Aug 10, 2019 mekiki

ジャズ作曲家・挾間美帆のクラシック遍歴(後編)

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クラウス・オガーマンがキーポイント!

――では、最後にジャズ作曲家になってからはどうですか?

クラウス・オガーマン(※ビル・エヴァンスやマイケル・ブレッカー、ジョアン・ジルベルトやトム・ジョビンなどの作品でオーケストレーションを手掛けた作編曲家)ですね。作編曲家のクラウス・オガーマンの純作曲作品をコレクションしようと思って、廃盤になっているものも含めて、手に入るものを集めて聴いているうちに「シンフォニック・ダンス」って曲に出会うんです。

その音源を聴いたときにすごく印象的だったのが、一か所だけオーケストレーションでは普通だったらやらない音が鳴っている気がしたんです。ギル・エヴァンスじゃないんですけど、トランペットの音域の上をホルンが吹いている気がして(※通常、ホルンはトランペットより音域が低いので上を吹くことはほぼない)。でも、実はまだスコアを拝見していないので正しいかどうかわからないんですけど、それが本当だったら、それをやったこの録音の人はすごく偉いし、実はその曲の別の録音もあるんですけど、それは全然それができていなくて、その曲の良さを殺している気がしたんです。だから、私にとって、そこはすごいキーポイントなんです。

8月にやる「NEO-SYMPHONIC JAZZ at 藝劇」のためにその曲のスコアを実際に手にすることができるんですね。しかも、東京フィルハーモニー管弦楽団にその曲を演奏もしてもらえる機会が巡ってきちゃったので、もうそこの部分だけは指揮者に「それが聴きたい」って全力でお願いに行こうと思っています。

――クラウス・オガーマンってそういう変わった作曲をよくする人ですか?編曲家としての仕事を聴いていても、そういうイメージはあまりないですよね。

わたしもそのイメージはないんです。彼のアイコニックな部分はハーモニーの使い方と、ストリングスの使い方だと思っていたので、彼のイメージに無い金管楽器のハーモニーの構築に工夫があるのかなと思うと、すごいときめくんですよ。トランペットの上をホルンが吹いていたらいいなと思ってる。これからスコアを見て確認したいんだけど、どうしよう、全然そうじゃなかったら。私の夢が…(笑。そうなったら、何かの手違いでその時の録音だけが素晴らしくなってしまっていたことになるんですけどね(笑)。

2007年山野ビッグバンドジャズコンテストで国立音大ニュータイドジ
ャズオーケストラが最優秀賞、自身はピアニストとして優秀ソリス
ト賞を受賞。

――クラウス・オガーマン以外だと誰が好きですか?

ヴィンス・メンドーサ(ジャズを中心にビョークやジョニ・ミッチェルなどの作品のオーケストレーションを手掛ける作編曲家。メトロポール・オーケストラの前首席指揮者)のジャズ・フィル・ハーモニック・オーケストラの書き方は非常に特徴があって好きですね。すごく夢のある音がするんですよ。ファンタジーみたいな、メリーゴーランドに乗ってるみたいな音がするんですよね。

――それは通常のオーケストラの楽器の編成なのに、そんな音がするってことですか?

そうです。使っている楽器は変わらないはずなのに、ファンタジックな音がします。

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