印象に残っているのは“人生はプリンのようなもの”
私のプリンは苦いところと甘いところが半々ぐらいです

──髙橋さんはもともと本をよく読まれていたんですか?

髙橋読み聞かせしてもらうのは好きだったんですけど、実は幼少期はあんまり本が好きじゃなくて、じぶんから進んで読むことがなかったんです。でも、中学校の時に、朝のホームルームが始まる前に本を読む時間が設けられていたんですね。その頃から、本を読む習慣がつきました。

──その頃はどういった本を選んで読んでいたんですか?

髙橋ちょっと不思議な世界観というか。現実の世界なんだけどちょっと変わった部分があるもの、例えば時空のゆがみとかパラレルワールドとか。そういったちょっと変わったものが好きだったなと思います。

──なるほど。今回ご紹介いただく一冊、「かがみの孤城」はまさにそういう世界観をもっていますね。

髙橋そうですね。この本は、高校の国語の先生に「何かオススメの本はありますか?」って聞いた時に教えていただいた本なんです。こういうお話だからすごくいいよ、とか、本の厚さや長さを聞いたわけではなく、とにかくこの本はオススメだって聞いたんですよ。それで先生が面白いって言うなら、と本屋さんで見てみたら、こんなに分厚かった(笑)。こんなに分厚くて、紙が薄くて文字も小さくてギッシリと詰まっている本は初めてだったので、最初は最後まで読めるか不安だったんですけど、面白くてあっという間に読み終えちゃいました。

──撮影中に、二日間で読んだとおっしゃってましたね。どういうところに夢中になりましたか?

髙橋このお話の中の異空間に集まっている子たちは、みんな学校に通えてない子たちなんですけど、学生時代ならではの、社会とは違って小さな世界でしか暮らせなくて、同じ空間でずっと同じメンバーで一緒にいなければならないっていう、その窮屈さとか。自分も共感出来る部分がたくさんありました。

──髙橋さんご自身、登場人物たちと年齢が近いですもんね。

髙橋本当に。つい最近まで私も中学生だったので、その気持ちはよくわかりました。

──同じような思いや経験をしたことがありますか?

髙橋恐らくみんなも思ったことがあると思うんですけど、学校って過ごしにくいなって思うことが結構あって。先生が苦手だったり、うまく友達と付き合えなかったり、お母さんにも言えなかったり、いろんな悩みがあると思うんですけど。でもわかってほしいからヒントを出したりするんだけど、それでもやっぱり伝わらなくてもどかしく思ったり。この本もそういう部分がすごく細かく描かれていているんですよね。あと、鏡の中の世界っていうのに小さいころすごく憧れていたんですよ。その世界観とかキラキラした感じがすごく素敵だなあって思ってました。

──鏡の中の世界に憧れていたというのは、何か理由がありますか?

髙橋昔はアニメものとか戦隊ものとか、そういうお話がすごく好きで。もしかしたらそんな世界もあるのかもしれないって、小さい頃は思っていたんですよ。幼少期に観た映画に、鏡の中の世界を題材にしたものがあって。それを見て、自分もいつか異空間に行ってみたいなってちょっと思ってました(笑)。
あと、このお話の鏡の世界には、そこに集まる主人公たちを見ているオオカミさまがいるんですけど、このオオカミさまとみんなの距離感とか、オオカミさまの謎を秘めた感じもまた面白いなと思いながら読んでいました。

──もう一冊あげていただいた「また、同じ夢を見ていた」も、実は「かがみの孤城」とどこか似た世界観をもってますよね。

髙橋確かに、今思うと世界観は似てますね。もともと住野よるさんの本が大好きで。まだ最新作は読めてないんですけど、最初に「君の膵臓をたべたい」を読んだ時に、その世界観とか表紙の感じがすごく好きだなあって思って。この本の主人公は小学生の女の子なんですけど、最初は物語を理解するのに時間がかかりますが、読んでいくとなるほどってわかっていくと思います。幸せってなんだろう?っていうことがすごく突き刺さって、過ごし方や生き方について考えさせられました。“ちょっとした言動で未来は変わっちゃうんだ”っていうことにグサッときて、日々の言動を改めようって考えましたね。

──この本には“人生は○○のようなもの”という言葉が出てきますが、髙橋さんはどんなふうに考えますか?

髙橋このお話の中で、“人生はやり直しのきかないゲームのようなものだ”っていう言葉が出てきて、それもそうだなあと思ったんですけど、一番共感できた言葉は、人との出会いを避けてしまった分岐点に立っていた主人公が、“人生はプリンみたいなものだ”という言葉で。甘い部分の中にはやっぱり苦い部分もあって、甘い部分に辿り着くためには苦い部分を通らなきゃいけない。私の中では、そのプリンの比率が半々かなって思いました。苦い部分と甘い部分が半分ずつ。

──それはプリンにしてはちょっと苦めですね。

髙橋「そうですね(笑)。ちょっと苦い大人の味ですね(笑)。でも、やっぱり苦い部分があるからこそ楽しい部分が引き立って、楽しい部分があるからこそ苦い部分を乗り越えられるんだと思うので、私はそれぐらいがちょうどいいかなって思いました。

──主人公は、とある3人の女性と出会うことで人生が変わっていくわけですが、髙橋さんは人生や考え方を変えてもらったなと思うような出会いを経験されたことはありますか?

髙橋私が国民的美少女コンテストに応募したのが中学一年生の時だったんですけど、中学に入ってからの出会いが私の中では印象に残っていて、中学一年生の担任の先生との出会いが印象的でした。当時私は、先生っていう人があんまり好きじゃなくて、どこか子供と一線をおいているイメージがあったんですね。その担任の先生は若い先生で、今は熱血的だけど、そのうち冷めていくんだろうなって思っていたんですけど(笑)、その先生は最後まで熱血的で、生徒としっかり向き合って話をしてくださる方だったんです。だから今でも実家に帰ったら、その先生に会いに行って話を聞いてもらったりしています。この本もそんな中学生の頃に読んだ本で、この取材の前に改めてどの本が良かったかなあと考えた時に、人との出会いや幸せ、人生について考えさせてくれたこの本にしようと思ったんです。

──この本でもよく考えさせられる言葉ですが、髙橋さんが今思う“幸せ”とはどういうことでしょう?

髙橋この本に出てくる主人公の同級生の男の子が、「自分の絵が好きで隣りにいてくれることが幸せ」って言ってたんですけど、私もお互いに認め合って、でもライバルとしてもいられるような人が近くにいてくれることが幸せかなって思いますね。今実際に、美少女コンテストで出会った仲間とかも活動していて、「お互いに頑張らなきゃね」って話をしてますし、家族も自分のことを優しく包み込んでくれているし、事務所の方たちもそうですが、本当にいろんな人に助けられて今ここにいるので、そのことが一番の幸せかなと思います。

髙橋ひかるさんが好きな本を
電子書籍でチェック!

かがみの孤城

辻村深月(著)

ポプラ社

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。 輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。 そこにはちょうど“こころ”と似た境遇の7人が集められていた―― なぜこの7人が、なぜこの場所に。 すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。 生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。

また、同じ夢を見ていた

住野よる(著)

双葉社

デビュー作にして25万部を超えるベストセラーとなった「君の膵臓(すいぞう)をたべたい」の著者が贈る、待望の最新作。友達のいない少女、リストカットを繰り返す女子高生、アバズレと罵られる女、一人静かに余生を送る老婆。彼女たちの“幸せ”は、どこにあるのか。「やり直したい」ことがある、“今”がうまくいかない全ての人たちに送る物語。

ダンジョン飯 1巻

九井諒子(著)

HARTA COMIX

九井諒子、初の長編連載。待望の電子化! ダンジョンの奥深くでドラゴンに襲われ、金と食料を失ってしまった冒険者・ライオス一行。再びダンジョンに挑もうにも、このまま行けば、途中で飢え死にしてしまう……。そこでライオスは決意する「そうだ、モンスターを食べよう!」スライム、バジリスク、ミミック、そしてドラゴン!! 襲い来る凶暴なモンスターを食べながら、ダンジョンの踏破を目指せ! 冒険者よ!!

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