Mar 14, 2018 interview

広瀬すずが明かす『ちはやふる』への特別な想い、芽生えた“一生もの”の強い絆

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広瀬すずが自ら“代表作”と語る映画『ちはやふる』の最終章『ちはやふる -結び-』が公開される。「まるで兄妹のような関係になれた」という瑞沢高校かるた部の5人との関係性から生まれた信頼と感謝は、かけがえのないもの。彼女が「女優としての土台となった」と語る綾瀬千早役について、千早に教わったことや共演者との絆、全く経験のなかった“競技かるた”を練習して習得してから撮影に臨むという女優ならではの苦労や苦悩まで、たっぷりと話してもらった。さらに、彼女が最近読み、勉強になったという本のことも聞いてきた。

 

『ちはやふる』は「身体の一部」――瑞沢かるた部の強い絆と信頼関係、作品への想い

 

──『ちはやふる -上の句・下の句-』を経て、『-結び-』は2年ぶりの撮影となりましたが、年月が経ったからこそ意識したことはどんな事でしょうか。

映画での年齢設定も、高校1年生から高校3年生になっていましたし、撮影も前作を撮り終えてから2年が経過していたんです。なので、年月は意識せず撮影に入りました。ただ、新入生が入ってくるので、瑞沢高校かるた部の5人全員が、“先輩”としてどう振る舞うのかは考えました。

 

 

──今回から参加する新入生役の優希美青さん(花野薫 役)や佐野勇斗さん(筑波秋博 役)とは、どのように仲良くなったのでしょうか。

実は、瑞沢の5人全員が、AB型なんです。なので、二人にも最初に血液型を聞いたんですが、残念ながらAB型ではなくて…(笑)。でも、美青ちゃんも勇斗くんも、すごく個性が強いキャラだったので、最初から皆にいじられていました(笑)。矢本(悠馬)くん(西田優征 役)や、(野村)周平(真島太一 役)が中心になって、皆と話していくうちに一気に打ち解けてくれたので、とてもやりやすかったですね。

 

 

──その仲の良さはスクリーンからも伝わってきました。

そう感じていただけたなら嬉しいです。ここまで“青春”を描けたのも、皆がいたからだと思いますし、こんなにも仲良くなるだけでなく、3年経った今も一緒に同じ作品を撮影できるのが本当に嬉しくて。撮影中は同じ苦しみを味わうことも出来るし、もちろん、一緒に喜びも感じられるんです。それはしっかりとスクリーンを通して伝わるので、嘘がないんです。このメンバーだからこそ生まれた作品だと思いますし、この作品での皆との出会いは、一生ものだと思いました。

──皆さん、良い“友人”になれたのかもしれないですね。

う~ん…。友人というよりも、皆が“兄妹”みたいな感覚なんです。特に周平くんとは、プライベートの話も出来るし、例えるなら、年子のケンカが出来るお兄ちゃんみたいな感じですね。いつもはふざけているけど、真剣な時はちゃんと真面目に答えてくれるので、頼りにもなるんですよ。普段は、調子に乗りすぎているので、勘違いされやすいんですけどね(笑)。

 

 

──あはは(笑)。サービス精神が強いんでしょうね。

そうなのかもしれないですね。(上白石)萌音ちゃん(大江奏 役)とは、圧倒的に女子が少ない現場だったので、すぐに仲良くなりました。年齢も一つしか変わらないし、以前、萌音ちゃんの妹の萌歌ちゃんとも共演したことがあるので(13年のドラマ「幽かな彼女」)、共通の話題がたくさんあったんです。さらにお互いがAB型ということもあり、よく一緒に食事に行く仲になりました。ここで出会った人たちは裏切らないだろうし、私にとっても、一番裏切りたくない人たちなんです。もちろん初主演の作品ということもあり、特に思い入れが強いというのもあるのかもしれないですが、ここまで長い間、演じる役はないので、本当に大事な作品です。

──演じた千早に教えてもらったことはどんなことでしょうか。

“人に頼ること”です。私はあまり頼らないタイプ…というか、頼れなかったんですよ。でも、唯一、この人たちに頼っていいのかもと思ったのが、瑞沢高校のかるた部の仲間だったんです。

──すごく心に残る大切な現場だったんですね。

はい。千早を演じたことで、私の女優としての土台が出来て、今では“右手、左手、ちはやふる”というくらい、身体の一部になっています。