本年度アカデミー賞の作品賞、監督賞、主演⼥優賞をはじめとする主要6部⾨にノミネートされるなど、世界の映画賞を席捲した話題作、映画『TAR/ター』。この度、トッド・フィールド監督とケイト・ブランシェットが本作への想いや秘話を語る対談の映像が公開された。
トッド・フィールド監督が⽣み出した、本作の主人公「リディア・ター」に惚れ込んだケイト・ブランシェット。トッド・フィールド監督は「脚本を書くためにかなりのリサーチを⾏ったんだけど、ケイトは同じくらいの労⼒を持って向き合ってくれた」「だから撮影を始める時点では、ケイトはすでに僕より多くを理解していたよ」「僕たちは仕事をする中で脚本以上のものを共に発⾒していったんだ」と、ブランシェットのその熱い想いを受け、彼女とともに「リディア・ター」というキャラクターを作り上げていったと語る。また、「この映画は体験型。観客がこの体験に使っているような感覚に陥ることが重要だと思った」と話した。
ブランシェットは「このキャラクターを理解するには音楽がカギなの」と話す。また、ターが音に対して極度に敏感であることについて「指揮者の多くは、ターの⾝に起こったものと同じような症状を認識するよう」と、⾃ら⾏ったリサーチの結果も明かし、そのうえで、彼⼥の⾝に起こることを観客に共に体験してもらうためには、どう演じるべきかが難しい課題だったと、役作りへの苦労を振り返った。
また、「この映画は⽇常の物語であると同時に、クラシック⾳楽の世界の物語でもあり、さらにジェンダーというテーマも扱っている。従来の男性中⼼の世界として描かれていないから、多⾯的なテーマを抵抗なく捉え、権⼒構造についての物語について、会話するきっかけにできる」と多様な⾯を持つ本作について言及した。
⾳楽は『ジョーカー』でアカデミー賞作曲賞を受賞した、気鋭のチェリストであり作曲家のヒドゥル・グドナドッティルが担当する。
映画『TAR/ター』は、5月12日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開。
世界最高峰のオーケストラの一つであるドイツのベルリン・フィルで、女性として初めて首席指揮者に任命されたリディア・ター。彼女は天才的な能力とそれを上回る努力、類稀なるプロデュース力で、自身を輝けるブランドとして作り上げることに成功する。今や作曲家としても、圧倒的な地位を手にしたターだったが、マーラーの交響曲第5番の演奏と録音のプレッシャーと、新曲の創作に苦しんでいた。そんな時、かつてターが指導した若手指揮者の訃報が入り、ある疑惑をかけられたターは、追いつめられていく‥‥。
監督・脚本:トッド・フィールド
出演:ケイト・ブランシェット、マーク・ストロング、ジュリアン・グローヴァー
配給:ギャガ
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2023年5月12日(金) TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
公式サイト gaga.ne.jp/TAR/