今から80年前の満洲で起きた「接待」という名の性暴力の実態、日本の敗戦とともに消えた“まぼろしの国”で、生きて日本に帰るためにロシア軍に助けを求めた開拓団の史実を紡いだドキュメンタリー映画『黒川の女たち』。この度、本作の予告映像が公開された。

80年前の戦時下、国策のもと実施された満蒙開拓により、満洲の地に渡った開拓団。日本の敗戦が色濃くなるなか、突如としてソ連軍が満洲に侵攻した。ソ連の侵攻、そして現地の人びとからの襲撃を恐れた開拓団は、逃避行の過程で肉体的にも精神的にも追い詰められていった。
そんな中、岐阜県から渡った黒川開拓団の人々は生きて日本に帰るために、敵であるソ連軍に助けを求める。しかしその見返りは、数えで18歳以上の女性たちによる“接待”。接待の意味すらわからないまま、女性たちは性の相手として差し出された。




帰国後、女性たちを待っていたのは労いではなく、差別と偏見の目と誹謗中傷。同情から口を塞ぐ村の人々。込み上げる怒りと恐怖を抑え、身をひそめる女性たち。身も心も傷を負った女性たちの声はかき消され、この事実は長年伏せられてきた。




だが、今から10年ほど前“黒川の女性たち”は手を携え、自らの体験を告白。幾重にも重なる加害の事実と、犠牲の史実を封印させないために。本作のメガホンをとったのは、横浜市のカジノ誘致を阻止するために立ち上がった藤木幸夫の戦いを描いた『ハマのドン』を手掛けた松原文枝監督。語りは、俳優の大竹しのぶが担当する。
映画『黒川の女たち』は、2025年7月12日(土)より全国順次公開。

今から80年前の満洲で起きた「接待」という名の性暴力の実態、日本の敗戦とともに消えたまぼろしの国で生きて日本に帰るために、ロシア軍に助けを求めた開拓団の史実を紡いで作られたドキュメンタリー。
監督:松原文枝
語り:大竹 しのぶ
配給:太秦
2025年7月12日(土) ユーロスペース、新宿ピカデリー他全国順次公開
公式サイト kurokawa-onnatachi