伊藤健太郎主演、阪本順治監督オリジナル脚本による新作映画『冬薔薇(ふゆそうび)』。本作撮影中におさめた、伊藤が撮影への意気込みや名優との共演などを語る貴重なインタビュー&メイキング映像が公開された。
阪本組の撮影現場を「色々と細かく指導してくださるので、すごくおもしろい」と語る伊藤。阪本順治監督が伊藤との話し合いを経て、当て書きした渡口淳というキャラクターについては「10代の時の自分とかぶるので、淳の気持ちがすごくわかる。生きてきた環境は全然違うんですけど、気持ちの部分としては、すごく理解できる部分、寄り添える部分が多いなと思います」と役作りへの自信を覗かせる。
そして、「泥臭くお芝居を続けていきたい。失うものは何もない」と強い言葉で覚悟を示しながら、「今回の現場はスタッフさんもそうですけど、大御所の方や以前お仕事させていただいた方々がたくさんいらっしゃるので、今の自分をよくなったなと思ってもらえるように頑張っていきたい」と意気込みを語る。
淳の父親・義一を演じた小林薫については、「(芝居が)すごく胸に刺さって心に響く。こんな味を出せる役者さんに自分もいつかなれたらいいなと、間近で勉強させてもらいました」と語り、淳の母親・道子を演じた余貴美子とは、カメラのまわっていないところでもたくさん会話をしたようで、「すごく優しくて、本当にお母さんとお父さんという感じだった」と2人との共演を回顧。
冬に咲く薔薇と書いて、“ふゆそうび”と読む印象的なタイトル。そのイメージは「孤独」でまさに淳のようだと語る伊藤は、「孤独の中でどこかに自分の居場所を探すようなタイトル」と撮影前は感じていたという。しかし、撮影後にはそのイメージは少し変わったようで、「最初は本当に“孤独”と思ってたんですけど、周りには意外と手を差し伸べてくれる人たちがいる。淳が気づけていないだけで、実はそこまで孤独じゃないんじゃないか。僕自身もそのことに気づかされました」と感慨深げ。そして、「ラストカットが象徴している」とも。はたして最後に待ち受けるのは孤独か、それとも‥‥。
映画『冬薔薇(ふゆそうび)』は6月3日(金)より新宿ピカデリー他にて全国公開。
ある港町、専門学校にも行かず、半端な不良仲間とつるみ、友人や女から金をせびってはダラダラと生きる渡口淳。“ロクデナシ”という言葉がよく似合う中途半端な男。両親は埋立て用の土砂をガット船と呼ばれる船で運ぶ海運業を営むが、時代とともに仕事も減り、後継者不足に頭を悩ませながらもなんとか日々をやり過ごしていた。淳はそんな両親の仕事に興味も示さず、親子の会話もほとんどない。そんな折、淳の仲間が何者かに襲われる事件が起きる。そこに浮かび上がった犯人像は思いも寄らない人物のものだった。
脚本・監督:阪本順治
出演:伊藤健太郎、小林薫、余貴美子、眞木蔵人、永山絢斗、毎熊克哉、坂東龍汰、河合優実、佐久本宝、和田光沙、笠松伴助、伊武雅刀、石橋蓮司
配給:キノフィルムズ
©2022「冬薔薇(ふゆそうび)」FILM PARTNERS
2022年6月3日(金) 新宿ピカデリー他にて全国公開
公式サイト fuyusoubi.jp