自分が見えてるものだけが真実じゃないんだなってことを、
作品を通してしみじみと思いました

──今日の撮影はいかがでしたか?

久保田本を持って撮影するって意外と新鮮だなって思いました。自分の作品、例えば自分が出してるCDとか、自分が関わらせていただいているアフレコとかの台本を持って撮影することはあるんですけど、ただただ自分が個人的に好きな本と一緒に写真が撮れるっていうのはいいですね。嬉しかったです。

──今日はいろんな体勢で撮影しましたが、久保田さんの普段の読書スタイルは?

久保田電車の中で読んだり、普通に座って読むこともあるんですけど、お行儀悪い感じだと、うちにローソファがあって、そのローソファの背もたれに足をガンと乗っけて読むのが好きです(笑)。すごいお行儀悪いんですけど、その読み方が家では好きですね。

──では、今回オススメいただいた3冊を紹介していただきたいんですが、まず「デュラララ!!」はどんな本ですか?

久保田私はアニメとかが好きでオーディションを受けて今の声優というお仕事をやらせていただいているんですが、その好きになったきっかけというか、自分がアニメにはまることになったキーパーソン的な作品なんです。元々友達からこのアニメが面白いよってオススメされていて、アニメを見る前に原作があるから読んでみようと思って読み始めたら本当に面白くて。それから成田良悟さんの作品を何冊か読ませていただいているんですが、成田さんの書く作品は登場人物の全員がちゃんと主人公をしていて、どの登場人物もちゃんときれいに描かれているのが素敵だなあと感じました。この本は池袋が舞台になっていて、首なしライダーや闇医者などが出てくるんですが、自分が実際に行けるような日常的な場所で、非日常が起こっているっていうのがすごく面白いなと思いますね。ちょっと憧れみたいな部分も読みながら感じています。

──その憧れというのは、何に対しての憧れですか?

久保田普通に生きてるだけじゃ体験しないようなことを、このキャラクター達は体験していて。そういう人生を楽しんでいる感じとか、ちょっとスリリングな人生を歩んでいるところが刺激的だなって。そこに憧れます。

──続いて、「妖怪アパートの幽雅な日常」は?

久保田これは“妖怪アパート”って書いてあるとおり、主人公の高校生の男の子が一人暮らしをすることになって、高校の寮に入ろうと思っていたのが火事で焼けちゃって。でも家を出たいっていう願望が強くて、たまたま紹介されて住んだアパートが妖怪アパートだったっていうお話なんです。これも非日常的なところがあって、個人的にすごいいいなと思うのが、妖怪アパートの中にご飯を作ってくださる、るり子さんっていうキャラクターがいるんですけど、その人の料理のシーンが結構細かく書いてあって、読んでると本当に美味しそうなんですよ。実際、るり子さんの料理本が出てるぐらい。文章でこんなにも美味しそうに料理を描けるなんて、香月さんの表現力ってすごいなあって感じます。私も妖怪アパートに住んでみたい(笑)。妖怪もみんないい妖怪だったり、なんで幽霊になっちゃったんだろうとか、そういう人生を描いているところもあって、主人公の成長物語になっているんです。

──もう一冊挙げていただいた「死役所」は、まさに人の人生を描いている漫画でしたね。

久保田そうなんですよ! 別の漫画の新刊を買いに行った時にたまたま見つけて。なんかすごく惹かれる表紙だなと思って買って読んだら、思いのほか重くて(笑)。『死役所』に出てくる登場人物は基本的にみんな亡くなってるんですけど、それがどうして亡くなったのかとか、その人の人生が描いてあって、虐待とかいじめとか、ちょっと重たい内容のものが多いんですけど、ちょっと考えさせられます。

──タイトルだけ見るとホラーかなって思ったんですが、これは人間ドラマでしたね。事実にはいろんな角度があるんだってことを実感させられました。

久保田そうなんです。自分が見えてるものだけが真実じゃないんだなってことを、この作品を読んでしみじみ思いましたね。

久保田未夢さんが好きな本を
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デュラララ!!

成田良悟、ヤスダスズヒト (イラスト)

KADOKAWA / アスキー・メディアワークス

「楽しみだなあ。楽しみだなあ。楽しみだなあ。この街は俺の知らない事がまだまだまだまだ溢れ、生まれ、消えていく。これだから人間の集まる街は離れられない! 人、ラブ! 俺は人間が好きだ! 愛してる!」 東京・池袋。そこにはキレた奴らが集う。非日常に憧れる少年、喧嘩上等のチンピラ、ストーカーもどきの電波娘、趣味で情報屋を営む青年、ヤバイ患者専門の闇医者、魔物に魅せられた高校生、そして漆黒のバイクを駆る“首なしライダー”。 そんな彼らが繰り広げる物語は痛快な程マトモじゃない。だが、彼らは歪んでいるけれども――恋だってするのだ。

妖怪アパートの幽雅な日常

香月日輪

講談社

共同浴場は地下洞窟にこんこんと湧く温泉、とてつもなくうまいご飯を作ってくれる「手首だけの」賄いさん――13歳で両親を失った俺が高校進学と同時に入居したのは人呼んで"妖怪アパート"! 次々と目の当たりにする非日常を前に、俺の今までの常識と知識は砕け散る。