Aug 09, 2019 mekiki

ジャズ作曲家・挾間美帆のクラシック遍歴(前編)

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ピアノとオーケストラの関係は?

――挾間さんの音楽のドラマチックさは母親との遊びで培われたと。一方で、挾間さんはピアノもやってたんですよね。自分がやっている楽器は好きな音楽とはあまり繋がらなかったんですか?

私はヤマハの音楽教室で、ピアノと電子オルガンと作曲をやっていました。そのうち、電子オルガンがメインになってきちゃって、それでコンクールも出るようになって、エレクトーンのコンクールに出たり、ジュニア・オリジナル・コンサートっていう作曲のコンクールに出ていました。そのコンクールは電子オルガンで作った曲で出場するものだったので、私はずっと電子音オルガンのレッスンにつきっきりで、あまりピアノの曲には触れていませんでした。だから、中学に入ってピアノを専攻するまではピアノの音楽からは遠いところにいたんです。

それに電子オルガンで演奏するためのクラシックを漁っていると、いかにコンクールで映えるかってことが基準になるので、そこでもドラマチックな音楽に行きついちゃうんですよね。そうなると編成が大きいオーケストラの音楽を探すことになる。だから、(オットリーノ・)レスピーギ、(モーリス・)ラヴェル、チャイコフスキー、ラフマニノフ、バーンスタイン、そういったドラマチックな音楽に触れるようになったのもあります。スタートが電子オルガンだったことも、オーケストラありきになった理由のひとつですね。

7歳の頃、エレクトーン発表会で

――中学生になってからはどうですか?

国立音楽大学の付属の中学校に入ることになるんです。転勤族だったものですから、転勤した先々で同じ習い事が継続できればという理由からヤマハに通っていたんです。でも、そろそろひとつの学校に落ち着いたほうがいいということで、国音を受けることにしたんです。でも、付属中学には作曲科がなかったので、ピアノ科を受験してなんとか入学することができました。電子オルガンとピアノは演奏方法が全く違うので、電子オルガンになれていたのを、受験のために基礎の基礎から時間をかけてピアノの弾き方に修正しました。そこで初めてピアニスティックなピアノの曲をやっと演奏できるようになったんです。

でも、やっぱり自分の頭の中で鳴っている音はオーケストラがデフォルトになっているので、今でも自分のピアノに対する楽器の定義は「一人で演奏できるオーケストラ」なんです。ピアノは、音色、レンジ、音域、音色の色彩感も含め、オーケストラのようにドラマチックな音楽を一人で演奏するできる唯一の夢のような楽器です。ピアニストには「一人で演奏できるオーケストラのようにピアノを弾く人」と「ピアノをピアノらしく演奏する人」とタイプがわかれるんですけど、私はピアノをオーケストラのように演奏するピアニストが好きなんです。

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