読書で想像力が養われると思っていたので、
ずっと読まなきゃなと思ってたんです

──松本さんは、普段から本はよく読まれますか?

松本まだそんなに読めてなくて、これからいっぱい読んでいきたいなと思っている時なんです。自分だけの世界に、想像力だけの世界に入れるから、楽しいなと思います。

──—読んだ本の中で、一番古い記憶といえばどんな本ですか?

松本やっぱり絵本ですね。「バムとケロ」っていう、犬とカエルの絵本なんですけど、それを読んでいたのを覚えてます。

──では、紹介していただいた3冊のうち、まず「イニシエーション・ラブ」を手にされたきっかけは?

松本これはお仕事で一緒になった方が、その方も本を読んでると眠くなっちゃうタイプだったそうなんですけど、試しにこの本を読んでみたらすんなり全部読めて、そこから本を読むようになったよ、って言われて。私も本を読んでたら眠くなっちゃうタイプだったので、薦められて読んでみたら、私もさらっと全部読めちゃって。本って面白いなあって思うようになったきっかけになった本です。

──そうでしたか。薦められてすぐ読んでみたってことは、どこかで本を読みたいなと思ってたタイミングだったってことでしょうか?

松本はい、どこかであったんですよ。お芝居に対しての台本を読む練習っていうわけではないですけど、きっと想像力が養われると思っていたので、ずっと読まなきゃなと思ってたんです。この本を薦められて、その人が持っていたものをもらって読んだことで、もっといろんな本を読んでみたいなって思うきっかけになりました。

──至るところに伏線が張ってあってある本で、最初に読むにはなかなか難易度が高かったと思いますが(笑)。

松本「読み終わって、え?どういうこと?ってなりました。最後の解説を読んで、ちょっとぼーっとするような感覚があって(笑)。でもそれが、あ、面白いなと思いました。最後まで騙されてましたけど(笑)。よく分からないまま最後まで読んで、解説を読んでも、スッキリもしないし、モヤモヤでもないし(笑)。一冊でここまで人を騙せたりするなんて・・・本ってすごいんだなと思いました。

──この本は、今までも何度かあがったことがあるんですけど、お話を聞いていくと、どんどんネタバレになっちゃうんです(笑)。

松本映画でもそうでしたよね(笑)。“あなたは必ずもう一回観る”っていう。確かにこれはそれを踏まえた上で見たら、まったく別物になるから面白いですよね。人にどうやって薦めたらいいのかわからないですけど。

──この本をきっかけに他の本も読むようになって、そこで出会ったのが西加奈子さんですか?

松本うちの母からずっと西加奈子さんの本は読みやすいし、面白いよって聞いてたので、じゃあ読んでみようと思って。「漁港の肉子ちゃん」は、特にお母さんがすごい面白いよって言ってたので、読んでみたら、もうすごく面白くて。いちいちツボなんです。肉子さんのキャラクターとか、なんか想像してします。それぞれのキャラもすごく濃くて、読んでるうちに一人一人愛しくなってくるじゃないですか、読んでるうちに。そういうのって、なんか不思議だなって。何も見えてないのに、自分の中だけでどんどん想像が大きくなっていく。とりあえずどんどん太っていくじゃないですか、肉子さんが(笑)。どれだけ太ってるんだろう?とか、そういうことを想像するのが楽しかったです。

──セリフの勢いだとか、どれだけの音量でしゃべってるんだろう?とか、そういうところまでも想像が広がりますね。

松本そうなんですよ。西さんも関西の方じゃないですか。私も大阪出身なので、イントネーションも簡単に私は想像できるので、ああ、きっとこういうテンポで話してるんだろうなとか、こういう肉子さんみたいなおばちゃんがいたらいいなと思いました、すごく。どっかにいてほしいなと。

──「漁港の肉子ちゃん」は、肉子さんの娘のキクりんの視点で描かれてますが、この親子の関係って、特殊だけどどこかにいそうですよね。

松本いそうですよね。最後はボロボロ泣いちゃって、自分とたぶんどこか重なるところがどこかにあるんだろうなと思っていました。母親の愛情みたいなものは、私も育ててもらってる中でずっと感じてきたものだから、そこが重なるというか。自分にもそういう成長の経験があったし、そのとき母も喜んでくれたし、やっぱり自分と重なるところがあるから、人って心が動くんだなっていうことを改めて感じました。

──先程少し、お母さんのお話がでましたけど、松本さんとお母さんとの関係はどんな感じですか?

松本つまんないことでよくケンカもしてます。兄がいるんですけど、兄は私とお母さんのちょっとしたケンカを見て、『なんかカップルみたいやな』って言ってます(笑)。お母さん……絶対いなきゃいけない存在ですよね。なんかこの二人もそんな感じだし、お母さんの存在って大きいですね。子供に与える愛情みたいなものを受け継いでいくというか。

──肉子さんのファッションセンスは、さすがに受け継ぎたくないですけどね。

松本そうですね(笑)想像したら笑えるんですよね。どこからきたんだ、その奇抜なファッションは!みたいな。ちょいちょい挟まるツッコミみたいなのがすごい面白い。前髪をちょっと垂らすところとか、あと置き手紙のくだりも好きでした。“おきたときねてなかったらおこして”って、何回読んでもわかんなかった(笑)。でも親子だからなんとなくわかっちゃうみたいなのも、すごい生活が見えます。

──松本さんもお母さんとそういうやり取りがあったりしますか?

松本微妙に間違うとか、同じメールを送っちゃったりとか(笑)。やっぱり慣れてないのか、それともずっと慣れないのかわかんないですけど(笑)。これどうやるんだっけ?みたいなことを聞かれて、『前も言ったけど』とか。そういうのはあります。

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イニシエーション・ラブ

乾くるみ(著)

文春文庫

2014年3月3日、日本テレビ『しゃべくり007』で、紹介された作品です。
「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。僕がマユに出会ったのは、人数が足りないからと呼びだされた合コンの席。理系学生の僕と、歯科衛生士の彼女。夏の海へのドライブ。ややオクテで真面目な僕らは、やがて恋に落ちて……。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説──と思いきや、最後から二つめのセリフ(絶対に先に読まないで!)で、本書はまったく違った物語に変貌してしまう。

※「漁港の肉子ちゃん」「サラバ!」は電子書籍の配信はありません。

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