Mar 19, 2017

特集2190

戦友・富野由悠季と安彦良和、そして古川登志夫の駆け抜けた“ガンダム前夜”70年代アニメ史

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安彦

『勇者ライディーン』の話にもつながるんだけど、あの作品の第2話の絵コンテは僕が切っているんですよ。自分では割と上手くやれたと思っていたんだけど、富野監督が「方向が違う」って言うんですよね。確かに違う。

僕の切ったコンテは『マジンガーZ』を母体とするロボットものの作法に従ってソツなく切ったものだったんですが、富野由悠季のコンテはもうめちゃくちゃなんですよ。いきなりレスリングとか始めるわけです。確かにこれは方向性が違う。違うことをやりたがっている人なんだな、というのは強く感じました。それで納得したので、第2話以降はコンテを切らず(編集部注:以降、富野監督が降板する第26話まで絵コンテは担当せず)、作画監督に専念したんですが、このつきあいも大変でした(笑)。

古川

これは安彦先生でないとお話できない内容ですね(笑)。

安彦

あと、さっき話した「局に呼びつけられた」時にも思い出があって……あるとき、富野監督と一緒に六本木のテレビ朝日(当時はNETテレビ)に呼び出されたんですよ。そのときプロデューサーが言ったセリフが振るっていてね、「六本木のテレビ局が放送してるんです。キャラもコスチュームから描き直してください。野暮ったいから」って。

古川

いやあ、すごいお話ですね……(笑)。

安彦

それで、僕はわりと乱暴な性格をしているものだから、うるせえ、誰が言うこと聞くかって反発するわけですよ。何様だって。六本木だってたいしたことなかったですよ、あのころは。ごちゃごちゃしてて(笑)。でも、富野由悠季は、さすがにその世界で生きると決意を固めた人なので、相手の言うことを黙って聞くんです。そして黙々とやり直す。あれは偉いな、プロフェッショナルだなと思いました。

古川

そういう方だからこそ、今でも多くのファンに支持されているのでしょうね。

 

構成・文 /山下達也  撮影 /江藤海彦

 

 

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安彦良和 (著), 矢立肇 (原案), 富野由悠季 (原案), 大河原邦男 (メカニックデザイン)
KADOKAWA / 角川書店

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安彦 良和 (著), 斉藤 光政 (著)/岩波書店