Apr 08, 2018

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映画『クソ野郎と美しき世界』で注目すべき意外なポイントとは? SMAP座談会・後編

昨年さまざまなSMAP関連の書籍が発売された中、2冊の本が話題を集めた。
1冊目は、SMAPの雑誌やテレビ、ラジオでの発言をまとめて彼らの活動と軌跡を小説仕立てでまとめて話題を呼んだ『SMAPと、とあるファンの物語 -あの頃の未来に私たちは立ってはいないけど-』。著者はSMAPファンの乗田綾子さんで、ワイドショー側のアプローチではなく、ファンの目線からSMAPのメンバー自身がメディアで発した言葉を丁寧に拾い集めて、そのアイドル像を浮き彫りにした意欲作だった。
その本に共感したのが、SMAPオフィシャルライターも務めた経歴を持つライターの相田冬二さんと雑誌『Invitation』の元編集長の小林淳一さん。ふたりはテレビやドラマ、映画でのSMAPの活動を評論家の目線で振り返り、総括した連載『SMAPとは何だったのか』が話題を呼び、昨年発売された同名の対談集がベストセラーに。
まったく異なる立場とアプローチでSMAP本を執筆した両者は、何に共感して、これからのメンバーをどう見ているのか。オムニバス映画『クソ野郎と美しき世界』が話題の稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾の3人、そしてテレビで活躍する木村拓哉、中居正広の2人についても、じっくりと話を聞いた座談会の後編です。

 

相田 先日、映画『クソ野郎と美しき世界』の取材で、新しい地図の3人にインタビューしました。これまでメンバーには何度もインタビューさせていただいていますが、3人同時に話を聞くこと自体は初めてでした。どんな感じかなと思っていたら、稲垣吾郎はお兄さんになった感じがしましたね。草なぎ(剛)はいい意味で変わってなくて、より厚みが増して輪郭が太くなった。ある程度予想していましたが、香取(慎吾)が一番元気で、やりたいことをやっているんじゃないかなと感じました。彼らはバンドではないけれど、稲垣が悠々とドラムを叩き、草なぎがマイペースでウッドベースをプレイし、香取が生き生きとピアノを弾いている。ジャズトリオのように役割分担ができている気がしました。舞台挨拶とかはまた違うんでしょうけど、少なくともインタビューではそうでしたね。映画で香取がメインのエピソードは、ドキュメンタリーとフィクションが交じり合った作品になりそうですね。

乗田 ドキュメントとフィクションが交じり合った感じは、香取さん、好きそうですね。

相田 彼は『マルコヴィッチの穴』みたいだと形容していました。ちょっと変わった設定の話ですが、香取が「慎吾ちゃん」という実名で出てきて、しかも絵を描いているという現実の香取に近い設定で入って行くので、非常にエキサイティングな話になると思うしすごく楽しみです。映画全体に香取の向かいたい方向性や、新しい地図としてのビジョンが詰まっているんじゃないかなという気がします。稲垣と草なぎは基本的に受け身の対応能力が高い人だと思うので、香取慎吾というアーティストの能動性が初めてちゃんと現れてくる作品になるのではないかというのが、自分の中での期待です。

乗田 香取さんが今までやれなかったことを一度自由にやってみてほしい。私はただ一ファンとして期待してます。

小林 僕は今回一切取材をしていないので、ニュートラルに見ています。でも、一番の大きな変化としては、SMAP時代には、(映画のクレジットで)監督の名前がメンバーより上に出ることはなかったですよね。唯一、山田洋次監督だけじゃないですか、上に出たのって。それ以外はみんな下がっていたんですよ。だけど今回は太田光とか山内ケンジが監督としてバーンと名前が出るじゃないですか。SMAP時代に飯島(三智)さんは斉藤和義や佐藤可士和とSMAPをコラボレーションさせてきたけど、ここになって、コラボの意味がちょっと変わってきていると思う。つまり新しい地図は、よりそれが開かれた場所であるという事を公言しているように感じるんです。

相田 これは結構重要な点だと思います。映画の公式ホームページを見ると、他のキャストの名前が新しい地図のメンバーの名前よりも前に掲載されているんですよね。例えば、尾野真知子の次に、草なぎ剛というように。これはかつてではありえないことですよ。明らかに主演は彼らなのにもかかわらず、香取の作品でも子役の名前が香取より前に来ている。この提示の意味はSMAPの時と明らかに違ったスタンスです。

乗田 知らなかった! それはぜひファンの人にも映画館で注目して見てほしいですね。

相田 個人的にはネットで活動できるようになった自由より、中居・木村というツートップから自由になった部分が大きいと思うんです。SMAPはとてつもなく巨大な記号になってしまったけど、「中居正広」「木村拓哉」もまた文字通りビッグネームですよね。そこから結果的に離れた彼ら3人を、まだファンというほどではない層の人々がどう評価していくのか。そこに可能性を感じるんです。中居・木村はやはり存在がデカかったと思いますよ。6人時代、僕は森君がいちばん好きだったけど、森君が抜けたことで、バランスが崩れ、SMAPの中で世代間格差みたいなものも生まれたと思います。だからこそグループとして頑張ってもこれたわけですけど。

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