全世界を恐怖に陥れた『キャリー』『シャイニング』『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』など、多くの金字塔を生み出した、ホラー界の巨匠スティーヴン・キングの原作をもとに、大人気ドラマシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』の製作会社21Lapsのプロデューサー・チームが贈る、サスペンス・ホラー映画『ブギーマン』。
母の突然の死から立ち直れずにいる女子高生の姉セイディと幼い妹ソーヤー。セラピストである父親もまた、妻を失った悲しみに打ちひしがれ、娘たちと向き合うことができずにいた。そんな心に闇を抱えたバラバラの家族に、得体の知れない恐ろしい“ナニか”がしのび寄っていた‥‥。
本作の重要なテーマである喪失がもたらす悲しみとの対峙。母親に先立たれた 16歳のセイディとその妹で10歳のソーヤー、父親・ウィルのハーパー一家の前に姿を現すブギーマンは、愛する者との突然の別れに対し、悲しみや喪失感に正面から向き合うことができないまま崩壊の一途をたどる家庭内に充満する、心の闇に棲みつく。
監督を務めたロブ・サヴェッジは、本作について「たくさんの名作ホラー映画が喪失の悲しみをベースにしています。しかしこの作品のストーリーに描かれるブギーマンは、口に出して言わないことを体現しているのです。同じ屋根の下に暮らしながらも家族の1人1人が自分だけの孤島のようになっている。自分の中の悲しみを自分だけで処理している。お互いに語り合ったり悲しみについて検証しあったりせずにね。そのせいでアレは成長する。」と語る。
そんな監督が本作の参考作品として挙げたのは、名優ロバート・レッドフォードの初監督作品で、1980年度のアカデミー賞で作品賞をはじめとする4部門を制覇した傑作ヒューマンドラマ『普通の人々』。
『普通の人々』は、穏やかで幸せな日々を送っていたアメリカのごく普通の中流家庭を舞台に、長男の事故死と次男の自殺未遂をきっかけに日常の歯車が狂い始め、そのほころびが次第に家庭をむしばんでいく様子を描く。
監督にとってこの作品は家族間のコミュニケーションと喪失の悲しみを不穏な形で解析して見せた究極の作品だという。「喪失の悲しみを語り合えないせいで乖離していくアメリカの家族の悲痛な崩壊をあれほど見事に捉えててみせた現代映画はおそらく他にはなく、見ていて苦しくなるほどだが、あまりにも真実性に富んでいるので目を背けることもできない。」と作品を絶賛。さらに「この作品からブギーマンを取り除いて、この脚本と演技と演出だけを残したとしたら、きっとドラマ作品が生まれたでしょう。ちょうど『普通の人々』のような作品がね」と、『普通の人々』が本作に与えた影響の大きさを明かした。
出演に際し監督から『普通の人々』が参考作品として挙げられたと話す、父親・ウィル役を演じたクリス・メッシーナも「この映画とまるで違うタイプの作品ですが、彼らも悲しみを抱えています。ロブはこの映画にその要素を入れたかったのです。僕はそれをとても興味深いと感じました。」と当時の心境を語る。
クリスは(ホラーではなく)問題を抱えた家族についての映画に出ているのだと捉えて、役へのアプローチとしてこの映画を繰り返し観たことに加え、原作を読破したことも明かし、『ブギーマン』と『普通の人々』という、一見全く異なる印象を与える2作品が持つ根源的な深いつながりを演技で体現した。
失意の底で繋がりを見失っていく家族がいかにしてブギーマン、ひいては自らの心の闇と対峙して悲しみを乗り越えていくのか、本作に期待が高まる。
映画『ブギーマン』は2023年8月18日(金)より、全国公開。
母の突然の死から立ち直れずにいる女子高生の姉セイディと幼い妹ソーヤー。セラピストである父親もまた、妻を失った悲しみに打ちひしがれ、娘たちと向き合うことができずにいた。そんな心に闇を抱えたバラバラの家族を狙う、得体の知れない恐ろしい“ナニか”がしのび寄っていた‥‥。
監督:ロブ・サヴェッジ
原作:スティーヴン・キング
出演:ソフィー・サッチャー、クリス・メッシーナ、ヴィヴィアン・ライラ・ブレア、デヴィッド・ダストマルチャン
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
© 2023 20th Century Studios.
2023年8月18日(金) 全国劇場にて公開
公式サイト 20thcenturystudios.jp/movies/boogeyman