Apr 28, 2018 column

読んでから観るべし!『アベンジャーズ』の“無限”の世界観を徹底解説

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つい先日も『ブラックパンサー』(18年)が大ヒットし、世界観を拡大し続けるマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)。その中心部分となる作品といえば『アベンジャーズ』で、待望の最新作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』がついに公開された。かつてない数のスーパーヒーローたちが集結したとあって、アクションも、ストーリーも予想の斜め上をいく仕上がりに期待がかかっていたが、その魅力とは?これまでのMCUの軌跡とともに、この最新作の見どころに迫ってみよう。

 

ヒーローたちの見せ場を巧みに用意する手腕が見事!特に要注目のキャラクターは?

 

『アベンジャーズ』というタイトルが付くシリーズとしては3作目となる『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』。前作『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(15年)の後に公開され、アベンジャーズのメンバーがほぼ再集結した『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(16年)でのアイアンマンとキャプテン・アメリカの決裂、『マイティ・ソー バトルロイヤル』(17年)でアスガルドから地球へ向かうソーとロキ、『スパイダーマン:ホームカミング』(17年)でのピーター・パーカーのヒーローとしての成長、そして『ブラックパンサー』でのワカンダでの攻防…と、あらゆる作品の伏線をきっかけに物語がスタートする。まさにMCUの集大成といった作りだ。

 

 

これまでも数々の星で、そこに生きる生命の半数を消してきた宇宙の極悪キャラ、サノスがついに地球に襲来。アベンジャーズの宿敵になる彼が最初に現れるのはニューヨークで、ここで待つトニー・スターク(アイアンマン)、ブルース・バナー(ハルク)、ドクター・ストレンジとウォン、ピーター・パーカー(スパイダーマン)との激しい戦いから、豪快&大スケールなアクションが息もつけないテンポで展開される。『シビル・ウォー』でも多数のヒーローキャラに巧みに見せ場を配分したルッソ兄弟監督。その手腕はさらに冴えわたっている。よくもまあ、これだけの数のキャラをうまく交通整理し、ストーリーに当てはめたものだと感心するしかない。

 

 

今作で注目されるのは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(14年・17年)のメンバーが大きく関わっている点だ。彼らの一人、ガモーラはサノスの娘(血は繋がっていない)であり、サノスとの対決には父子のドラマも絡み、重要なパートを任される。サノスが狙うのは、6つのインフィニティ・ストーンで、すべてを彼が手に入れれば全宇宙の半分の生命を一瞬で滅ぼすことができる。地球上と宇宙空間で、MCU史上でも類をみないスペクタクルバトルへとなだれ込んでいくのだ。

 

 

『ガーディアンズ』の加入で、要所のユーモラスな会話も増えたが、意外に自己犠牲などの悲劇も数多く用意され、エモーショナルな印象が強い『インフィニティ・ウォー』。この後も物語は続くとはいえ、ラストには目を疑う衝撃描写が用意され、MCUのさらなる方向性に期待がかかる。