Dec 13, 2017

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紅白初出演!エレファントカシマシ、波乱万丈の30年

今年の『NHK紅白歌合戦』出場が決まったときの記者会見で、エレファントカシマシ(以下、エレカシ)の宮本浩次が見せた笑顔は、とても素敵だった。文字どおりの破顔一笑。心の底から喜ぶベテラン・ロッカーの姿が痛快でもあり、意外でもあった。

なぜ痛快かと言えば、エレカシは決して順調とは言えないキャリアを持つバンドで、デビュー30周年イヤーの今年、ついに国民的歌番組『NHK紅白歌合戦』(以下、紅白)に出場することが決まったからだ。

一方で意外と言ったのは、一途で頑固なバンドだからこそ、ある意味NHK向きではなく、よくぞNHKがエレカシを選出したなという思いが僕にはあった。近年でこそ『みんなのうた』に「風と共に」を提供したり、NHKの看板音楽番組の『SONGS』や『The Covers』に出演したりと、音楽家としての本領を発揮しているエレカシだが、そのキャリアの中で宮本はもう一つの特質である反骨精神をたびたび披露。メディアでも堂々と歯に衣を着せぬ発言をして、大きな反響を呼んだことが多々あった。エレカシはデビューアルバムの1曲目「ファイティングマン」で、♪権力者の力には 鼻で笑ってこたえろ♪と歌っている。まさにこの歌詞どおりの生き方を、エレカシは貫いてきた。なので、生放送である『紅白』への出場をNHKが依頼したのは、エレカシをデビューから見ている僕にとってはとても意外なことだったのだ。

さらに意外だったのは、記者会見での宮本の底抜けの笑顔だった。彼はとびっきりの照れ屋さんなので、あの晴れがましい舞台でのストレートな笑顔にビックリした。きっと宮本は、反骨の人だからこそ行き着いた“やさしい歌”を、多くの人に届けられるチャンスを得たことを心から喜んでいたのだと思う。

東京の下町・赤羽の中学校の同級生バンドからスタートしたエレカシは、J-ROCKという言葉が生まれる以前から活動してきた。それだけに、ロックの反骨精神を根本に持っている。世の中の常識よりも自分たちの価値観を信じて、物事に白黒をはっきりつける生き方をしてきた。そのせいもあってか、当初はヒットチャートに縁がなく、レコード会社から契約を打ち切られたこともあった。
初めてシングルがトップ10入りしたのは、デビューから9年後の1997年。フジテレビのドラマ『月の輝く夜だから』の主題歌「今宵の月のように」だった。その後も、自分たちの納得のいくアルバム作りとライブ活動を続け、2度目のトップ10入りは、なんと一度目から18年後の2015年の「愛すべき今日」まで待たねばならなかった。そんな一途(いちず)で頑固なバンドが『紅白』出場を射止めたのだから、これは事件と言ってもいい。

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