「カノッサの屈辱」「料理の鉄人」など斬新なTV番組を数多く企画・構成する放送作家、ご当地キャラクターブームを牽引した「くまモン」の生みの親、さらには、第81回米アカデミー賞外国語映画賞をはじめ国内外問わず数々の賞を総なめにした『おくりびと』(08)ほか多くの映画脚本を手掛ける脚本家としてなど、まさにあらゆるジャンルの企画のプロフェッショナルである小山薫堂。
その小山薫堂が、日本人ならではの習慣として疑いようのない「入浴」を伝統や精神を受け継がれていく「道」とし、「茶道」「華道」「書道」などと同様に、銭湯・温泉をはじめとした「お風呂」やその「湯」に向かう心の姿勢について深く考える事を提唱した「湯道」。
湯の道には歴史、伝統、そして“日本人の心”がある。そんなテーマをもとに「湯道」の家元である小山薫堂自身が映画化を企画、さらに完全オリジナルの脚本を担当した、映画『湯道』が2023年2月23日(木・祝)より公開決定。
本作のメガホンを取ったのは『HERO』『マスカレード』シリーズを手掛け、群像劇を得意とし、緻密に練られた演出が高く評価されている、大ヒットメーカー鈴木雅之。今作では、〈銭湯で働く人々〉〈銭湯へ通う人々〉〈湯に魅せられた人々〉とお風呂を通じて交差する人間模様を写し出す。
主演は、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、3度目の大河ドラマ出演を果たす等、ドラマ・映画・舞台と幅広く活動を続ける一方で、今年は歌舞伎にも挑戦をするなど、俳優としてのキャリアを磨き続けている生田斗真。生田が演じるのは、銭湯「まるきん温泉」を営む実家から、飛び出すも、うだつが上がらず、実家に舞い戻ってきた三浦史朗。実家の銭湯を兄の替わりに亡き父から引き継いだ弟・悟朗から煙たがられつつも“お風呂の魅力”に魅入られていく。
史朗と犬猿の仲である弟・三浦悟朗を演じるのは、数々のドラマや映画で活躍をし、子供から老人まで演じきる実力派俳優濱田岳。TBS系日曜劇場「マイファミリー」で難役を演じ、その演技力が称賛されるなど勢いが止まらない濱田が、本作では父の葬式にも顔を出さなかった兄・史朗へ反発する弟を演じる。『予告犯』(15)以来2度目の共演にして、兄弟役を演じる生田と濱田の掛け合いは必見。
また、史朗と悟朗の実家の銭湯(まるきん温泉)で働く看板娘・秋山いづみを演じるのは、『銀魂』シリーズ(17-18)、『キングダム』シリーズ(19-22)等で、その存在感を発揮し、舞台「千と千尋の神隠し」では初舞台にして、初主演を務めるなど活躍の場を広げている才能豊かな女優・橋本環奈。ある事情を抱えつつも、「まるきん温泉」で働く“銭湯女子”を持ち前の可愛さと明るさで、ハツラツと演じる。
今作の舞台の中心となる史朗と悟朗の銭湯「まるきん温泉」、そして銭湯に通じる街並みの巨大セットを京都の松竹撮影所内に制作。本物の銭湯さながら、190坪を越える広さで、番台・浴室・天井・ボイラー室、様々な所から壁を取り外して撮影ができる、映画人には夢のようなセットが完成。浴室に入れるお湯を担当する業者も呼び、実際に浴槽に湯を張るこだわりも。生田・濱田・橋本も実際にこの銭湯のお湯に浸かり、撮影をした。