Sep 23, 2022 column

映画『LAMB/ラム』 話題作を産み出す、制作スタジオA24とは? 

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気鋭の製作・配給会社A24

先にあげた『X エックス』の他に2022年、すでに公開された作品には、ホアキン・フェニックス主演マイク・ミルズ監督による、突然始まった主人公と甥っ子の共同生活を、美しいモノクロームの映像とともに描いたヒューマンドラマ『カモン カモン』。Twitterに投稿されたつぶやきをもとにした、ウェイトレス兼ストリッパーの悪夢の48時間を描いた、ガールズロードムービー『Zola ゾラ』があり、その作品ジャンルは多岐に渡る。

2012年に立ち上げられたA24は、2013年に『チャールズ・スワン三世の頭ン中』で劇場配給をスタートした。

そして、春休みに犯罪に手を染める女子大生4人組の過激な青春を描いた、ハーモニー・コリン監督作『スプリング・ブレイカーズ』(2012)、ソフィア・コッポラ監督が、ハリウッドで発生したティーンエイジャーによる窃盗事件を題材に、欲望のままに犯罪に手を染めていく少女たちを描いた青春ドラマ『ブリングリング』(2013)をヒットさせ、作家性の強い作品を配給する会社として頭角を表していく。

また、スカーレット・ヨハンソンのオールヌードが話題をさらった『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』(2013)、美しい女性の姿をもった人工知能とプログラマーの心理戦を描いた『エクス・マキナ』(2015)、などSF作品にも挑む。

そして黒人ゲイの少年が自分の居場所とアイデンティティを模索するヒューマンドラマ『ムーンライト』(2016)では、第74回ゴールデングローブ賞で映画部門作品賞 (ドラマ部門)を獲得。同年第89回アカデミー賞では8部門でノミネート、作品賞、助演男優賞、脚色賞に輝いた。続いて翌年『レディーバード』(2017)でも、作品賞ほか6部門にノミネートし、賞レースにも顔を出すようになる。

このように、90年代のミニシアターブーム、シネマライズやポレポレ東中野で上映されていた映画を観ていた人々にとっては、うずうずと触手が動く作品が目白押しだ。

カルチャーやファッション、アート好きにまで注目され、クリエイターにも高い人気を誇る映画制作会社であるA24は、現代において、TwitterやInstagramといったSNS運用や宣伝戦略が他と異なり、単純に”オシャレなもの”として際立っている。くわえて、まるでアパレルブランドのような、スタイリッシュなデザインの自社グッズを展開し、映画好きコア層だけではなく、20代30代の若い観客を映画館へと引き込んでいる。

映画『LAMB/ラム』 話題作を産み出す、制作スタジオA24とは?