Jun 20, 2025 news

“言葉を奪われた時代 彼女はただ、名を呼びつづけた” 第97回アカデミー賞国際長編映画賞受賞 映画『アイム・スティル・ヒア』予告映像公開

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第82回ゴールデングローブ賞主演女優賞、そして第97回アカデミー賞国際長編映画賞に輝いた、名匠ウォルター・サレスの最新作、映画『アイム・スティル・ヒア』。この度、本作の予告映像が公開された。

1970年代ブラジル。この度公開された予告映像は、エウニセが家族との幸せな思い出を記録した8ミリフィルムをみつめるシーンから始まる。夫から深い愛を注がれ、子どもたちはビーチで無邪気に笑い、ホームパーティでは音楽とダンスに包まれていた、笑顔に満ちた日々。だがそこから一転、軍事政権下という時代の影が社会を覆い始め、ある日、エウニセの夫が突然軍部に連行され、消息を絶ってしまう。真実を知ろうともがくエウニセが周囲に助けを求めても「みんなも同じよ」と突き放され、家族への監視も日を追うごとに強まっていく。それでも、決して立ち止まらなかったエウニセ。やがて、彼女が⻑い年月をかけて訴え続けた声が、ついにひとりの報道記者を動かす。

『セントラル・ステーション』『モーターサイクル・ダイアリーズ』で国際的評価を受けるウォルター・サレスが、⻑編としては16年ぶりに祖国ブラジルにカメラを向けた本作は、軍事独裁政権下で消息を絶った政治家ルーベンス・パイヴァと、夫の行方を追い続けた妻エウニセの実話に基づく。自由を奪われ、言葉を封じられても、彼女は声をあげることをやめなかった。幼い頃、パイヴァ家と親交を持っていたサレスは、理不尽な時代に抗い続けたひとりの女性の姿を、美しくも力強く描いている。

映画『アイム・スティル・ヒア』は、2025年8月8日(金)全国ロードショー。

作品情報
映画『アイム・スティル・ヒア』

1970年代、軍事独裁政権が支配するブラジル。元国会議員ルーベンス・パイヴァとその妻エウニセは、5人の子どもたちと共にリオデジャネイロで穏やかな暮らしを送っていた。だが、スイス大使誘拐事件を境に政情は一変し、抑圧の波が市⺠を覆ってゆく。ある日、ルーベンスは軍に連行され、そのまま消息を絶つ。突然、夫を奪われたエウニセは、必死にその行方を追い続けるが、やがて彼女自身も軍に拘束され、過酷な尋問を受けることとなる。数日後に釈放されたものの、夫の消息は一切知らされなかった。沈黙と闘志のはざまで、それでもなお、彼女は夫の名を呼び続けた。自由を奪われ、絶望の淵に立たされながらも、エウニセの声はやがて、時代を揺るがす静かな力へと変わっていく。

監督:ウォルター・サレス

出演:フェルナンダ・トーレス、セルトン・メロ、フェルナンダ・モンテネグロ

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8月8日(金) 新宿武蔵野館ほか全国ロードショー

公式サイト imstillhere