Sep 08, 2017

インタビュー

稲垣・草なぎ ・香取のジャニーズ退所と「27時間テレビ」をつなぐ意外な事実とは?!SMAPを取材し続けた二人が解説する

昨年いっぱいで解散したSMAP。そのメンバーだった稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾の3人は、本日9月8日をもってジャニーズ事務所を退所した。3人の門出を見守るムードも漂う中、SMAPは結局正式な解散会見を開かないまま去り、ファンもメディアにも困惑が残る、微妙な小康状態が続いている。

奇しくも、翌9月9日は1991年にCDデビューしたSMAPの誕生日とも言える記念の日。さらに今年の9月9日にはテレビ番組『FNS 27時間テレビ』(フジテレビ系)が放送されるが、2014年の同番組(※①)では、SMAPはメンバー全員、27時間ほぼ出ずっぱりで公式司会を務めている。この特番では、芸能界のビッグスターたちがSMAPの功績を讃える「SMAP生前葬」のコーナーや、メンバー全員が「SMAP解散」をテーマにフェイクドキュメンタリードラマ(※②)を演じるなど、いま振り返ると偶然とは思えないほど斬新な企画構成で、解散後は「何かを予見していたとしか思えない」とファンの間で話題になっていた。

その2014年の「27時間テレビ」にはいったい何が映っていたのか、SMAP解散の予兆とカメラが撮らえた真実とは何だったのか――?『SMAPとは何だったのか』の著者・相田冬二と小林淳一が紐解いていきます。

※①:2014年7月26日-27日に放送された『武器はテレビ。SMAP×FNS 27時間テレビ』(フジテレビ系)。「SMAP生前葬」という衝撃的なコーナーにはじまり、フジテレビ人気番組とのコラボ、ラストでは45分間で27曲をノンストップで歌うコンサートも施行。平均視聴率は前年の9.8%から13.1%へとアップ、瞬間最高視聴率は23.8%。

※②:スペシャルドラマ『俺たちに明日はある』は、ドキュメンタリー風のフェイクドキュメンタリー(モキュメンタリー)ドラマで、劇中でSMAPメンバーは「SMAP」を演じている。ある日、SNSから「SMAP解散」という噂が駆け巡り芸能界に激震が走る。当のメンバーたちは言葉を濁し、真相はわからないまま。メンバーが司会をつとめる27時間テレビ放送日が近づく中、ワイドショーはSMAP解散の真偽と原因究明を突き止めるため、メンバーと関係者を追う。騒動の高まりを懸念したメンバーは、ステージ上で5人そろって騒動を詫び、これからも活動してくことを宣言する。

 

相田冬二(SMAPオフィシャルコラム『Map of Smap』ライター)× 小林淳一(Webサイト「A PEOPLE」編集長)

 

とても演技とは思えなかった
フェイクドキュメンタリー

小林淳一(以下、小林) いま観直してみると、あまりにスリリングで驚愕します。フェイクドキュメンタリーとしてSMAPがSMAP自身を演じてる。しかも、テーマはSMAP解散危機ですからね。フィクションが現実になったというか、佐村河内(守)を追ったドキュメンタリー映画『FAKE』(2016、森達也監督)みたいに、虚実ないまぜの作品になったと思いました。かなりリアルですよね。

相田冬二(以下、相田) 再放送はされないだろうし、ソフト化も難しいだろうから、観た人の間だけで、未来永劫語り継いでいかれる作品になった。ファンはまだ辛くて、録画ディスクを所有していたとしても、もう一度向き合うことは難しいかもしれないけれど。

小林 例えば(劇中で)香取がSMAP解散についてテレビのインタビューを受けていたときの発言は、本音にしか聞こえなくてドキドキしてしまいました。「(解散は)ひとりでは決められることじゃないから、みんながSMAPが続いていくことを願っていてくれないと」と言っていたり、「もしSMAPがなくなったら、自分はどうなっちゃうんだろう……。僕は小学生からSMAPだったから(解散したら)どうしたらいいかわからない」と話していますが、そのつらさが、画面を通じて伝わってきてしまうんです。「解散はない」とした上で、もし「解散したら、芸能界は引退して、海外に行ってしまうかも」とも言っている。現実に「解散」は起こったし、「海外に行くような」ことはまだないわけですが、これは当時の香取の本音だったんじゃないかと思いますね。フェイクドキュメンタリーのドラマだと思いつつも、どうしても演技には見えない部分がいくつかありました。

相田 実はSMAPが現実に解散してしまったいま観たほうが理解できることがたくさんあると思う。よく思うんだけど、フィクションで「お芝居を演じている」という前提があったほうが、その人の本音って実はこぼれ落ちやすいんじゃないかな。「さあ、あなたの素を見せて、真実を話してください」ってカメラを向けたところで、そう簡単に話すことなんてできるはずもなくて。ここでは「解散騒動という危機に陥った状況」というとりあえずのフィクション設定が、逆に生っぽい素の彼らを露呈させたと感じられる。