Apr 18, 2025 news

数々のアーティストに影響を与えた、20世紀最大の“カルト・アイコン”ウィリアム・S・バロウズの傑作ドキュメンタリー 映画『バロウズ』

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ダニエル・クレイグ主演『クィア/QUEER』の原作者であり、『ジャンキー』『裸のランチ』などで知られるウィリアム・S・バロウズ。この度、謎に包まれた彼の姿をとらえた伝説的なドキュメンタリー、映画『バロウズ』の本予告映像が公開された。

アレン・ギンズバーグやジャック・ケルアックらと並びビート・ジェネレーションを代表する作家であり、発禁騒ぎにもなった『裸のランチ』はじめ衝撃的な実験小説を発表、カットアップの手法で言語世界に新たな地平を示した文学界の極北ウィリアム・S・バロウズ。同性愛者で、麻薬中毒者、ウィリアム・テルごっこで内縁の妻を射殺するという驚愕の事件を起こし、晩年には画家や俳優としても活躍、ナイキのCMに出演するなど、破天荒過ぎる生き様そのものが20世紀最大のカルト・アイコンといえる。

本作はバロウズ本人が全面協力し、自らの人生や文学スタイル、創作の秘密を語る最初で最後のドキュメンタリー。

監督は、ニューヨーク出身のハワード・ブルックナー。ニューヨーク大学映画学科の卒業制作として 1978年にこの映画の制作を開始したブルックナーは、友人で、音響を担当したジム・ジャームッシュ、撮影を担当したトム・ディチロとともに5年の月日をかけて本作を完成させた。

しかしながら、83年の製作当時高く評価されたものの、その後フィルムが紛失、2011年にデジタルリマスター化が実現するも、我が国ではソフト化も配信もされなかった。

そんな傑作ドキュメンタリーがついに日本公開される。この度公開された予告映像にはパティ・スミスが登場し「法王と並んで一番上にいる人間」とバロウズへの思いを熱弁。バロウズの長年の盟友であるギンズバーグは「彼と恋に落ちて一緒に寝た」と若いころの思い出を吐露している。

バロウズは自身の小説の朗読パフォーマンスも多々おこなっており、映像では、カットアップ・フォールドイン作品群の一つとして知られるSF「ノヴァ急報」を読み上げる様子も。そのほか、血まみれの白衣で『裸のランチ』のシーンを自ら再現するさまや銃をかまえる姿、鈍器を振り回す様子など破天荒な彼の姿が描かれ、最後は1981年にサタデー・ナイト・ライブに出演した時の映像で締めくくられる。

映画『バロウズ』は、2025年5月9日(金)より全国順次ロードショー。

作品情報
映画『バロウズ』

20世紀アメリカ文学を代表する伝説の作家ウィリアム・Sバロウズの全面協力で作られた最初で最後のドキュメンタリー。常にスーツに身をつつみ、飄々と彼が語るのは内縁の妻の射殺事件や文学のスタイル、これまでの人生の思い出、1日のルーティーンに銃や機械へのオブセッション。兄や息子など知られざる家族も登場するほか、アレン・ギンズバーグやブライオン・ガイシン、フランシス・ベーコンなど作家の友人や芸術家の仲間も出演し、数々の証言や彼自身の言葉をとおして、ひとりの男の複雑な人生の様相が生々しく浮き彫りになっていく。

監督:ハワード・ブルックナー

出演:ウィリアム・S・バロウズ、フランシス・ベーコン、モーティマー・バロウズ、ウィリアム・S・バロウズ Jr.、ルシアン・カー、ジャッキー・カーティス、アレン・ギンズバーグ、ジョン・ジョルノ、ジェームズ・グラウアーズ、ブライオン・ガイシン、ハーバート・ハンケ、ローレン・ハットン、スチュワート・メイヤー、パティ・スミス、テリー・サザーン

© 1983 Citifilmworks / © 2013 Pinball London Ltd. All rights reserved.

配給:コピアポア・フィルム

2025年5月9日(金) ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー

公式サイト burroughsthemovie