Jan 09, 2026 news

韓国の名匠をじっくり味わう「月刊ホン・サンス」 第3弾『水の中で』、第4弾『私たちの一日』

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韓国の名匠ホン・サンス監督のデビュー30周年を記念して、新作5本を5カ月連続で公開する「月刊ホン・サンス」。その第3弾としてベルリン国際映画祭で物議を醸した“全編ピンボケ”の映画『水の中で』、第4弾として『私たちの一日』が公開される。

『水の中で』は、より小規模で実験的なスタイルへと進化しているホン・サンスのフィルモグラフィの中でも、ひときわ異彩を放つ一作。第73回ベルリン国際映画祭では、上映前に「これから上映される映画は映写ミスではありません」という異例のアナウンスが入ったほど。理由はただひとつ──全編ピンボケ。しかし、その映像は単なる“実験”では終わらなかった。「印象派の絵画のよう」(Boston Hassle)と評され、輪郭を失った済州島の風景は、色と光が溶け合うことで、これまでにない不思議な美しさを立ち上げていく。その独創性は高く評価され、『カイエ・デュ・シネマ』誌の「2024年映画ベスト10」では、『関心領域』『私たちが光と想うすべて』をおさえて第3位に選出され、ホン・サンスの“新境地”として、大きな注目を集めた。また、特殊な手法に注目が集まりがちだが、映画づくりを志す青年たちの友情を描いた、瑞々しい青春映画としての魅力も備えている。

本作の主人公は、大学卒業後、俳優業に専念していた青年ソンモ。自主制作で短編映画を監督しようと決意し、かつての同級生ふたりを連れ、リゾート地として知られる済州島へ向かう。が、思うようにシナリオは書けず、煩悶しながら海辺を散策していた。そんな折、ひとりの女性との出会いをきっかけに、語るべき物語を見出す。やがて、海辺での撮影が静かに始まる。

『私たちの一日』はホン・サンス監督の記念すべき長編30作目にあたる作品。第76回カンヌ国際映画祭監督週間クロージング作品に選出され、「日常を至福へと昇華させるホン・サンスの才能が光る」(Los Angeles Times)、「大げさな意味を追うより、日々のささやかな喜びこそが心を満たす」(IndieWire)とその柔らかな仕上がりが高く評価された。交わされる穏やかな会話は、次第に人生をめぐるやりとりへと深まり、いつのまにか観る者の心をそっとほぐしていく。二人の主人公を演じるのは、今やホン・サンス映画には欠かせない存在となったキム・ミニ(『逃げた女』『小川のほとりで』)と、『自由が丘で』など初期からホン・サンス映画に出演してきた名優キ・ジュボン。さらにはソン・ソンミ、パク・ミソ、ハ・ソングク、キム・スンユンなど、ホン・サンス作品を支えてきたベテラン俳優と若手俳優たちが集い、世代を越えたユーモラスな人生問答を繰り広げる。

ある二人の人物が、二つの家でそれぞれに過ごす一日。ひとりは、友人の家に居候する休業中の女優サンウォン。もうひとりは、小さなアパートで一人暮らしをする詩人のホン・ウィジュ。彼らのもとには将来への不安を抱く若者たちが訪れ、さまざまな質問を投げかける。そんな折、サンウォンの友人の飼い猫がふと姿を消して‥‥。交わりそうで交わらない、二人の一日が並走していく。

「月刊ホン・サンス」第3弾 映画『水の中で』は、2026年1月10日(土)より公開。第4弾 映画『私たちの一日』は、2026年2月14日(土)より公開。

作品情報
映画『水の中で』

大学卒業後、俳優業に専念していた青年ソンモは、自主制作で短編映画を監督しようと決意する。かつての同級生ふたりを連れ、リゾート地として知られる済州島へ向かうが、思うようにシナリオは書けず、煩悶しながら海辺を散策していた。そんな折、ひとりの女性との出会いをきっかけに、語るべき物語を見出す。やがて、海辺での撮影が静かに始まる。

脚本・監督・製作・撮影・編集・音楽:ホン・サンス

出演:シン・ソクホ、ハ・ソングク、キム・スンユン

配給:ミモザフィルムズ

© 2023 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved.

2026年1月10日(土) ユーロスペースほかにて全国順次公開

公式サイト gekkan-hongsangsoo

映画『私たちの一日』

ある二人の人物が、二つの家でそれぞれに過ごす一日。ひとりは、友人の家に居候する休業中の女優サンウォン。もうひとりは、小さなアパートで一人暮らしをする詩人のホン・ウィジュ。彼らのもとには将来への不安を抱く若者たちが訪れ、さまざまな質問を投げかける。そんな折、サンウォンの友人の飼い猫がふと姿を消して‥‥。交わりそうで交わらない、二人の一日が静かに並走していく。

脚本・監督・製作・撮影・編集・音楽:ホン・サンス

出演:キム・ミニ、キ・ジュボン、ソン・ソンミ、パク・ミソ、ハ・ソングク、キム・スンユン

配給:ミモザフィルムズ

© 2023 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved.

2026年2月14日(土) ユーロスペースほかにて全国順次公開

公式サイト gekkan-hongsangsoo