Aug 03, 2016

特集548

〈沖縄レストラン〉那覇市「BACAR OKINAWA」 沖縄でしか食べられない、圧倒的に存在感のあるピッツァ。

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感度の高いローカルに評判のいい本当においしい店を紹介している、2度目の沖縄旅行で行きたいレストランガイド「BEST RESTAURANT GUIDE OKINAWA」。
その中から、沖縄県那覇市にあるピッツァの店「BACAR OKINAWA」をご紹介。

 

 取材に行くとちょうど生地の仕込み中だった。その日の湿度と温度を感じながら、小麦粉、塩、酵母、水の温度や量を調整し、専用ミキサーで混ぜ合わせていく。その間も生地の混ざり具合を伺い、小さく発酵しはじめる音を耳で聞き取り、艶やかな生地にまとめあげていく。

 

「これが明日の生地になるんです。焼くのは1分。だけどそれまでが長い」と、オーナー仲村大輔さんはそう言いながら、ピッツァ1枚分の生地をちぎり丸めていく。

 

「保管するケースの端と真ん中では保湿の状態や発酵の状態も違うので、つねに生地のコンディションを気にしています。ピッツァを窯で焼くだけがピッツァではないんです。この作業が明日につながっているし、この感覚のリレーがずっと続いているんです」

 

石窯には開店の4時間以上前から火を入れる。生地に食材を足していきながら焼くところまで、真剣に調理する男前なパフォーマンスもGOOD!

石窯には開店の4時間以上前から火を入れる。生地に食材を足していきながら焼くところまで、真剣に調理する男前なパフォーマンスもGOOD!

 

 次に昨日仕込んだ生地の発酵と窯の火の具合を見つめ、「どちらも生き物だから思いどおりにはいかない。でもだからおもしろい」と笑う。

 

 仲村さんがバカールをオープンしたのは2008年。以来生地にこだわり続けてきたのは、10年前、東京は中目黒で食べたピッツァの生地のおいしさが心をつかみ続けているからだ。仲村さんはその店で3年半修行を重ね、独立。

 

「バカールがマルゲリータとマリナーラの2種類なのはその店がそうだったから。あの2種類はあれ以上引き算できないもの。だけど僕は感動したんです。これで十分だと思ったんです」

 

 シンプルゆえに、生地の食感と塩のバランスが最も大切だという。

 

「マルゲリータ」(1,620円)。チーズはシンプルにモッツァレラのみ。チーズのまろやかさ、トマトの酸味、バジルの苦みが際立ち、それをすべて生地が受け止めた極上の1枚

「マルゲリータ」(1,620円)。チーズはシンプルにモッツァレラのみ。チーズのまろやかさ、トマトの酸味、バジルの苦みが際立ち、それをすべて生地が受け止めた極上の1枚

「マリナーラ」(1,620円)。乗せる食材はニンニク、バジル、オレガノのみ。それらを短時間で焼き上げることで、ニンニクの甘みがジュワッと滲み出る。シンプルゆえの真骨頂

「マリナーラ」(1,620円)。乗せる食材はニンニク、バジル、オレガノのみ。それらを短時間で焼き上げることで、ニンニクの甘みがジュワッと滲み出る。シンプルゆえの真骨頂

 

「コントラストのあるピッツァを焼き上げるようにイメージしています。片方はフワッとカリッと、反対側はモチッとサクッと。シェアするときにケンカしてほしいんです。こちらは塩が効いているけど、こちらはトマトの酸味が効いているとか」

 

 つまり1枚の中に幾つもの味わいがあり、生地がもつ食感が多様に表現されているということ。

 

「“Ars Longa Vita Brevis(芸の道は長く、それを極めるには人生は短い)”という言葉が好きなんです。もちろん人の命は限りがある。だけど技術は文化になることによって語り継がれていくと思っています。僕がお世話になったのは東京の店でしたが、そのDNAを沖縄でつないでいきたいんです」

 

 そんな日々のていねいな積み重ねが、いつか沖縄の食文化になることを信じている。

 

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BACAR OKINAWA
バカール オキナワ

住所:沖縄県那覇市久茂地3-16-15
TEL:098-863-5678
営業時間:18時〜23時
定休日:なし
駐車場:なし
アクセス:ゆいレール「県庁前駅」より徒歩約5分
www.bacar.jp

*掲載の情報は2016年4月時点のものです。発刊後の掲載内容については(営業時間、定休日など)のデータにつきましては、お店の都合により変更になる場合があります。予めご了承ください。