1960年9月20日に開業した映画館「丸の内TOEI」がまもなく閉館する。65年という長い歴史のグランドフィナーレを彩る「さよなら 丸の内TOEI」プロジェクトにおいて、7月9日(水)、「ドラゴンボール」シリーズで孫悟空・孫悟飯・孫悟天の声を担当する、声優界のスーパーレジェンド・野沢雅子が登壇しての舞台挨拶イベントが実施された。

笑顔で登壇した野沢は、演じた孫悟空、孫悟飯、孫悟天と3役の声を瞬時に切り替えながら挨拶。会場からは拍手と感嘆によって迎えられた。
野沢は、ファン感激の大サービスを皮切りに、普段のアフレコ収録の裏側を語った。「大体は、別録りをするんですよ。悟空を皆さんと録って、それで悟飯を次に1人で録って、そしてまたもう1回悟天を録るっていうのが普通なんですけど、あたしは一緒に録ってもらっちゃいます」と茶目っ気たっぷりに野沢ならではのエピソードを披露。
続いて、これまでに幾度となく来場した丸の内TOEIそして東映本社での思い出について口にした。2022年以来の登壇となった丸の内TOEIについて野沢は「ここは私の中では、割と駆け巡る“走りの劇場”。ここでご挨拶して、次の映画館に走っていくわけですよ。だからここが一番最初のスタート地点」だと振り返る。


そして観客で埋め尽くされた客席を眺める野沢は、観客が掲げるお手製のうちわや「悟空」と書かれたネームボードに手を振りながら丸の内TOEIの2階席を見つめ「でもどうして壊すんですか?誰が決めたんですか?」と逆質問。「おかしいですよ!こんないい劇場を!」と愛のある不満を爆発させた。
続いて話題は「さよなら 丸の内TOEI」プロジェクトで実施中のクラウドファンディングの話に移行し、野沢も申し込んだことを告白。

そして、上映された映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』やシリーズの話題になると「ピッコロさんってどういう人?と最初は思っていたんですけど、すっごく良くなっちゃって。いまは大好き!だって、悟飯にとってピッコロは“なくてはならない方”ですから」とピッコロと悟飯の関係性も交えて思いを語り、ピッコロを演じる古川登志夫とのエピソードも披露。さらに神谷浩史と宮野真守演じたガンマ1号・ガンマ2号にも言及した。
続いて、1つ前の作品である映画『ドラゴンボール超 ブロリー』でブロリー役を演じた島田敏とのエピソードに。MCから当時島田が本編のバトルシーンの激しさを語った内容に触れられると、野沢は、実際のアフレコ時の激しさについて話し、「かめはめ波」を寝起きで打てる、という実演を交えた話を展開。会場からも驚きとともに爆笑が巻き起こった。
そして、最後にMCから“丸の内TOEIでの最後の「かめはめ波」”をお願いされると、会場から再び盛大な拍手が。一礼をしたのち、満を持して「いくぞ!か~め~は~め~波~!!」と一撃し、劇場内から割れんばかりの拍手が起こった。

最後の挨拶を求められた野沢は「全然、納得していません!」と丸の内TOEI閉館に対して改めて一言。観客に対して、「劇場に来てくださって、とっても嬉しいです。一目でもね最後にこう劇場に。だけど、納得はしていませんよ!やめましょうね、納得するのはね。(降壇後の映画本編も)是非楽しめると思いますんで、ありがとうございました!」とこれまで何度も登壇した劇場への愛たっぷりに締めくくった。
「さよなら 丸の内TOEI」は、2025年5月9日(金)から7月27日(日)まで開催中。

往年の名作から最新作まで80タイトル以上を特集上映。そのほか、各種関連イベントが予定されている。
上映劇場:丸の内TOEI
提供:東映株式会社
2025年5月9日(金)から7月27日(日)まで開催中