ということを証明して見せた。

MCUフェイズ3の完結編となる『アベンジャーズ/エンドゲーム』では、キャプテン・マーベルが絶望的な状況に追い込まれたヒーローたちを救う救世主として登場することは間違いないだろう。本作は彼女の単独主演作でありながら、次回作、並びに今後のMCUへのブリッジとなる重要な作品になるので、今までシリーズを追いかけてきた人、これからのMCUに期待する人は何があっても見逃してはいけない! 新世代を担う新ヒーローの誕生を是非とも劇場で見届けていただきたい。

文/梅崎慎也

作品情報

『キャプテン・マーベル』

記憶を失ったヒーロー、キャプテン・マーベル。彼女の過去に隠された“秘密”が、恐るべき戦いの引き金となってしまう。自在に姿を変える正体不明の敵に狙われ、孤独や不安に打ちのめされても、彼女は不屈の精神で何度も立ち上がる。果たして彼女は記憶を取り戻し、この戦いを終わらせることができるのか? そして、最後につかむ“衝撃の真実”とは……?

製作:ケヴィン・ファイギ 監督・脚本:アンナ・ボーデン&ライアン・フレック 出演:ブリー・ラーソン、ジュード・ロウ、サミュエル・L.ジャクソン、クラーク・グレッグ 配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン 公開中 ©2019 MARVEL 公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/captain-marvel.html

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