こんなふうに強くいられたらなあと、
心のどこかで思いながら読んでいました

──徳永さんは子供の頃から読書がお好きでしたか?

徳永実は読書があんまり得意じゃなくて。兄がいるので、その影響で家に置いてあるマンガを読んだりはしていたんですけど、あまり本を読む家じゃなかったんです。

──今日は裸足で楽しそうに撮影をされてましたが、「だいたいずっと動いている」とおっしゃってましたね。

徳永そうなんです!じっとしていられなくて(笑)。だから、じっと本を読んでるっていうことができないんです。

──そういうことですか(笑)。子供の頃読んでいて、記憶に残っている本はありますか?

徳永絵本は読んでました。どちらかというと怖い絵本というか、インパクトの強い絵本のことを覚えてます。「おしいれのぼうけん」とか「じごくのそうべえ」とか。そういうインパクトの強いものは記憶に残ってます。想像力が変にあったせいか、怖いってわかってるのに読んでトイレに行けなくなったりしてたと思うんです、たぶん(笑)。

──本を読むようになったのは大人になってからですか?

徳永そうですね。この仕事を始めてから、やっぱり本は読んだ方がいいと勧められて。頑張っていっぱい読んだんですけど、なんせ記憶力が悪くて、読んだのに忘れちゃうんです。だから読んだ本なのに、新鮮な気持ちでもう一回読めちゃうんです(笑)。

──それはそれでいいことだとも言えます(笑)。でも、気になったところはマークしてるとおっしゃってましたね。

徳永この「できればムカつかずに生きたい」に関してはそうですね。電子書籍で買って、携帯にもデータを入れているので、マークができるんです。今回、この取材があると思って久し振りに見返したら、“こういうところが気になってたんだな”とか“ここにマークしてたんだ”とか、改めて気付くことがありました。

──この本を手にされたきっかけは?

徳永田口ランディさんの本を初めて読んだのは、田口さんが書かれていたベトナムの旅行記の本で。その時はなんとなくベトナムが私を呼んでいると思っていた時で(笑)、今年絶対にベトナムに行くんだ、と思っていた時だったんですよ。それでたまたまその本を手にしたんです。読んでみたらこの人の本は面白いと思って、他にどういうものを書かれているのかなと、他の本も読んでみたんです。そしたら結構えぐいというか、リアリティが強めな本が多くて。「もう消費すら快楽じゃない彼女へ」という本もとても興味深かったんですが、この「できればムカつかずに生きたい」は本当に刺激的で。これが一番刺激を受けた本ですね。

──どういうところに刺激を受けましたか?

徳永まず、私が知りたかった世界を知っている、というところですね。自分自身、誰にもなるべく嫌われないように平穏にと、みんなの顔色をうかがって生きてきたタイプだったので、本当はこうなりたいとか、これぐらい強い気持ちで生きたいと思える内容だったんです。あと、10代の一番揺れ動く時期、特にこの本は17歳の子供たちについて書いてあるんですけど、私の母が子供とそのご両親に関わる仕事をしていて、カウンセリングなどもしているので、昔からその世代について触れることが多かったんですね。そんな中でもこの本は、たぶん田口さんじゃないと掘れないところまで掘ってあって、今まで知りたかったことが知れたような気がしました。

──徳永さんの17歳の頃は、どんな時期だったんですか?

徳永17歳はこのお仕事を始めたばかりの時で。今の事務所に入ってお芝居をしていくんだって思っていた時期だったので、それこそ大人に嫌われないようにしなきゃとか、優等生でいようとしていた時期です。この本を読んだのは二十歳を越えてからだったんですけど、この仕事をするようになって、自分の意見を言うというよりは周りの顔色を見るクセがついていたので、思っていることをこんなふうに強く吐き出せることに、ちょっと憧れというか、こんなふうに強くいられたらなあと、心のどこかで思いながら読んでいました。

徳永えりさんが好きな本を
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できればムカつかずに生きたい

田口ランディ(著)

新潮社

どうしたら自分らしく強く生きられるんだろう。14歳の頃からずっと、なんだかうまく生きられないなあ、と思って悩んできた。なんか自分としっくりこないなあ、どうやったら自分がやりたいことにまっすぐ突き進めるのかな。傷つきやすい思春期に体験し考えたことは、いまも現在進行形のままだ――生きにくいこの時代を生き抜くために、自分の頭で考えたヘヴィでリアルな「私」の意見。

ミーコの宝箱

森沢明夫(著)

光文社文庫

ミーコは、風俗と福祉の仕事を両立しながら娘のチーコを育てるシングルマザーだ。幼い頃に両親に見捨てられ、躾の厳しい祖母との関係に苦しんだ過去を持つ。苦労の絶えないミーコだが、彼女の特技は、毎日一つ、小さく光る宝物を見つけること。ミーコの宝箱に入っている、一番大切な宝物とは・・・・・・。一人の女性の半生を通して、母と子、人と人の絆を温かく描き出す。

※「演技でいいから友達でいて―僕が学んだ舞台の達人」は電子書籍の配信はありません。

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