Mar 26, 2017

インタビュー5515

『逃げ恥』原作者・海野つなみインタビュー【後編】
「みくりちゃんが泣くシーン。あれは完全にドラマの影響を受けました」

昨年の社会現象にもなった“逃げ恥”こと、『逃げるは恥だが役に立つ』。ファン待望のコミック最終巻となる第9巻と大ヒットしたドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)のDVD発売を記念して、原作者の漫画家・海野つなみの独占ロングインタビューを行った。
後編では、ドラマと原作コミックとの意外な関係性、そしてドラマでは俳優・ミュージシャンの星野源が演じて話題を呼んだ津崎平匡のモデルになった30代独身男性のAさん(なんと『otoCoto』運営会社である(株)ブックリスタに勤務)への緊急インタビューも敢行!

 

待望の新垣結衣と適役すぎた星野源

 

──ドラマはどのようにご覧になっていましたか。

自分が描いた話がドラマ化されているというより、すごく面白いドラマを観ていて「このセリフ知ってる!」とか「この展開知っている~」という感じで、本当に別物として楽しく観させていただいていたんです。もちろん(ドラマの制作側は)原作を一番の柱として作ってくださっていて、脚本の段階で事前に見せていただいて問題ないですかとか、製作段階で何度も細かく聞いてくださいました。でも一番最初に脚本家の野木(亜紀子)さんにお会いした時に「人や生き方の多様性をテーマに描きたい」とおっしゃっていたので、「描きたいものが一緒だったら、たとえ別の展開になったとしても最終的にブレないはず」という安心感はすごくありました。信頼していたので、逆にドラマが楽しめたのかもしれませんね。 ドラマは、コミックス4巻の話の中に2巻のセリフが入っていたりとか、すごくミックスされていて面白かったです。「このエピソードをここで使うんだ!」とか。だから原作を読んでくださっていた人もすごく楽しめるし、ドラマしか観てない人が後から原作を読んでも、二度楽しめるなと思いました。

──主演の二人が新垣結衣さんと星野源さんに決まった時は、どんな感想でしたか。

もともと友だちと「みくり役はガッキーがやってくれたらいいね」、「無理無理~!」なんていう会話をしていたくらいだったので、新垣結衣さんに決まった時には「本当にやってくれるの!?」ってすごく驚きましたし、嬉しかったです。津崎平匡役には、はじめはもっとイケメンの人で考えていると言われていて、もちろんわたしはキャスティングには口出ししないのですけど、「童貞でイケメンだとリアリティがなくなっちゃうなぁ、そこまでイケメンでないほうがいいのに……」と思っていたんです(笑)。だから、最終的に星野源さんに決まったと聞いたときは、一安心しました。“イケメンじゃないけどかっこいい”というのはとても稀有な個性なので、いい人に決まったとすごくほっとしました。

 

原作者のSNSのつぶやきも拾う
脚本家・野木亜紀子の手腕

 

──撮影現場にも行かれたりしましたか?

顔合わせの時にご挨拶をして、その後に『恋ダンス』の撮影を見学させていただいた時には、“わ~っ”ていうノリの現場ではなくて落ち着いていましたね。新垣さんは基本もの静かだし、星野さんも、石田さんもみなさん地に足がついている印象でした。

──原作のトーンに近いですね。ドラマでは、バーの山さんとか、魅力的な登場人物も新しく生まれていましたね。

山さんはキャラも立っていて、最後まできちんと山さんを使って展開してくれて、すごく上手いなと思いました。毎回脚本が来るたびに、「野木さんうまいな~、面白いなぁ」と思っていました。そうそう、野木さんもTwitterをやられていて、私が映画『シン・ゴジラ』にハマッていた時に『逃げ恥』でもその音を入れてくれたらなとつぶやいていたら、(その後ドラマで)本当に入っていたので、「キターッ!野木さん、ありがとう」と感謝したり(笑)。