この役やってみたいなと思いながら
本を読むことが多いです

──普段からよく読書はされるんですか?

小芝ちょっと空くとすぐに集中が途切れてしまうので、読むと決めたら一冊猛スピードで読むので、覚悟がいります。読むぞって。1日か2日、3日ぐらいで全部読み切らないと、分かんなくなっちゃうんですよ(笑)。だからいつも一気読みします。

──子供のころはどうでしたか?

小芝マンガの本はすごくよく読んでました。休みの日に友達と遊びに行くというよりも、ずっとゴロゴロ家でマンガの本を読んで過ごしてて。少女マンガだったら、「桜蘭高校ホスト部」とかを結構持ってて。私、フィギュアスケートを習ってたんですけど、一度手術で3週間ぐらい入院したことがあって。その時に暇だろうと思って、「花ざかりの君たちへ」とか母がいろいろと大量に買ってきてくれたんです。

──そこから小説を読むようになったのは?

小芝小説は学校の授業で読む以外では、芸能界に入ってからですね。勉強のためでもありますが、いつもだいたいこの役やってみたいなと思いながら読むことが多いです。この役自分がやったらどんな感じだろうとか想像しながら。

──ではご紹介いただいた3冊のお話にいきたいと思います。「その女アレックス」を手にされたきっかけは?

小芝本の帯に“ミステリーベスト10”みたいなことが書いてあって、めちゃめちゃ売れてますって書いてあったので、気になって買いました。結構怖いのが好きで、今回紹介した3冊中、2冊が殺人のものなんですけど、そういうちょっと怖い役をやってみたいんですよ、恐がりなくせに(笑)。「この女アレックス」は、最初女性が誘拐されるんですけど、最初の絶対的被害者と同時進行で警察の捜査が進んでいて、どうなるの?どうなるの?ってドキドキしたり。そこから、何の感情もなく出会った人出会った人を殺してるのかと思いきや……、みたいな、そういうハラハラ感がむちゃくちゃたまらなくて大好きです。

──他のインタビューで、小芝さんは怖いものが好きだけど、ハッピーエンドがいいとおっしゃっていましたね。

小芝そうなんですよ。だから、アレックスの身に起こったことは悲惨すぎるんですけど、最後の刑事さんのセリフでちょっと報われたような気がして、ハッピーエンドではなかったですけど、面白かったです。

──こういったミステリー物を読まれることが多いですか?

小芝多いですね。帯とかタイトルに惹かれるんですけど。例えば「鬼畜の家」っていう小説もめっちゃ怖いんですけど、それもタイトルに惹かれて読みましたし、「心にナイフをしのばせて」とか「触法少女」とか、結構タイトルで決めることが多いです。湊かなえさんの小説も大好きで。でも、「告白」とかは本より映像を見た方が先だったんですよ。そうすると、後で本を読む時、その演者さんの姿や声で再生されるので、小説を先に読む方がいいなと思って。なので、「殺人鬼フジコの衝動」は、本を読んでから小野真千子さんのドラマを見たんです。小野さんが演じる主人公の子供の頃の役を、一度お仕事をご一緒したことがある小野花梨ちゃんが演じていて、その役がすごくよくて、すぐ連絡しました。「めっちゃ良かった!」って(笑)。

──そうでしたか。そもそもどういうきっかけで「殺人鬼フジコの衝動」を手にされたんですか?

小芝これもタイトルです(笑)。あと表紙の鳥かごの絵も好きでした。虐待というかネグレクトのところから始まり、そこから登場人物がどんどん壊れていくじゃないですか。ちっちゃい頃のお母さんからの愛情って、この鳥かごじゃないですけど、それがすべてじゃないですか。小さい世界だけどお母さんがすべてで、そこからいろいろとおかしくなっていく感じがすごく好きです。

──「その女アレックス」とはまた違う衝撃がありましたね。

小芝ほんとに。どんどん壊れていってる感じがたまらなかったです。主人公のフジコが何人も殺していくと、作業みたいな感じになるじゃないですか。当たり前じゃないですけど、人の命を奪うことに関しての感覚が全然違うじゃないですか。もしそういう役がきたとき、どういうふうにしたら怖く見えるんだろうとか、このセリフ絶対に言いたいとか、そういうのを探すのが好きです。

──今までにそういう怖い役を演じられたことは……。

小芝まったくないんですよ。だから余計にやってみたくて。ドラマとか見てても、こんな人が近くにいたらめっちゃ怖いなとか、もしこんな役ができたら、とかって思うと、目の動きまで勉強させてもらったりします。やりたくて仕方ない(笑)。たまに、この役本当にやりたいとか、いけそうじゃないか?って、自分のビジュアルとか全部ひっくるめて、この役だったらこうしたいっていうのに巡り会えた時は、めちゃめちゃテンションがあがります。自分で本を読みながらセリフのところを頭の中で言ってみたり、たまに声に出してみたり。

──ちなみにすごくやりたいと思った本のことを教えてもらえますか?

小芝「触法少女」っていう小説があって、主人公は少年法に守られている14歳になるまでに、自分を虐待してきたお母さんを殺す計画を立ててるんですけど、その施設の中に、虐待によって足がなくなった義足の女の子がいるんですよ。その子が、主人公がお母さんを殺すのに弱気になってる時にめちゃくちゃ喝を入れてアドバイスとかもしてくれて主人公は行動に移すんですけど、実は……っていう。ネタバレになっちゃうのであまり言えませんが、ほんとこれ読んでください(笑)。 すごい怖くて二面性がある、そういう役をやりたいなあと思ってます。

小芝風花さんが好きな本を
電子書籍でチェック!

キリン

山田悠介(著)

角川文庫

天才精子バンクで生まれた兄弟――兄は天才数学者の道を歩むが、弟の麒麟は「失敗作」として母と兄から見捨てられてしまう。孤島に幽閉されても家族の絆を信じる麒麟の前に、運命が残酷に立ちはだかる!

その女アレックス

ピエール・ルメートル(著), 橘明美(訳)

文春文庫

英国推理作家協会賞を受賞した大逆転サスペンス。貴方の予想はすべて裏切られる!おまえが死ぬのを見たい――男はそう言って女を監禁した。檻に幽閉され、衰弱した女は死を目前に脱出を図るが・・・・・・。ここまでは序章にすぎない。孤独な女の壮絶な秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕へと突進する。「この作品を読み終えた人々は、プロットについて語る際に他の作品以上に慎重になる。それはネタバレを恐れてというよりも、自分が何かこれまでとは違う読書体験をしたと感じ、その体験の機会を他の読者から奪ってはならないと思うからのようだ」(「訳者あとがき」より)。未曾有の読書体験を、貴方もぜひ!

殺人鬼フジコの衝動

真梨幸子(著)

徳間文庫

一家惨殺事件のただひとりの生き残りとして、新たな人生を歩み始めた十歳の少女。だが、彼女の人生はいつしか狂い始めた。またひとり、彼女は人を殺す。何が少女を伝説の殺人鬼・フジコにしてしまったのか? あとがきに至るまで、精緻に組み立てられた謎のタペストリ。最後の一行を、読んだとき、あなたは著者が仕掛けたたくらみに、戦慄する! 50万部突破の大ベストセラー、ついに電子書籍化! 2015年11月13日(金)~ Hulu/J:COMにて全6話配信。主演:尾野真千子