[名のないシシャ]
“シシャ”がなぜカタカナなのか、
それを意識して読んでいただきたい

 実は読書が苦手であまり好きではなかったんですけど、学校で本を読む課題があって、本好きの友達にオススメを聞いたら、『山田悠介さんの本が読みやすいよ』って教えてもらったので読み始めました。山田悠介さんの本に出会ってから、読み終わらないとムズムズしちゃう体験を初めてしたんです。読書が楽しいなと思うようになったのはそれからです。

 山田悠介さんというと、「リアル鬼ごっこ」とか「王様ゲーム」とか、ミステリー系が多いイメージがありますよね。実際に私も怖い系が苦手で、山田悠介さんの本も、『え〜!!』ってなることもあるんですけど、それでも気になる(笑)。読んでいて面白いし、スラスラいけちゃうので、ミステリー系のものに対する意識が変わりました。この「名のないシシャ」は、怖いというよりちょっと感動するお話になっていて、山田悠介さんイコール怖いっていうイメージがいい意味で変わると思います。ミステリー系が苦手な人でも読みやすいかなって。この本をきっかけにしたら、いろんな怖い系の本も面白いなって感じられると思うので、ぜひこの本をオススメします。

 内容は、ちょっと変わった少年がいて、人の寿命が見えるんです。その子はそれまでわりとぼんやり生きていたんですけど、大事な人に出会って成長していくんですね。心の成長が感じられて、ちょっと切ないんですけど、すごくいいんですよ。もし自分の寿命を知ったらどうする?とか、自分だったら運命を変えたい?とか、読んだ後に自分自身に問いかけてみてほしいですね。もしも私が大切な人の運命を変えられるとしたら……ちょっとした前向きなことなら変えるかもしれない(笑)。この先そっちに行ったら動物に襲われるよ、とか、そういうことならとりあえず変えます。でも、大きな運命は変えたくないですね。私は運命を結構信じてるんです。字で見ると、“命”って言葉が入っているじゃないですか。結構重たい言葉ですよね。私も産まれた時から寿命は決まってるなと思っていて、その中で運命は絶対にあるって思ってるんです。よく友達に言われたのが、自分と運命の人とは小指と小指が見えない糸で繋がってるってこと。赤じゃなくて、透明なんです(笑)。で、運命なのでそれがだんだんたぐり寄せられて、そこで赤になるんです。だから運命の人って絶対にいるなって思い続けています。目には見えないけど、私もたぶん誰かと繋がっていて、みなさんも誰かと繋がっているんです。いつか見えますから、きっと。

 この本の中で“運命”は大事なキーワードの一つで、タイトルの“シシャ”っていう存在も大事なんです。“シシャ”がなぜカタカナなのか、それを意識して読んでいただきたい。そして、この本を読んだら生きる喜びとか、名前を与えられることの大切さとか、人と触れ合うことの大切さとか人生の大切さなど、結構深いところまで考えさせられます。いろいろな大切なものが詰まっています。涙がポロポロでる感動ストーリー、というわけではないんですけど、さわやかな感動がある本なので、心寂しいときに読んでいただけると絶対にいいと思います。

[名のないシシャ] 紹介POP!

潮紗理菜さんのおすすめ本を
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名のないシシャ

山田悠介

KADOKAWA / 角川書店

人間の寿命を予知し、運命を変える力を持つ名無しの少年は、少女・玖美から“テク”という名前をもらう。しかし永遠に大人になることはないテクと、成長していく玖美の間には避けられない別れの運命が迫っていて!?

佐賀のがばいばあちゃん

島田洋七

徳間書店

昭和三十三年、広島から佐賀の田舎に預けられた八歳の昭広。そこでは厳しい戦後を七人の子供を抱えて生き抜いたがばい(すごい)祖母との貧乏生活が待っていた。しかし家にはいつも笑いが溢れ…。黒柳徹子、ビートたけしも感動した超話題作。