Aug 23, 2016

ニュース

「大先輩から握手を求められた」神谷浩史が入魂の演技!
『傷物語〈II 熱血篇〉』初日舞台挨拶レポート

8月19日、新宿バルト9にて映画『傷物語〈II 熱血篇〉』の公開を記念して、メインキャストとスタッフによる舞台挨拶が行われた。

この日登壇したのは、阿良々木暦役の神谷浩史、忍野メメ役の櫻井孝宏、音楽担当の神前暁、アニメーション制作のシャフト代表の久保田光俊という4名。『傷物語』3部作の第2部にあたる<熱血篇>を見終わったばかりの満場の観客たちからは作品の立役者たちに大きな歓声が贈られ、2017年1月6日の公開が発表されたシリーズ完結篇『傷物語〈III 冷血篇〉』に向けての弾みをつけた。

以下、トークセッションで語られた4名の発言を紹介していく。


 

神谷浩史(阿良々木暦役)

(完成した作品を見て)
「本当に声優をやっててよかったな」とまた思うことができました。
なかなかそういう気持ちになることって難しいです。
前作が公開したときにも「よかった、声優やってて」と思って、全部これが完結した暁にもう1回こういう気持ちになれたらいいなという思いで仕事を続けています。
本来だったら2012年には公開してなきゃいけないっぽいんですけど(笑)、その間にテレビシリーズを重ねさせていただいて、思いもよらない情報が入ってくることもあります。
例えば「人間強度が下がるから」というセリフひとつ取っても、あれは(原作完結編の)『終物語』で描かれていることなので、その言葉の意味をあらためて知った上で音にできているのはすごくプラスになっているし、もし2012年に公開していたら自分の想像で音を作らなきゃいけなかったところを、今回ちゃんとした形で音にできているのは非常に大きいです。17歳の少年を演じる上でその歳に近ければ近いほど都合がいいことも当然あると思うんですけど、2012年にやってたとしてもいい歳ですから(笑)
経験値を積めば積んだだけ、その時々で一番いいものができると信じているので、このタイミングでみなさんにお届けできたのは意味があったんじゃないかなと思います。

(収録にあたって)
テレビシリーズだとナレーションやモノローグが多いので、説明してくれるところが多いんですけど、今回『傷物語』は極力ナレーションやモノローグを排した形になっているので、そこを説明するにあたって絵の方のお芝居にどういった意味が込められているかを原作から拾ってきて、それを正確に音にしていく作業になりました。
今回とくに羽川とのシーンに関しては原作のニュアンスとかなり印象が違うんです。僕もそれは感じていて、どうアプローチしたらいいのか悩んだんですけど、原作とアニメーションの間に立つ者として、なるべく原作のニュアンスを取れるところはアニメーションに落とし込んでいこう、とチャレンジをさせていただきました。だから羽川との距離が猛烈に近いニュアンスで、今回かなり青春してると思うんです。その青春の部分に原作のニュアンスをどの程度落とし込めるかが僕の中での戦いでしたね。
バトルと青春の差がものすごく明確に分かれていて、見ていて微笑ましいところとバトルのかっこいいところの差が出ていていいなと思います。

(ファンへのメッセージ)
あれだけ絵が動いてキャラクターがお芝居してくれているのを見ると、本当にこちらも力が入って、すべての動きに何か意味があるんじゃないかといろいろ考えたりしながらやらせていただきました。とくにバトルシーンは必死で、ちょっとでも気を抜いたら殺される思いで全力で先輩に立ち向かいました。今回の仕上がりを見ると「ああ、全力で当たってよかったな」とあらためて思います。
大塚芳忠さん(ギロチンカッター役)と戦ってアフレコが終わったあと、芳忠さんが「おつかれ!」って握手してくれたんです。「はじめて芳忠さんと握手した!」ってすごく嬉しかった。そういうものがすべて焼き付いているフィルムです。
原作のシナリオ、絵の動き、我々のお芝居、神前さんの音楽と、すべてが融合して調和していて、こういう作品に巡り会えるのは僕としてもありがたいですし、それが劇場でかかっているのは、その作品を楽しむためだけの贅沢な空間だと思っています。そういう空間で何か感情が生まれたり、面白かったなと思っていただければ幸いです。
『傷物語』は悲劇につながる物語です。いったいこの先にどんな悲劇が待ち構えているのか、ぜひその目でお確かめください。全力で最後までがんばりたいと思います。僕も前作で4回5回と劇場に足を運んでいるので、みなさんもぜひ4回5回と足を運んでいただけたら幸いです。

 

櫻井孝宏(忍野メメ役)

(完成した作品を見て)
今回は結構バトルが見どころですけど、僕は物語シリーズのキャラクターたちの個性がすごく色濃く描かれているなと思いました。登場する時間云々ではなくて、それぞれのキャラクターのスタンスとか考え方とか、すごく贅沢にたっぷりと描かれていたような気がして、印象的なメメのセリフもたくさんありましたし、大好きな作品だなと思いました。

(アフレコにあたって)
だいたい起こった出来事に対してのリアクションになるんですけど、あまり普段メメが見せない表情や発言があったりしました。例えば「コラッ」と怒ったりとか「ミスった」という、ああいう役者側からするとアプローチにすごく悩む部分が僕的にはひとつ課題だったんですけど、監督や音響監督をふくめて話させていただいて、今回見ていただいた形になりました。話し合いのなかでは「なんか(羽川翼役の)堀江由衣さんの声で『コラッ』て聞こえるんですよね」とか(笑)。「ダメだ」とかもうちょっと厳しい言葉遣いのチョイスもできたのに「コラッ」という二文字で状況を悟らせている。
それはちょっと慈愛というか、優しく包み込むニュアンスがいいんじゃないか、という指導でした。僕も実際映像を見るまではどう見えてどう聞こえるかちょっとドキドキしてました。

(ファンへのメッセージ)
今日ここに来る前に「ヨーロッパの映画みたいだよね」という話をしていたら、神前さんからもそういうコメントがあって、その気持ちはあまり的外れじゃなかったんだなと思いました。
映像でも阿良々木君と羽川の結構密なやり取りが広大な屋外の空間で繰り広げられていたりと、僕はああいうヨーロッパっぽい癖のある映像は好きですし、この世界の尺度がわかったり、それぞれのキャラクターの向いている方向がわかったりと、いろんな情報がたくさん詰まっているなと思いました。バトルだけでも見応えあるのですが、まだみなさん気づいてないところもあるかもしれないので、また劇場に足を運んでいただけたらなと思います。

 

神前暁(音楽)

(完成した作品を見て)
ものすごく絵が綺麗に動いていてびっくりしました。
音楽を作っているときは絵がまだ白くて、そこに声優さんのお芝居が入っている状態で作るので、どうしても絵の表情がそんなになかったりするんですけど、完成版を見ると羽川の表情とかもすごく細かくついていて「あ、こういうシーンだったんだ」と納得しました。

(音楽制作の方向性)
尾石監督は「全体的に古き好きフランス映画みたいなオシャレなテイストを入れたい」ということを『鉄血篇』からおっしゃってました。
そういう曲を少しずつ入れてきまして、今回のエンディングでクレモンティーヌさんにフランス語のボーカルを入れていただいて「いよいよ本物になったな」とひとつまとまった気がします。尾石監督からは具体的に「この映画のこんなシーンにしたい」という十何枚のメモをいただきまして、それに忠実に作っていきながら、だんだんこういう映像を作りたいんだな、ということがわかっていきましたね。

(ファンへのメッセージ)
『傷物語』は3本で『傷物語』ですので『冷血篇』をぜひ楽しみにお待ちください。僕も楽しみにしています。

 

久保田光俊(アニメーション制作・シャフト代表取締役)

(完成した作品を見て)
まず内容が2本目はバトル編、アクションがメインのお話ということで作画もふくめて制作現場のカロリーが高いお話になっていて、本当に「よく完成したな」と胸をなでおろす感じです。アフレコや音楽の制作時はまだ絵が線画なんですけど、あらためて絵と音が完成したところを見ると、すごく魂を吹き込んでいただいたというか、あの状態のなかでよくこれだけの演技をしていただいたなと本当に感謝しています。

(スタジオでの制作体制)
本当に長い時間をかけて『傷物語』の制作をしていまして、とにかくアニメーションの技術的には日進月歩というか常に進化していく状況で、一番新しい技術を入れ込んで劇場映画というエンターテインメントをお見せしたい思いがこのような形になりました。古くからある手法や最先端のCGも融合させていくところで、いま我々がやれる一番のことを形にしたものだと思っています。
その実現のために時間もかけてしまったんですけど、劇場映画らしさを目指して制作していきました。大変ファンの方たちをお待たせしてしまって、待っていただいた方たちには本当に感謝しています。
でも、それに耐え得るすばらしい映像美になったのではないかなと思います。それを支えてくれたキャスト、スタッフには感謝というか頭が下がる思いでいっぱいです。

(ファンへのメッセージ)
まだ我々現場のほうは戦いが終わっておりません。3本目の『冷血篇』はスタッフが本当にがんばって制作しています。もう1本、ぜひ期待してお待ちいただきたく思っています。

 

「傷物語〈III 冷血篇〉」キービジュアル

「傷物語〈III 冷血篇〉」キービジュアル

 

また『傷物語〈II 熱血篇〉』の公開に合わせて、完結編となる『傷物語〈III 冷血篇〉』の公開日が2017年1月6日となることが発表された。合わせてキービジュアルと「僕はお前を、助けない」というキャッチコピーも明らかにされている。メインキャストの神谷浩史も「悲劇につながる物語です」と語るエピソードがどのような形でクライマックスを迎えるのか、3部作完結に向けてますます期待が高まるところだ。

文 / 野口智弘

 

『傷物語〈II 熱血篇〉』8月19日(金)より上映中

配給:東宝映像事業部
(c)西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
http://www.kizumonogatari-movie.com/
※PG-12指定 上映時間:69分

Nov 26, 2015

ニュース

【速報レポート】「古川登志夫と平野文のレジェンドナイト」スペシャルトークイベントに行ってきました!

 

【速報レポート】
「古川登志夫と平野文のレジェンドナイト」
スペシャルトークイベントに行ってきました!

 

1981年から4年半に渡ってテレビ放送された、高橋留美子原作の伝説的名作アニメ『うる星やつら』。その主演声優として知られる古川登志夫さん(諸星あたる役)と平野文さん(ラム役)がパーソナリティーを務めるラジオ番組がニッポン放送『古川登志夫と平野文のレジェンドナイト』です。

 

DSC_2503

 

声優界の“レジェンド”として知られるお二人が繰り広げる軽妙なトークは、あの時代のアニメを観ていた人には爆笑必至の面白さ。その好評を受けて、この10月には、同じく“レジェンド”なゲスト声優 井上和彦さん(『サイボーグ009』島村ジョーや『夏目友人帳』ニャンコ先生役など)をお迎えし『古川登志夫と平野文のレジェンドナイト』が放送されました。

そして、そんな大盛り上がりの本番組が早くも公開収録イベントを実施。三連休の中日、11月22日に西葛西「東京フィルムセンター映画・俳優専門学校」にて特別ゲストを招いたスペシャルステージを行ないました。

残念ながらご参加いただけなかった方や、イベントのことを後から知ったという皆さんのために、そのスペシャルステージの内容を速報レポート。見事プラチナチケットをゲットした100名の参加者しか楽しめなかったイベントの様子をこっそり紹介しちゃいます。

 

スペシャルゲストは水島裕さんと……あの人!!

番組タイトルは「レジェンドナイト」ですが、今回のイベントはお昼過ぎにスタート。会場の期待高まる中、「古川登志夫と平野文のレジェンドナイトスペシャルトークイベントにようこそお越しくださいました!」という挨拶と共に古川さん、平野さんが登場すると、会場は割れんばかりの大歓声に。これにはステージ慣れしているお二人もちょっとビックリ? 

聞けば、なんとこのイベントのために香川県や岐阜県から来てくださった熱心なファンもいたそうで……平野さんもさっそくラムちゃんボイスで「ありがとうだっちゃ!」と応えます(ここで、さらに場内大歓声)。

DSC07635 DSC07632

続いて本日のスペシャルゲストとしてレジェンド声優・水島裕さんが登場。ダッシュでステージに現われるなり客席まで降りて参加者とハイタッチ。水島さんらしいハイテンションで観客を沸かせてくれました。

ご本人は「僕がレジェンド声優なんておこがましい」と謙遜しておられましたが、いやいや、登場しただけでこの盛り上がりを作れるってのはやっぱりレジェンドですよね!

DSC07653

それに負けじと「そんな水島裕を裸にします」と意気込む古川さん。水島さんの、当時のファンを巡る驚愕体験(熱心な“追っかけ”ファンとタクシーでカーチェイス?)や、修行時代のエピソードなどは、どれも初めて聞くことばかり。

『聖闘士星矢Ω』の昴役と、『獣電戦隊キョウリュウジャー』の悪役・アイガロンを同時期(2013年)に演じてどうだったという客席からの質問には「12歳の少年とラスボスを一人できるのが声優の醍醐味。すっごく楽しくて気持ちよかった!」と満面の笑顔で答えていました。

DSC07846

……そして中盤にはもう1人のゲストとして、『うる星やつら』を制作していたスタジオぴえろの布川ゆうじさんが登壇。実はこれ、平野さんしか知らされていなかったそうで、古川さんも、水島さんもビックリ。にこやかな笑顔で『うる星やつら』、そして水島さんの代表作のひとつでもある『魔法の天使クリィミーマミ』のたくさんの裏話・苦労話を披露してくださいました。

DSC07873

中でも興味深かったのが『うる星やつら』のオープニングについての裏話。『ラムのラブソング』冒頭の「(好きよ、好きよ、好きよ)うっふん♡」という合いの手が現場のアドリブだったことや、夜7時30分のアニメとしてどうかと思いつつも、あまりにしっくり来たのでゴーサインをだしたこと、その映像に新しさを出すため、ふだんはテレビCMを制作しているアニメーターに依頼したことなどを教えてくれました。うん、確かに、この頃からアニメのオープニングってオシャレになっていきましたよね。

DSC07887

さて、そんな布川さんは現在、NUNOANI塾というアニメ演出とプロデュースを学ぶ少数精鋭講座を主催。アニメ業界のこれからを支えていく人材を育てることに注力なさっているそうです。こういった、アニメの「企画力」を育てる場はほとんどないそうなので、気になる方はぜひ。

また、水島さんも来年“3度目の成人式”ということでいろいろ企んでいるそう。「和彦(井上和彦さん)、雄二(三ツ矢雄二さん)となんかできたらいいな」とのこと。こちらも楽しみですね!

DSC07704

……と、ここまで予定時間を大幅に超えて「前半戦」が終了。80年代のアニメ黄金期を支えた4人による濃い~トークに観客の皆さんも大満足のようでした。

 

「オールナイトニッポンモバイル」は既に好評配信中!!

でも、イベントはこれからが本番! 「後半戦」は、マイクを入れての公開収録に。既にその内容は配信されているので(なんと現場の盛り上がりを受けて、翌日のスピード公開&無料配信が決定!)そちらを聞いていただくのが早いでしょう。特に「レジェンドナイト」の名物コーナー「連続大河ラジオドラマ」は必聴ですよ。公開録音ならではの仕掛けも盛りこまれているのでぜひ!

DSC08163 DSC08040

ほか、声の若々しさを保つために必要なこと、レジェンド声優の皆さんが若手時代にしごかれた大先輩たちの武勇伝、そして今の若手声優たちに思うことなどなど……。

特に水島さんはテレビアニメ『寄生獣』で共演した花澤香菜さんの声に大感動しているそうで、そのウィスパーボイスの美しさをとうとうと語っていました。こちらもまた必聴ですね。

DSC08118

予定時間を大幅オーバーして、たっぷり約2時間にわたって行なわれた「古川登志夫と平野文のレジェンドナイト スペシャルトークイベント」。古川さんも平野さんも、またこういったイベントをやっていきたいと意欲満々なので、今回残念ながら参加できなかったという人も次こそはぜひ!

 

(文:山下達也 / カメラ:田里弐裸衣 )


 

 

古川登志夫と平野文のオールナイトニッポンモバイル

NUNOANI

水島裕オフィシャルブログ
(11月22日のエントリーで本イベントについて書いてくださいました)