中学の頃に読んでいた本を読み返してみると、
私も成長して大人になっているんだなあって思いました(笑)

──吉谷さんはもともと本をよく読まれていましたか?

吉谷両親がすごく本が好きで。特に父が大好きなので、小説をよく薦められていました。

──じゃあ、たくさん本があるようなおうちだったんですか?

吉谷ちょっとした図書館ぐらいありましたね(笑)。実家はかなりの本、小説があります。

──小さい頃に読んだもので記憶に残っているのはどんな本ですか?

吉谷母が夜寝る時に読み聞かせてくれた絵本です。「ゆきのふるよる」っていう絵本があるんですけど、私は英語バージョンと日本語バージョンの両方を持っていて、私もいつか子供ができたら、この本を上手に読み聞かせしたいなと思っています。

──語り継ぎたい本ですか。素敵なことですね。

吉谷結構思い出深いです。パーシーっていう男の子が森に一人で住んでいて、友達はみんな動物たちなんですよ。ある日その森に雪が降って、パーシーが寝ようとしたらいろんな動物たちが訪ねてくるんです。キツネだったりリスだったり、どんどんやってきてパーシーの家がパンパンになるんですね。そこでみんなでギュウギュウになって寝るんじゃなくて、モグラちゃんは靴の中、この子は靴下の中って、寝床をちゃんと決めて、みんなであったかく眠るっていう、その穏やかなのんびりした感じが大好きなんです。

──その後、小中学時代はどんな本を読まれていましたか?

吉谷小学校の時に読書の時間っていう時間が学校にあったんですよ。その時間に父に聞いたお勧めの本を読んでいました。重松清さんの「ビタミンF」とか、私も映画に出ていたんですけど伊集院静さんの「機関車先生」とか、正統派なものを読んでいましたね。で、小学校終わるか中学生になるかぐらいの時にお勧めされたのが今回セレクトした「翼はいつまでも」なんです。一番自分が影響された本と言えばこれかな、と思います。

──中学生に上がる頃というと、本の主人公と同じぐらいの年頃ですね。

吉谷だからたぶん両親も思うところがあってこの本を薦めたんじゃないかなって勝手に私は思っているんですけど。思春期における友達関係、先生、親とか、性の目覚めとか、いろんなことが入ってる本なので、そこに関してかなり影響を受けましたね。

──今じゃ“中二病”なんて言葉もありますが、その世代は本当にいろんなことを吸収し、いろんなことに悩む時期ですよね。

吉谷そうなんですよね。一番自分の殻を破る時期というか、自分の殻を破る勇気を出すっていう時期で。その勇気って言葉を大人になってから使わなくなったなって、この間久々にこの本を読んで思ったんですよ。改めて読んですごく勇気が出る本だなと思ったんですけど、大人になると勇気っていう言葉は決断っていう言葉に変わっていっちゃったなって思って。いつからそういう、なりたくない大人になってしまったんだろうなって思いました(笑)。

──なりたくない大人になっちゃいましたか。

吉谷この本を読んでいたら、先生とかすごくいけずじゃないですか。あと、お父さんが息子をぶつ時とか。なんなんだろう?とか思っていましたけど。今読んでみると、当時読んでいた頃とは違う、また別の思いがあったりして、今読み返すのってすごくいいなって思いましたね。

──当時はこの本を読んでどんなふうに思っていましたか?

吉谷当時はただ、この子の目線でしか見れていなかったので、“わかるなあ”と思っていましたね。私も中高とがっつり陸上部だったので、こういう先輩がいたよね、とか、子供目線で見ていました。でも今見てみると、中学生って大人でもないけど子供でもないっていうところがあって。そういう目線で新しく見ると、さっき言った勇気、殻を破った話になりますけど、私も成長して大人になっているんだなあって思いました(笑)。

──この本には影響を受けた音楽も出てきますが、吉谷さんも音楽がお好きですよね?

吉谷好きなんです。この本にはビートルズの「プリーズプリーズミー」が出てくるんですけど、うちの父もビートルズがすごく好きで。ビートルズがよく流れていたので、歌詞が出てくるとすぐに曲が頭に浮かびました。主人公はビートルズに影響されていますけど、私も結構音楽に影響受けることがありますから。元気づけられたりとか、悲しい時はこういう曲を聴くとか。音楽の影響力もすごいなあって改めて思いますね。

──ちなみに吉谷さんはどんな音楽がお好きなんですか?

吉谷私はエレファントカシマシさんが大好きなんです。宮本さんの影響力はほんとにすごいです。ちょうど「バカボンド」を読み始めたのが大学ぐらいだったので、それぐらいだったかなあ。友達に勧められたのがきっかけで聴き始めたんですけど、こんなに掠れたいい声で、まっすぐな歌詞で、伝えよう伝えようとしている感じがドーンと響きましたね、直球に。いきなり大好きになりました。

吉谷彩子さんが好きな本を
電子書籍でチェック!

ちびまる子ちゃん

さくらももこ (著)

集英社

“さくらももこ”は小学3年生。とても小さくて女の子だから“ちびまる子ちゃん”とよばれている。そんなまる子ちゃんが、おかしな家族の人たちや学校のお友だちとくり広げる、愉快な日常絵日記コミック。

翼はいつまでも

川上健一(著)

集英社

【第17回坪田譲治文学賞受賞作】青森県の中学三年生、神山は補欠の野球部員、平凡な生徒だ。ある日、米軍放送で聴いたビートルズの「プリーズ・プリーズ・ミー」が彼を変えた。聞き覚えてクラスで歌い、彼はクラスで認められた。多恵からも声をかけられ初恋の思いを抱く。夏休み、さまざまなトラブルが彼を襲う。でも彼には仲間がいるし、ビートルズがくれた勇気もある。「本の雑誌が選ぶ2001年度ベスト1」「第17回坪田譲治文学賞」受賞。

※「バガボンド」は電子書籍の配信はありません。

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