Aug 23, 2016 column

ラムちゃん、獅子丸、そしてクリィミーマミが集結!! 『新宿角座 カド×アニ』イベントレポート

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ラムちゃん、獅子丸、そしてクリィミーマミが集結!!
『新宿角座 カド×アニ』イベントレポート

 

本サイトでも掲載中のレジェンド声優プロジェクト。テレビアニメが大きく盛り上がった70~80年代に活躍したベテラン声優たちの技術と魂を、後世に受け継ごうという価値ある取り組み。

そんなレジェンド声優プロジェクトが、松竹芸能の小劇場、新宿角座で行なわれている人気イベント「カド×アニ」とコラボし、去る7月31日(日)に『新宿角座 カド×アニ レジェンド声優プロジェクト うるさい人たち全員集合!』と銘打って、この日限りの奇跡のライブイベントを実施!

(文:山下達也 / カメラ:江藤海彦 )


 

「カド×アニ」は、昨年9月から不定期に開催されている新宿角座名物のアニメイベント。MCにお笑い芸人のアメリカザリガニ(柳原哲也さん、平井善之さん)を起用し、アニメをテーマにさまざまな企画を行なってきました。ちなみにこれまでに扱ってきたテーマは「アニソン」そして「アニメヒロイン」など。これだけで、かなり“本気”な、イベントだということがわかりますね。

そして気になる今回のゲストは、レジェンド声優対談記事などにご登場いただいている平野文さん(「うる星やつら」ラム役など)と、ダジャレ声優としても有名?な緒方賢一さん(「忍者ハットリくん」獅子丸役、「名探偵コナン」阿笠博士役など)、そして、歌手でありながら「魔法の天使クリィミーマミ」のマミ役として声と歌の双方を担当した太田貴子さんの3名。さらに「うる星やつら」「魔法の天使クリィミーマミ」の両作品を世に送り出したスタジオぴえろ・布川ゆうじさんも駆けつけ、超・豪華ゲストそろい踏みとなりました。

 

80年代アニメを代表する「レジェンド」がずらり登壇

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まずステージに現われたのは、平野文さん、緒方賢一さん。実はこのお二人、かつて「うる星やつら」で嫁・舅の関係だったんです。緒方さん演じる「あたるの父」が、ラムに家を破壊されるたびにつぶやく「ローンが……」というセリフはファンならおなじみですよね。今回も冒頭でローンについての掛け合いを披露し、ファンを喜ばせていました。

実は数十年ぶりの再会ということで、久しぶりに会った緒方さんのファッションがとてもお洒落になっていたことなど(その“秘密”は、後日公開予定のインタビュー記事にて明かされます!)、どんどん「世間話」の方向に盛り上がっていってしまう、お二人。しびれをきらした本イベントMCのアメリカザリガニ・柳原さん、平井さんが「ちょっと、早く紹介してくださいよ!」と乱入し、のっけから台本にないカオスな展開となりました。

ちなみに現在、声優としても活躍中のアメリカザリガニのお二人ですが、そのデビュー作である「ボンバーマンジェッターズ」(2002年)で共演したのが緒方賢一さんなんだとか。「緒方さんに(声優のイロハを)いろいろ教えてもらった」と当時をふり返る柳原さん。今でも緒方さんと柳原さんは「はなかっぱ」(2010年~)で共演中ですよね。

平野さんに「声優としてのお二人の感想は?」と問われた緒方さんが「元気なのは良いけど、ちょっとうるさいかな~」とつれなく返すと、アメリカザリガニのお二人が、緒方さんの細かいボケをきちんと全部拾っているのは自分たちくらいじゃないかと抗議するなど、どんどんヒートアップしていくステージ。ここに、さらに太田貴子さんがハイテンションに登壇し、会場の笑いと興奮は一気に最高潮へ。

 

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ファンの間では常識なのですが、実は太田さん、かなりの天然系ハイテンションキャラ。同じくハイテンション系の柳原さんとのケミストリー……すごかったです。「僕らのアイドルだったのに……」と平井さんがぼそっと呟いていましたが、確かに、クリィミーマミのイメージがある人はちょっとビックリしたかもしれませんね。

その後、「うる星やつら」「魔法の天使クリィミーマミ」の時代をふり返り、当時のアフレコ事情などを紹介。今以上に制作が逼迫していた当時は、当日に台本を受け取り、全く絵がないなかで声を当てていかねばならないことも多かったそうです。本職は歌手だったため、声優としての訓練を全く受けていなかった当時の太田さん(なんとまだ女子高生!)はこれに大困惑。「だから最初は棒読みなんですよ(笑)」と、今だから言える、ぶっちゃけ発言も飛び出していました。

そしてここに、その現場を仕切っていたスタジオぴえろ・布川ゆうじさんが登場。ズブの新人だった太田さんを大抜擢した理由について「あの作品の最重要ポイントは歌。太田さんは歌で選んだんです。演技はまぁ……なんとかなるだろうと(笑)」とこちらもぶっちゃけ。その後も、布川さん担当作品振り返り、アメリカザリガニの声優デビュー苦労話、スタジオのおやつ事情などなど、さまざまな話題に花が咲きました。

 

朗読劇からスペシャルライブまで極上の1時間30分!!

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イベントの後半ではMCのアメリカザリガニさんも含め、せっかく5人もプロ声優が揃ったのだから、ということでラジオドラマ風の「朗読会」にチャレンジ。この日のために、otoCotoのコラム「新・この話、したかな?」でもおなじみ、放送作家・藤井青銅さん描き下ろしの「魚河岸刑事の事件簿」で、見事な演技を堪能させてくれました。もちろん、ここでも緒方さんのアドリブボケが大炸裂。数十年ぶりの共演となった平野さん、ひさびさの緒方節に笑いをこらえるのが大変だったそうです(編集部注:しっかり笑っていました)。

また、「これまで一度たりとも声優をやったことはない」という布川さんが、容疑者の1人として声優初挑戦したことも、見どころの1つだったと言えるでしょう。……そのクオリティについては布川さんの名誉のために伏せておきます。

 

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そして最後は、来場者に向けたスペシャルボーナスとして、太田貴子さんによるスペシャルミニライブを敢行!! 「魔法の天使クリィミーマミ」の伝説的オープニングソング「デリケートに好きして」を熱唱してくださいました。アニメから既に30年以上が経過していますが、その歌声は当時のまま。会場には当時を知らない若いお客さん(女性比率高し!)も多かったのですが、皆がうっとりとその歌声に酔いしれていました。

以上、約1時間30分、みっちりとアニメトークが凝縮された、『新宿角座 カド×アニ レジェンド声優プロジェクト うるさい人たち全員集合!』。平野さんの流麗なトークや、緒方さんのクスッとしてしまうダジャレ、そして太田さん、アメリカザリガニさんたちのハイテンションぶりもあって、良い意味で、確かにすっごく“うるさい”トークイベントでした。この組みあわせが今回で終わりなんてもったいない。ぜひまた今後も「レジェンド声優プロジェクト」との組みあわせでイベントを開催してほしい!

そして、今回参加できなかった皆さんも、そのときはぜひ参加で。

 

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行かないと損をすると断言できる、実に素晴らしいアニメイベントでした。

 

関連イベント

 

logo_setagayaseiyufes

8月27日開催!「世田谷声優フェス2016」

場所:『IID 世田谷ものづくり学校』
URL:http://setagaya-school.net/

元は中学校の校舎を使って、4つの教室で様々な声優イベントを開催!声優を目指す人からアニメファンまで色々な人が楽しめる1日限りの声優イベントです。

■出演者
古川登志夫 / 平野文 / 水島裕 / 太田貴子 / 山口勝平 / 緒方賢一/千葉千恵巳 / 樹元オリエ / 石黒千尋 / 藤川茜 / 山本亜衣 / 磯部恵子/野口花緒 / 桜井春名 / 他声優多数。
& スタジオぴえろ名誉顧問 布川ゆうじ

■チケットの購入はこちら
 前売:2800円(当日:3000円)※小学生12歳以下は入場無料
・イープラスでの最終チケット販売
 http://eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002200155P0030001
・世田谷ものづくり学校ホームページ
 http://setagaya-school.net/Event/16595/

詳しくはこちら→
 https://otocoto.jp/special/legend/#event_setagaya