フランスの巨匠ロベール・ブレッソンの幻の傑作『白夜』が、ブレッソン没後25年となるこの機会に、本作が4Kレストアで美しく繊細によみがえる。この度、映画『白夜』4Kレストア版の予告映像と新場面写真が公開された。
本作は、ポンヌフの橋で出会った若き男女が恋と愛にうつろう四夜の物語。画家のジャックは、ある夜、ポンヌフで思い詰めた表情をしている美しい女性マルトに出会う。翌晩、お互いの素性を語り合うジャックとマルト。ジャックは孤独な青年で、理想の女性との出会いを妄想してはそれをテープレコーダーに吹き込んでいた。一方のマルトは恋した相手に「結婚できる身分になったら一年後に会おう」と去られていた。そして今日がちょうどその一年後。マルトに熱い気持ちを抱きながらも、彼と出会えるよう献身するジャック。だが三夜目になっても男は現れず、マルトの心もジャックに惹かれ始めていた。そして運命の第四夜‥‥。
巨匠ロベール・ブレッソが残した長篇映画13作品のうち、これまで最も見る機会の少なかった『白夜』。1971年カンヌ映画祭で初公開されたのち、近年ではフランスでさえ上映不可能であったが、2012年に日本でのみ35mmニュープリントで上映され、そして2025年、ついに4Kレストアされ、スクリーンによみがえる。
原作はドストエフスキーの短篇。19世紀のペテルブルクを舞台にしたこの物語は、1957年にルキノ・ヴィスコンティによっても映画化されているが、ブレッソンは撮影当時のパリに舞台を移し、セーヌ河畔とポンヌフを背景に若き2人の男女を見つめていく。ジャックとマルトを演じるのは、それまでまったく演技経験のなかったギヨーム・デ・フォレとイザベル・ヴェンガルテン。映画初出演の彼らが放つみずみずしさが、見る者をいつの間にかストーリーに引き込んでいく。
この度公開されたされた予告映像は、ポンヌフの宵闇で宝石のような光の粒が儚くきらめき、ジャックとマルトの恋と愛にうつろう四夜を予感させる夜のカットから始まる。「戻ってきて結婚できる身分なら‥‥」と交わした1年後の約束の日、現れない恋人に絶望するマルトと出会ったジャック。「明日は来るさ」と励まし続けるジャックに「あなたのことを知りたい」「彼があなたのような人なら良かった」と徐々に心を開くマルト。マルトに寄り添いながら、ジャックはマルトへの熱い思いをいっそう募らせる。映像は“こんな映画はない。永遠に新しい。”と、ヴィム・ヴェンダースの賛辞で締められている。
映画『白夜』4Kレストア版は、2025年3月7日(金)より全国ロードショー。
画家のジャックは、ある夜、ポンヌフで思い詰めた表情をしている美しい女性マルトに出会う。翌晩、お互いの素性を語り合うジャックとマルト。ジャックは孤独な青年で、理想の女性との出会いを妄想してはそれをテープレコーダーに吹き込んでいた。一方のマルトは恋した相手に「結婚できる身分になったら一年後に会おう」と去られていた。そして今日がちょうどその一年後。マルトに熱い気持ちを抱きながらも、彼と出会えるよう献身するジャック。だが三夜目になっても男は現れず、マルトの心もジャックに惹かれ始めていた。そして運命の第四夜‥‥。
監督・脚本:ロベール・ブレッソン
原作:ドストエフスキー
出演:ギヨーム・デ・フォレ、イザベル・ヴェンガルテン、ジャン=モーリス・モノワイエ
配給:エタンチェ、ユーロスペース
© 1971 Robert Bresson
2025年3月7日(金) ユーロスペース、角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー
公式サイト byakuya4k