Oct 17, 2017

ニュース

楽曲派アイドルの次なる挑戦 『フィロソフィーのダンス』ライブレポ

10月7日渋谷クラブクアトロにて、“フィロソフィーのダンス”のワンマンライヴ「Do The Strand Vol.4」が行なわれた。フィロソフィーのダンス(通称:フィロのス)とは、奥津マリリ(通称:マリリ)、佐藤まりあ(通称:あんぬ)、十束おとは(通称:おとはす)、日向ハル(通称:ハル)から成るアイドルグループ。「Funky But Chic」というキーワードを掲げ、アイドルに軸足を置きながらも、“ナイル・ロジャース歌謡”とも謳われる70~80年代ファンク・サウンドに乗せて哲学的思考をバックグラウンドにした詞を歌う、というユニークなグループだ。会場となった渋谷クラブクアトロは、長年洋楽畑で働いてきた筆者にとっては、数多の洋楽アーティストを目撃してきた場所。そんな“聖地”へアイドルが乗り込んでくるのだ。さて、どんなライヴを見せてくれるのか。

ザ・ジャクソンズ「シェイク・ユア・ボディ」が会場に流れる中、客電が落ち、大きな歓声が巻き起こる。そして、お馴染みのファンキーなSEが流れてくると、4つのシルエットが次々とステージに現れる。そして、おもむろに流れてきた耳慣れないイントロに導かれ、躍動感溢れるディスコビートが紡ぎ出される。なんとオープニングを飾るのは、この日が初披露となる新曲「ダンス・ファウンダー」だ。レトロなディスコ・ビートにフィリーソウル風のストリングスが絡む中、エッジの効いたリズム・フィギュアや洗練された和音がその端々に挟み込まれ、得も言われぬグルーヴを巻き起こす。まさに「Funky But Chic」というコンセプトを体現するナンバーだ。そして、その新曲が終わるや否や間髪を入れず会場に鳴り響いたのは、軽妙なギター・カッティングが印象的な彼女たちのデビュー曲「すききらいアンチノミー」。おそらくはライヴで最も多く歌ってきたであろうお馴染みのナンバーである。初披露曲と最多披露曲をスムーズに繋ぐ。その間には紆余曲折があっただろうが、その揺るぎない“ファンク道”は貫かれている、ということだろうか。2曲を終えたところで1回目のMC。一人ずつ自己紹介が行なわれる。

 

 

そしてここからは、DJが鮮やかに曲を繋ぐかのように、種々様々なダンス・ミュージックが怒涛のメドレーで繰り出される。ニュー・ミュージックを思わせる爽やかなポップ・チューン「はじめまして未来」、いなたいソウル・ナンバー「オール・ウィ・ニード・イズ・ラヴ・ストーリー」、山下達郎風味のシティポップ「夏のクオリア」、そして弾けるポップビートが心地好い「パラドックスがたりない」。いずれも“踊らせる”という機能を存分に有しながらも、その語り口は実に多彩だ。

再びMCが入り、ここではおとはすが印象的な言葉を残す。「自由に踊って自由に盛り上がって楽しんでください!」。そんな素敵な“煽り”に導かれ、怒涛のファンク・メドレーは続く。オリエンタルなチルアウトとでも言うべき「アルゴリズムの海」、アップテンポのエレポップ「熱帯夜のように」、マリリの艶かしい歌声が味わい深いアーバン・ファンク「ミスティックラバー」、“角松ディスコ”へのオマージュとでも称したい「バッドパラダイム」、そして、ナイル・ロジャース歌謡の真骨頂とも言うべき「アイム・アフター・タイム」。どの曲にも“ファンキー”は貫かれているが、その筆致は多様性を極めており、あの手この手で聴衆の心と身体を揺さぶろうとしているのがひしひしと伝わってくる。

この記事が気に入ったらクリック

SNSでシェア

このエントリーをはてなブックマークに追加