私のキャラではないんですけど(笑)、
グロテスクなものとか、日常にないものを求めてしまいます

──胡桃沢さんは子供の頃から本を読むことが好きだったんですか?

胡桃沢すごく好きで。小学校の頃に年間100冊読むことを目標に立てて、それをずっとやり続けてたのがきっかけで、本をたくさん読むようになりました。100冊クリアすると表彰されるんですよ。褒められたいがために、「よくやったね」って言われるためにやってました(笑)。

──年間100冊ってことは、1ヵ月に10冊弱読まないといけないですよね。

胡桃沢そうなんですよ。なのですごい簡単な詩集とかから最初は始めて。でも読むのが習慣になってくると、早く読めるようになりました。

──小学生の頃に読んだ本で今でも印象に残っている本はありますか?

胡桃沢「カラフル」っていう森絵都さんが書かれた本があって、小学生の頃に読んですごく印象に残っていたんですけど、その作品を中学校の時に演劇にすることになったんです。それで、原作のキャラクターを守らなきゃいけないと思って、中学に入ってもう一回読み返しました。その時ヒロインの役をやったんですけど、このセリフは文章では一行しかないけど、その裏でどんなことを思っているんだろうとか、すごくいろいろと考えて。絵都さんはどんな気持ちで書いたんだろうとか、一人で考えるのがすごく楽しかったです。

──目標100冊の小学時代の後も、コンスタントに本を読まれていたんですね。

胡桃沢はい。本の中でも結構後味悪い作品が好きで(笑)。感動系も好きなんですけど、「“It(それ)”と呼ばれた子」とか、「その女アレックス」とかもそうなんですけど、自分が体験しないようなソワソワとするようなものが好きで、そういう本ばかり読みあさるようになりました。

──今回「その女アレックス」をピックアップしてくださいましたね。この本を手にしたきっかけは?

胡桃沢これはファンの方から薦められて読んだんですよ。読み進めていくうちにどんでん返しもあったりして、すごく面白いんですよ。アレックスのストーリーはもちろん、それに関わる警部さんたちのサイドストーリーも緻密に計算されていて、一つの話を読んでいるのにたくさんの話を読んでいるような感じがして、深みがあって面白い本だなと思いました。

──アレックスのストーリーと、警察周りのストーリーが交互に出てくるから、テンポもいいですよね。

胡桃沢一気に読み進めたくなりますよね。あとは、残酷な描写にすごくハラハラして、顔を歪ませながら読んでました(笑)。私がもしアレックスのような状況に陥ったら、こんなに冷静ではいられないなと。

──読むのはミステリー系のものが多いですか?

胡桃沢ちょっと不可解なことが起こったり、タイムループと言いますか、そういった複雑な話がすごく好きです。「Another」とか「カラダ探し」とか。「カラダ探し」は、身体を探さないと自分が元にいた世界に戻れなくなっちゃう話なんですけど、その殺され方もすごく残忍で……ちょっとこれ、すごくヤバイ人みたいな感じですけど大丈夫ですかね(笑)。私、そんな感じのキャラじゃないんですけど(笑)。アニメとかもそうなんですけど、グロテスクなものとか自分の日常にないじゃないですか。だから、そういう感じの本が好きなのかなと。

──キャラじゃないとおっしゃってましたが(笑)、自分にないものを求めてしまうことってありますよね。

胡桃沢たぶん自分が普通に幸せに生きているからこそ、絶対に味わえないような体験をミステリーやホラー系の本でしているんでしょうね。

──光が強ければ強いほど、影も濃くなると言いますからね。

胡桃沢二面性ですね(笑)、それだと思います。この本は登場人物がいっぱい出てくるんですけど、その一人一人のことを想像するのが楽しくて。パスカル警部はこういう顔なんだろうな、とか、自分の中で想像しやすかったです。私は二次元が好きなので、妄想がすごく膨らみました。

胡桃沢まひるさんが好きな本を
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その女アレックス

ピエール・ルメートル (著)、橘明美 (訳)

文藝春秋

英国推理作家協会賞を受賞した大逆転サスペンス。貴方の予想はすべて裏切られる!おまえが死ぬのを見たい――男はそう言って女を監禁した。檻に幽閉され、衰弱した女は死を目前に脱出を図るが・・・・・・。ここまでは序章にすぎない。孤独な女の壮絶な秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕へと突進する。「この作品を読み終えた人々は、プロットについて語る際に他の作品以上に慎重になる。それはネタバレを恐れてというよりも、自分が何かこれまでとは違う読書体験をしたと感じ、その体験の機会を他の読者から奪ってはならないと思うからのようだ」(「訳者あとがき」より)。未曾有の読書体験を、貴方もぜひ!

コンビニ人間

村田沙耶香

文藝春秋

第155回(2016年上半期)芥川賞受賞作

36歳未婚女性、古倉恵子。
大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。
これまで彼氏なし。
オープン当初からスマイルマート日色駅前店で働き続け、
変わりゆくメンバーを見送りながら、店長は8人目だ。
日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、
清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、
毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。
仕事も家庭もある同窓生たちからどんなに不思議がられても、
完璧なマニュアルの存在するコンビニこそが、
私を世界の正常な「部品」にしてくれる――。

ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、
そんなコンビニ的生き方は
「恥ずかしくないのか」とつきつけられるが・・・・・・。

現代の実存を問い、
正常と異常の境目がゆらぐ衝撃のリアリズム小説。

※『あひるの空』は電子書籍の配信はございません。

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