湊かなえさんは、
私が本を好きになったきっかけの
作家さんなんです

──お薦めの3冊として挙げていただいたのが、どの作品もミステリーですね。

高山そうなんです。ミステリーが大好きです。

──ミステリーのどういうところに惹かれますか?

高山ミステリーだと先が気になって読むペースも早くなるし、読み終えた後にスッキリするのがすごく好きで。あと、一番没頭できます。本の世界に入ることができるので、それが楽しいですね。

──ミステリーって登場人物多いですよね。

高山そうなんですよ。読んでると、誰だっけ?って思うこともあります(笑)。最近もアガサ・クリスティの作品を読んだんですけど、最初に登場人物が箇条書きで紹介されているじゃないですか。並べられると、こんなにいるのか!って(笑)。

──その点では、今回挙げていただいた『命売ります』は読みやすい作品ですね。

高山そうですね。すごく読みやすかったです。今まで新しい作品に手を伸ばしがちで、三島由紀夫さんの本も読んだことがなかったんですけど、この本は今すごく売れているらしくて。たまたま行った本屋さんでドンと並べられていて、帯に書いてあることが手に取りたくなるような内容だったので、買って読んでみたらすごく面白かったという作品です。これをきっかけに他の三島作品も読んでみたいなと思いました。

──『鍵の掛かった男』はシリーズものですね。

高山シリーズものは今まであんまり読んだことがなかったんです。一から読みだすと、その先も読みたくなるんだろうなと思うので、はまっちゃうと大変(笑)。初めて読む作家さんの作品は、なるべく短めのものから読み始めるんですけど、この『鍵の掛かった男』は、私が連載をさせてもらっている『ダ・ヴィンチ』さんでよく紹介されていて、気になっていたので読んでみました。ホテルが舞台になっているミステリーで、難しい描写が多かったので読むのに時間がかかったんですけど、読み終えた後にすごく深くて、それでいてオシャレな本だったなと思うような素敵な本でした。

──そして、一番のお薦めが『リバース』。

高山『リバース』は2015年に私が読んだミステリーの中で一番面白かったです。湊かなえさんが昔から大好きで、私が本を好きになったきっかけの作家さんなんです。ラストのどんでん返しが大好きで、さすが湊さん!って思える面白いミステリーでした。

── 一番好きな作家さんとのことですが、湊さんのどういうところが好きですか?

高山湊さんの作品はすっと読みやすくて引き込まれる分、手が止まらなくなって一気に読んでしまうんです。湊さんの作品って、イヤなヤツが徹底的にイヤな目に遭うっていうところがスッキリするところ。他にも短編集や『山女日記』など、いろいろ読んでいくとミステリーだけじゃなくほっこりするような作品もあって、そういうところを見てもやっぱり湊さんの作品が好きで。湊さんが書くミステリーが好きなんじゃなくて、湊さんの作品が好きなんだなって思います。この『リバース』を読んでから、コーヒーにハチミツを入れるようになりました(笑)。本の中でソバのハチミツが出てくるんですけど、どんな味がするんだろうって買ってみたんですよ。

──どんな味がしました?

高山美味しかったですよ!

──他に湊さんの作品で好きな作品はありますか?

高山『少女』が好きです。『リバース』と『少女』どっち?って言われたら悩むくらい。最初に『告白』を読んで、次に『少女』を読んだんですけど、その時の感動が今も本当に忘れられなくて。最後に点と点が全部線で繋がっていく、あの感覚が忘れられなくてミステリーを読むんですけど、いまだにあの感動を超えるものはないかもしれないです。

高山一実さんが好きな本を
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鍵の掛かった男

有栖川有栖

幻冬舎

2015年、1月、大阪市中之島の古き良きプチホテル「銀星ホテル」で一人の男・梨田稔(69)が死んだ。警察は自殺による縊死(いし=首くくり)と断定。ところが、梨田が自殺したと納得できない一人の人間がいた。同ホテルを大阪での定宿にしている大御所女流作家の影浦浪子である。梨田は、5年ほど銀星ホテルのスイートルームに住み続け、ホテルの支配人をはじめとする従業員や常連客からも愛され、しかも2億円以上の預金があった。梨田が自殺するはずない(=他殺なのではないか)と影浦は直観し、その死の謎の解明を、同業者であるミステリ作家の有栖川有栖と、その友人で犯罪社会学者の大学准教授・火村英生に依頼した。火村が大学の入学試験ですぐに行動できないために、まずは有栖川有栖の単独調査となった。が、梨田はまったく身寄りがない上に、これまでの来歴にかんする手がかりがほとんどなく、どんな人物像を描けばいいのか、まったく闇の中で、その人生は「鍵の掛かった男」としか言いようのないものだった。生前の梨田を知る者たちが認識していた梨田とは誰だったのか? 結局、自殺したのか、他殺だったのか。他殺だとすれば誰が犯人なのか? 有栖川有栖の地道な調査で少しずつ過去が明らかになり、そこへ入学試験業務を終えた火村も調査に加わり、思いもしない結末が関係者全員を待ち受けていた。

※『命売ります』『リバース』は電子書籍の配信はございません。