Apr 13, 2017

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藤井青銅の連載コラム書籍化を祝して、業界裏方あるあるトークイベントを開催!

『otoCoto』で連載中のコラム『藤井青銅の「新・この話、したかな?」』が話題を呼んで、先月書籍化されて発売が始まった新刊『幸せな裏方』(新潮社)。これを記念して、著者で放送作家の藤井青銅氏をはじめ、出版、ラジオ、Webなど各界の“プロの裏方”が一堂に会すトークイベント『みんな誰かの裏方だ! 業界裏方あるある大会!』が、4月12日、東京カルチャーカルチャーで開催された。
 登壇したゲストは、オールナイトニッポンのディレクター石井玄氏、雑誌『ラジオの時間』の編集長・村上謙三久氏、『幸せな裏方』を担当した新潮社の編集者・川端優子氏と、校閲部の日野玄太氏、そしてotoCotoプロデューサーの野村秀樹。司会は、編集者でありアニメやゲームプロデューサーの関智氏がつとめた。

 

藤井青銅氏

放送作家の藤井青銅氏

「つい先ほど、(松田)聖子さんに本を渡してきたところです。“聖子さんのことを書かせてもらいました”と言いながら。だから、本を購入してくださったみなさんは、いま、聖子さんが読んだ…、とは言えないけど、少なくとも手にしたのと同じ本を手にされているんですよ!」と、会場に集まった約70名を前に挨拶した藤井氏。挨拶の後はすぐに本題の『みんな誰かの裏方だ! 業界裏方あるある大会!』に入り、藤井氏自身が口火を切って「放送作家あるある話」からスタートした。
「新人はスタジオのごみ箱をあさる」という項目では、「今もまだおこなわれているそうだけれど、ラジオやバラエティの台本は人が書いたものをちゃんと見たこともなかったし、誰も書き方なんて教えてくれないから、書き方がわからない。だから新人時代は、収録現場に行くと、決まってごみ箱をあさっていましたね。前に収録したバラエティの台本がごみ箱に捨ててあったりするんですよ。皺くちゃになった台本を読みながら、ああ、こうやって書くんだと勉強していました」と放送作家としての下積み時代を振り返りつつ“業界あるある”を語った。

 

オールナイトニッポンのディレクター石井玄氏

オールナイトニッポンのディレクター石井玄氏

オールナイトニッポンのディレクター石井氏は、「普段から話をする相手を、“この人はラジオで喋れるか喋れないか”とそういう目で見てしまう」とラジオディレクターとしての職業病を吐露。「この間も奥さんが「面白いことがあって~」と話し始めたので、「待て。それ、先に言っちゃうとオチが弱くなるからやめた方がいい」と話し方を指導してしまい、嫌がられました(笑)」。

 

雑誌『ラジオの時間』の編集長・村上謙三久氏

雑誌『ラジオの時間』の編集長・村上謙三久氏

雑誌『ラジオの時間』編集長の村上氏は、“編集者あるある話”として「最初に予定していた企画とまったく違う内容になりがち、それでもあえてこういう本にしましたという体をキープする」と披露。編集者の仕事は、「一見単純に見えるけど実際は多岐にわたるので幅広い仕事をこなしている」ということや、「取材をするうちに企画が横道にそれたり本題が移ってしまうこともあるので、インタビューをまとめるときに、主旨を変えずにどこまでどういじればいいのか、悩むことが多い」というあるある話も語った。

 

司会を務めた、刺激スイッチ研究所所長の関智氏

司会を務めた、刺激スイッチ研究所所長の関智氏

司会の関氏は「昔、雑誌『SFアドベンチャー』で、いとうせいこうさん、糸井重里さん、中沢新一さんを呼んで3人の鼎談記事を企画した時に、中沢新一さんがある事情で対談時間中に到着できなかったんです。とりあえず、その日は、いとうさんと糸井さんの2人で対談してもらって、原稿上で「そうそう」とか中沢さんの相槌を入れて、さらに中沢さんに後追いで発言を追記してもらって、なんとか3者鼎談の記事に仕立てたんですよ。そうしたら、その後、糸井さんが「中沢君、来てたねえ!(笑)」と言ってましたね。糸井さん気が利いてるなと思いました」と、今だから話せる暴露話を披露。
藤井氏は「インタビューや対談記事だと、そういうハプニングもあるよね。ライターの解釈が入ることもあります。昔、デーモン小暮閣下が聖飢魔Ⅱとしてデビューしたての頃、インタビューで「我が輩は」と言っていたのに、なぜか上がってきた原稿では“我が輩”じゃなくて“ワシは”になっていて、おじいさんみたいになっていた(笑)」と、デーモン小暮さんと共にラジオ番組を作っていた当時を振り返った。

 

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otoCotoプロデューサーの野村秀樹からは、「紙と違って校了したらすぐ公開なので、ギリギリまで手を入れ続けてしまう」という話や「自サイトと同じような記事をみかけると、思わずどんな内容か比較してしまう」という事を語りつつ、otoCotoで掲載中で、藤井青銅氏が構成としてかかわっている「レジェンド声優インタビュー」の裏話や映画業界コラムの話などをしつつ数々の記事もちゃっかりアピール。

 

新潮社の編集者・川端優子氏(右)と、校閲部の日野玄太氏(左)

新潮社の編集者・川端優子氏(右)と、校閲部の日野玄太氏(左)

トーク後半には、『幸せな裏方』を担当した新潮社の編集者・川端氏と校閲部の日野氏が登壇し、『幸せな裏方』が書籍化されるまでの経緯や数々の苦労話、昨年の人気ドラマ『校閲ガール』で有名になった校閲という仕事の舞台裏等をじっくりと語った。日頃なかなか知ることができないそれぞれの業界話の裏側を通じて、ものづくりの神髄や仕事の矜持と笑いが詰まった2時間となった今回のトークイベント。イベント終了後には、参加した人から「さすがレジェンド放送作家によるトークイベントですね」という満足そうな声があちこちで上がっていた。

 

→『藤井青銅の「新・この話、したかな?」』

 

作品紹介

 

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『幸せな裏方』

藤井青銅(著)/新潮社

手塚治虫、星新一、大瀧詠一、松田聖子、伊集院光、デーモン閣下、オードリー……。ラジオ番組の放送作家をはじめ、作家、作詞家として時代を彩る著名人と仕事を重ねてきた著者が綴る、興奮の舞台裏。ヒットを出してもなぜか儲からないけれど、一番うしろにいるからこそ、すべてが見える! 思わずニヤリのエッセイ集。

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電子書籍版『幸せな裏方』は4月28日発売予定