日本在住のインド人監督アンシュル・チョウハンによる映画『赦し』が3月18日(土)より、ユーロスペース、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開が決定した。
7年前に高校生だった娘の恵未をクラスメートに殺害されて以来、酒に依存して現実逃避を重ねてきた樋口克(尚玄)のもとに、裁判所からの通知が届く。懲役20年の刑に服している加害者、福田夏奈(松浦りょう)に再審の機会が与えられたというのだ。
大切なひとり娘の命を奪った夏奈を憎み続けている克は、元妻の澄子(MEGUMI)とともに法廷に赴く。しかし夏奈の釈放を阻止するために証言台に立つ克と、つらい過去に見切りをつけたい澄子の感情はすれ違っていく。
やがて法廷では夏奈の口から彼女が殺人に至ったショッキングな動機が明かされ、澄子は裁判から身を退くが、復讐の殺意に駆られた克はある行動を起こすのだった・・・・。
本作のメガホンをとったアンシュル・チョウハンは、長編第2作の『コントラ』(2019年)で、エストニアのタリン・ブラックナイト映画祭でグランプリを、北米最大の日本映画祭ジャパン・カッツで第1回大林賞を受賞したインド出身の気鋭監督。
国内外で注目されている監督が、これまでの作風を一変させ、重厚でリアリスティックな語り口を披露した映画『赦し』は本格的な裁判劇でもある。
怒りと憎悪の呪縛に囚われた主人公、克を尚玄が、元妻の澄子をMEGUMIが演じる。さらに、澄子の現在の夫役にオリエンタルラジオの藤森慎吾、裁判長役に真矢ミキが抜擢された。
そして、夏奈役を演じるのは、新進女優・松浦りょう。デビュー作の映画『渇き。』などで独特の存在感を示してきた松浦が、圧倒的な存在感を放つ。
かつて17歳の少女だった夏奈は、同級生の少女を殺害した。あれから7年、20年の刑を受けた夏奈に再審の機会が与えられ、釈放される可能性があると連絡を受けた被害者の父・克と、別れた元妻・澄子。二人はともに法廷に赴き裁判の経過を見守ることになる。当時の裁判では殺害にいたる経緯を話すことなく、検察の請求のままに刑が確定した夏奈。再審請求は、被害者の親二人の心を大きく揺さぶっていく。7年が経っても決して薄れることのない彼女への怒りと憎しみは、周りを巻き込みながら大きく変転をしていくのだった。加害者の夏奈だけではなく、まるで囚人のように「娘を殺されたこと」への怒りから逃れることのできない、かつての親たち。そこから人はどうやって一歩進んでいくのか?
監督:アンシュル・チョウハン
出演:尚玄、MEGUMI、松浦りょう、生津徹、藤森慎吾、真矢ミキ
配給:彩プロ
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2023年3月18日(土) ユーロスペース、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
公式サイト yurushi-movie.com